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花園物語2

花園物語2


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツスペシャル花園物語
価格:900pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シェリー・シェパード・グレイ(Shelley Shepard Gray)
 テキサス州に生まれ、大学進学でコロラド州に移ったあと各地を転々として、現在はオハイオ州南部に落ち着いている。ニューヨークタイムズとUSAトゥデイのベストセラーリストに載った経歴を持つ大人気作家。アーミッシュの人々の生き方に魅力を感じ、彼らの物語を書き始めた。非凡な社会に暮らす、ごく普通の、気のいい人々を描きたいのだという。

解説

かごから逃げ出した小鳥が見た、初めての小さな恋の夢――

ペニーは悲惨な事件で姉を亡くして以来、過保護な両親に束縛され、24歳の今も恋はおろか外の世界さえほとんど知らずに生きてきた。そろそろ自立のために仕事を得たいと両親に告げると、生前の姉と比較されたうえ猛反対され、ショックを受ける。姉を愛する父と母にとって、私は“できの悪い代用品”なんだわ! 家を飛び出した彼女は方々をまわったすえ宿の仕事を見つけ、療養のため宿泊中の男性、マイケルの世話をすることになった。数多の女性を虜にするハンサムで知的な彼のそばにいるうち、ペニーの胸に初めての恋が芽生えるとともに、不安の影が差した。しがないメイドの私を、彼が愛してくれるはずもないのに……。

■ベティ・ニールズを彷彿とさせる穏やかな作風で読み手の心を癒すシェリー・シェパード・グレイ。そんな北米ベストセラー作家が贈る、花咲き誇る町を舞台に繰り広げられる純愛ストーリーです。熱狂的な追っかけと思われ、ペニーの初恋は苦い幕開けとなりますが……。

抄録

「今こそ、そのときだと思ったから。わたしは過保護に育てられ、今日まで働いた経験もなかったの」
「それは驚きだな。きみの年齢なら、仕事をしていて当然なのに」
「本当にそうなの」
 しまった、また当惑させることを言ってしまったか? 心配しつつ、マイケルは肩をすくめた。「でも今日まで働いていないのは、そんなに悪いことじゃないと思う。さぞ大切に育てられたんだろうね」
「ええ、度がすぎるほどに」
 いったいどういう意味だ? 思案するマイケルを前に、ペニーはまたしても意外な言葉を口にした。「マイケル、今日こうして仕事につけたのは、あなたのおかげよ。療養中なのはお気の毒だけど、そんなあなたに本当に感謝しているの」
 マイケルはかぶりを振った。「びっくりだな。きみは本当に感謝しているのか?」
「〈オレンジ・ブロッサム・イン〉で仕事を見つけたことに? ええ、もちろんよ!」
 マイケルは思わず笑った。ペニーはあくまで、ぼくのことを“仕事の対象”だと割り切っている。プライドを傷つけられて当然なのだろうが、なぜか愉快な気分だ。
「嬉しいよ。ぼくの悪いほうの脚が、きみの役に立ったなんて」
 ペニーはたちまち困惑に頬を染めた。「ごめんなさい。あなたの手術を喜んでいるわけじゃないの」
「もちろんそうだろう。ぼくはたまに笑えない冗談を言ってしまうことがあるんだ。今みたいにね」
 ペニーは真顔になり、身を乗り出した。「手術ってこわいの?」
 その瞬間、マイケルは思った。どういうわけか、ペニーに嘘はつきたくない。「こわいというより、むしろつらいという感じかな」ほかに言いようがない。これが本当の気持ちだ。自分でもこの複雑な気持ちを分析するのは難しい。ましてや、他人にうまく説明できるはずがない。
「あなたのような立場にいれば、つらくないときなんて、ないんじゃないかしら?」
 そう、本当はペニーの言うとおりだ。
 だが家族の一員として、義務をまっとうしなければならない。だから計画どおりに講演に出かけ、自分の役割を果たすよう努力してきた。
 ペニーの瞳は、まぎれもない同情の色を帯びている。マイケルはそれをありがたいと感じた。「あなたの療養期間がつらくないことを祈るわ。二度目の手術を受けなければならなくなったこと、本当に残念よね」
「ああ、残念だ。じつは数年前に最初の手術を受けたときも、医者からこれは難しい手術だと言われたんだ。正直、ふたたび目覚められるのだろうかと心配になった。しかも義足での生活に慣れるのは、さらに難しいと言われたんだ」ざっくばらんな打ち明け話に、ペニーが身をこわばらせている。けれども、マイケルはそのまま言葉を継いだ。「だから、今後自分は天から与えられた時間を生きるって考えることにしたんだ。劇的な出来事を体験しても、ふつう人はそれを話したりしない。だけどぼくは、あの事故やけがについて話すことが自分の人生だし、これ以上の試練を与えられるはずがないと考えている。自分でもお気楽な考え方だと思うけどね」
「それでも、あなたがつらいことに変わりはないはずだわ」
 マイケルは口をつぐみ、ペニーの青い瞳を見つめた。思えば、すなおな気持ちを他人に打ち明けたのはいつ以来だろう? 思い出せない。
 それに、恐れを正直に認めたのも、ずいぶん久しぶりに思える。歳月が経つにつれ、身の上話を語るのがうまくなり、自分の感情を取り繕うようになった。与えられた運命に感謝し、何も問題ないかのように振る舞うようになったのだ。恐れに向き合えたのは、ペニーの同情あふれるまなざしのおかげだろう。いや、もしかすると、こんなふうに座って、今までの人生を振り返ったのがはじめてだからかもしれない。理由はどうあれ、今は自分の正直な気持ちに向き合いたいと感じている。
 深呼吸をし、マイケルはうなずいた。「ああ。だけど、少なくとも今は、今後どうなるのかわかっている。自問自答し、答えに悩む時期は過ぎたんだ。もう最悪の結果を恐れたりはしない」
「わたしもこれまで、最悪なことが起きやしないかと恐れてばかりいたの。だから、その先へ一歩踏み出すのが難しいことは、よくわかるわ」
 マイケルはペニーを見つめずにはいられなかった。暗い目をしている。先ほどより顔色も悪い。もしかして、ペニーはぼくの脚よりはるかに困難な問題を抱えているのではないだろうか? すぐにそう尋ねようとした。仕事柄、他人に自分の問題を話させ、相談に乗り、助言を与えるのは慣れている。だけど今はそうしたくない。どう考えても、時期尚早だろう。ペニーがぼくを警戒しているのは明らかだ。それより何より、ふたりで過ごす時間なら、これからいくらだってある。
 ここはただうなずいておくだけでいい。ずかずかとプライバシーに踏み込むようなまねはしたくない。
 ほどよい距離を保ったほうがいい。いちばんやってはいけないこと――それは、ペニーと真の友情関係を築くことだからだ。
 だが、考えずにはいられない。もしそうなったら、その先いったいどうなるのだろう?

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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