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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

彼女が大人になるまで

彼女が大人になるまで


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

いつか大人になったら、あの人に愛される日が来るの?

幼いころに母を亡くした17歳のミシェルは、あと数カ月で高校を卒業するというとき悲劇に襲われた。医師の父親が治療の甲斐なく病死し、意地悪で自分勝手な継母との地獄のような暮らしが始まったのだ。彼女は生きる希望を失い、近づいてくる車の前に衝動的に身を投げ出した。間一髪のところを救ったのは、謎めいた隣人のガブリエル――ミシェルが密かに想いを寄せている男性だった。事情を知ったガブリエルは彼女の後見人となり、自宅へ呼び寄せた。やがてミシェルは募る想いを抑えきれなくなって愛を告白するが、ガブリエルに冷たく突き放される。“君はまだ子供だ”と言われて。

■ハーレクイン・ディザイアもおかげさまで1700号記念を迎えることができました。皆さまのご愛読に心より感謝いたします。北米ロマンス界の最重鎮、ダイアナ・パーマーが贈る初恋物語をご堪能ください。本作はPS−82『打ち砕かれた純愛』の関連作です。

抄録

「説明してもらおうか? 道の真ん中に座って何をしているんだ?」怒りを含んだ低い声が聞こえた。
 ミシェルは冷たい黒い瞳を見上げ、顔をしかめた。「車に轢かれようとしているんじゃない?」
「僕が運転しているのはトラックだ」
「じゃあ、トラックに轢かれようとしているのよ」彼女は事務的な口調で言い直した。
「もっと詳しく説明してくれないか?」
 ミシェルは肩をすくめた。「私は継母の取引を邪魔したの。彼女が戻ってきたら、きっとまたぶたれるわ」
 相手が眉をひそめた。「取引?」
「父が三週間前に亡くなって」ミシェルは物憂げに説明した。「私は火葬に反対したの。ちゃんとした葬儀をおこなうべきだと。その腹いせに、彼女は父のものを全部ゴミに出したわ。そして、今度は父の切手のコレクションまで売ろうとした。あれは私に残された唯一の形見なのに。だから、私は取引の邪魔をした。でも、取引の相手が帰ってしまうと、彼女は私をぶって……」
 彼は首を巡らせた。火ぶくれしたようなミシェルの頬に気づき、黒い瞳を鋭く細めた。「トラックに乗って」
「でも私、埃まみれよ」
「気にするな。トラックも埃まみれだ」
 ミシェルは立ち上がった。「私を拉致するの?」
「ああ」
「オーケー」彼女はため息をつき、哀れっぽい視線を返した。「どうせ拉致されるなら、行く先は火星がいいわ」
 彼は小さく笑い、ミシェルのために助手席側のドアを開けた。
「あなたはミスター・ブランドンね」相手が運転席に乗り込むのを待って、彼女は言った。
「ああ」
「私はミシェルよ」
「ミシェル」ガブリエル・ブランドンはくすりと笑った。「そういうタイトルの歌があったな。父がよく口ずさんでいた。ミシェル、マ・ベル」彼は助手席に目をやった。「君、フランス語はできるのかい?」
「少しだけ習ったわ。“僕の美しい人”って意味よね?」ミシェルは笑った。「でも、私には関係ないみたい。私は普通の地味な女の子だもの」
 ガブリエルは眉を上げた。今のは冗談か? こんなにきれいな子なのに。まだ幼い感じはするが、クリーム色の肌は非の打ち所がない。髪は淡いブロンドだし、顔立ちも整っている。それに、この灰色の瞳。まるで八月の霧のようだ。
 いったい何を考えているんだ? 相手はただの子供だぞ。彼は道に視線を戻した。「美しいかどうかは見る者しだいだ」
「あなたは? フランス語を話せるの?」興味を引かれて、ミシェルは問いかけた。
「フランス語、スペイン語、ポルトガル語、アフリカーンス語、ノルウェー語、ロシア語、ドイツ語。それに、中東の方言もいくつか」
「ほんと? 通訳の仕事でもしていたの?」
 ガブリエルは唇をすぼめた。「たまにね」
「すごい」
 彼はトラックを発進させ、八百メートルほど先の自宅へ向かった。彼の自宅は道から引っ込んだ位置にあるランチハウスだった。夏ともなれば、ランチハウスの周辺には花の海が広がる。だが、今はまだ二月なので、そこには一輪の花さえなかった。
「ミセス・エラーは花が大好きな人だったわ」
「ミセス・エラー?」
 トラックが玄関ポーチの前で停まった。ミシェルは笑顔で説明した。「前にここに住んでいた人よ。ご主人は保安官代理をしていたわ。彼らには息子が一人いたんだけど、軍隊に入って、海外で亡くなったの。そのあとを追うように、ご主人も亡くなって。ミセス・エラーはたくさん花を植えていたのよ。子供の頃よくお祖父ちゃんとここに遊びに来たけど、花で家が見えないくらいだった」
「君はこの土地の人間か」
「ええ。三世代前からの地元民よ。パパがサンアントニオで開業医をしていたから、私も向こうに住んでいたけど、夏はいつもここでお祖父ちゃんやお祖母ちゃんと過ごしていたの。二人が亡くなったあとも、休暇中はよくこっちに来ていたわ。ママが生きている間は」つらい記憶がよみがえり、ミシェルは唾をのみ込んだ。「パパは早めに引退して、ここへ戻ることに決めたの。でも、継母は最初からあの家を毛嫌いしていた。彼女はあの家を売るつもりなのよ」
 ガブリエルは息を吸い込んだ。あとで悔やむことになるだろう。でも、仕方がない。彼は助手席側のドアを開け、ミシェルが降りるのを待った。彼女を家の中に案内し、キッチンの椅子に座らせ、アイスティーをグラスに注ぐと、自分も向かいの椅子に腰を下ろした。
「続けて」彼は促した。「この際だから全部吐き出してごらん」
「でも、これはあなたの問題じゃ……」
「君は自殺を図ることで僕を巻き込んだ。だから、これは僕の問題でもある」
 ミシェルは眉をひそめた。「本当にごめんなさい、ミスター・ブランドン」
「ガブリエルだ」
 彼女はためらった。
 ガブリエルが片方の眉を上げた。「僕はそこまで老けてないよ」
 彼女ははにかんだ笑みを浮かべた。「オーケー」
 ガブリエルは頭を傾け、灰色の瞳をのぞき込んだ。「ほら、言ってみて」
 ミシェルの胸が高鳴った。どぎまぎしながらも、彼女はつぶやいた。「ガ……ガブリエル」
 ガブリエルの表情がわずかに緩んだ。口元から白い歯がのぞく。「そのほうがいい」
 ミシェルは頬を赤らめ、目を逸らした。「私……男の人の前だと落ち着かなくて」


 *この続きは製品版でお楽しみください。

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