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密やかに想う

密やかに想う


発行: アンジェリカ
シリーズ: アンジェリカ
価格:900pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

異世界転生LOVE★ 称号:良妻賢母★ 美形ギルドマスターに求婚され、冒険者に密かに想われ、異世界転生するの大変!!

「必ず見つけ出す。待っていてくれ!」担任の一条の言葉に恋を自覚したのは死んだ瞬間だった――。突然、“神”と名乗る存在から、高校の修学旅行で事故に遭い死亡したことを知らされた美咲。さらに異世界へ転生させられることを告げられ!? 一人クラスメイトとバラバラに飛ばされた美咲は、別れ際に一条から渡された指輪を胸に彼との再会を願い旅立つ。だけど、途中で出会ったSランクの冒険者とイケメン商業ギルドマスターが彼女を巡って対立したりと冒険は波乱がいっぱいで!?

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

 弱いものを放っておけない一条先生は、あぶれそうな人の面倒を纏めて見ようとしているようで、先生の周りには、一人ではとても生きていけなそうな、大人しい生徒が多い。
 心配そうに私を見る先生の視線に気づいたけれど、素直に甘えることも、これ以上近寄ることもできなかった。
 先生と一緒に行きたいと、強く思うけれど、積極的になれない。
 ここで離れ離れになったら、同じ世界にいたとしても、一生会えないほどに遠くに飛ばされてしまうかもしれないのに、自分より弱そうな子を押しのけることはできなかった。
 小さい頃から亡くなったお母さんの代わりに家事を引き受けて、お祖母ちゃんに色々と鍛えられた私は、多分、あのか弱そうな人達よりは、一人でも生き抜ける確率が高い。
 先生は平等な人だ。
 だから、私よりも生活能力のなさそうなあの子達のうちの誰かを他に入れて、代わりに私をパーティに入れてくれるなんてことは、絶対にしないだろう。
 家庭訪問があったから、先生は私が家事万能なことも、薙刀を習っていることも知っている。
『先生と一緒に行けないのなら、一人でもいい』
 そんな、自棄になったような気持ちもあったのかもしれない。
 積極的にパーティづくりに関わることができなくて、予想通り、私一人だけがあぶれてしまった。
「女子生徒が一人だけで飛ばされるなんて、危険すぎる! 例外で一つだけ七人パーティにすることはできないのか? いくら恩恵を与えられても、知らない世界でたった一人きりで、どうやって生きていけというんだ!」
 私が一人だけあぶれたことに気づいて、一条先生はすぐに神と交渉をし始めた。
 自分の生徒だからだとわかっているけれど、先生が心配してくれていることが心強く、とても嬉しかった。
『最大六人なのだから、七人を二つにわければよかろう。例外は認められない』
 感情を感じさせられない冷たい声が、先生の訴えを却下する。
 人数が減れば減るほど、一人当たりの負担は増える。
 誰もせっかく組めたパーティを、半分にわけようとする人はいなかった。
 ある人は関わらないように気まずげに目を逸らし、ある人は八つ当たり気味に憎々しげに私を見てくる。
 ごねて余計なことを言って、迷惑をかけるなということだろう。
 先生はか弱そうな生徒だけ集めてパーティを組んだために、それを二つにわけることもできず、かといって、危険のある世界に飛ばされるのに、他の生徒のパーティを半分にわけるように説得することもできないようだった。
「先生、ありがとうございます。私は一人でも大丈夫です」
 本当は一人は怖かった。
 けれど、先生が苦悩している姿を見ているのは辛かったから、そう言い切った。
 積極的にパーティを組まなかった私が悪いのだし、そう強がるしかなかった。
 それに、こうなってしまったのは自業自得だ。
 たとえ少しくらい不利になったとしても、そんなことは関係ないから一緒に行こうって言ってくれるような人が、私にはいなかっただけ。
 それくらい希薄な関係しか、クラスメイトと築けていなかっただけのことだ。
 忙しいからとそれに甘えて、今まで周囲ときちんと向き合ってなかった私も悪い。
「だが、神楽。今までとは違う世界なんだ。お前一人にだけ、辛い思いをさせたくない」
 背の高い先生が歩み寄ってきて、私の肩に手を乗せる。
 クォーターだという噂の先生は、名前は完全に日本人なのに、見た目はとても日本人に見えない。
 高い位置から灰蒼の綺麗な瞳で顔を覗き込まれて、不安を隠すように無理に微笑んだ。
 どうにもならない以上、優しい先生に心配をかけたくない。
「絶対に神楽を捜し当てる。どんなに遠くにいても必ず見つけ出すから、待っていてくれ。神楽ならしっかりしているから、言うまでもないと思うが、できるだけ治安のいい都市で暮らすんだ。必ず捜し当てて合流する、だから、それまでは苦労させるかもしれないが、何とか耐えてくれ。力が及ばなくてすまない」
 会話が他の人に聞こえないように、声を潜めて今後の指示をしてから、辛そうに謝られる。
 好意を持っている相手に、『待っていてくれ』と言われて、嬉しくないはずがない。
 無理やりつくった笑みは、心からの微笑みに変わった。
「焦って無理はしないでください。先生もご存知の通り、私は薙刀も使えますし、家事も一通りできますから。だから、先生を信じて、自分にできることをしながら待っています」
 どのくらいの広さの世界なのかわからない。
 一生かかっても辿り着けないほど遠くに、飛ばされてしまう可能性もある。
 けれど、先生の言葉は信じられる。


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