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百万ポンドの偽の花嫁

百万ポンドの偽の花嫁


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャンテル・ショー(Chantelle Shaw)
 イギリスの作家。ロンドン育ちで、頭の中でおはなしを作るのが大好きな少女だった。二十歳で結婚、第一子の誕生とともにケント州の海辺に移り、現在に至っている。浜を散歩しながら小説の構想を練るという。趣味はガーデニングやハイキング。六人の子供の母親でもある。

解説

目の前に積まれた百万ポンド。それが私につけられた値段。

結婚式の直前、アテナは衝撃的な光景を目にした。じきに夫となる相手が、よりによって男性とベッドにいたのだ。両親が喜ぶ顔を見たいがために受けた縁談だったけれど、やっぱり私が間違っていたんだわ……。耐えきれずに逃げだしたアテナは偶然、意外な男性にでくわす。姉の結婚式で花婿付添人をしていた、ルカ・デ・ロッシ──巨万の富と数多の美女に愛されているイタリア人億万長者だ。彼はアテナを匿ってくれたが、翌朝、驚くべき提案を切りだす。「百万ポンドと引き替えに、1年間僕の妻にならないか?」

■両親の過大な期待に押し潰されかけていたアテナに、イタリア人億万長者ルカから驚くべき救いの手が差し伸べられます。

抄録

 狼を思わせる目がじっと見ている。黒に縁取られた琥珀色の虹彩に金色の斑点が散る珍しい瞳だ。アテナはまつげをしばたたいて目を見開いた。相手の濃い眉が中央に寄せられるのがわかった。
「アテナ」声は糖蜜のように甘美で豊かだ。セクシーなアクセントにアテナの背筋がぞくぞくした。「失神したんだな。それで窓から落ちたのか?」
 心配そうな声がぼんやりした頭に染みこんできた。アテナはほんの数センチしか離れていない浅黒い男性的な顔に焦点を合わせた。
「ルカ?」
 突然、彼のたくましい腕に抱かれていることがわかった。壁を伝う蔦にしがみついていた恐ろしい数分間が頭によみがえる。落下していった感覚は覚えているが、その先はわからない。
「落ちてきた君を受け止めたんだ」ルカが言った。だから手足をあちこち骨折させて砂利道に横たわっていないんだわ。
 救ってくれたのがルカ・デ・ロッシだという事実が今日一日のショックに加わった。目を覚まして、すべては悪夢だったと思うはずの日なのに。
 でも、彼は間違いなく現実らしい。頬を彼の広い胸にもたせていることが、しだいに意識された。白いシャツの下の胸毛の影がわかる。アフターシェーブローションのぴりっとした香りが感覚を刺激して、あのゼンハブの宮殿の庭で月光を浴びた夜が思い出された。
 熱いものが体の奥深くに広がり、顔が紅潮した。「ここで何をしているの?」アテナはぼそぼそと尋ねた。
「結婚式に招待された。チャールズ・フェアファックスをイートン校時代から知っていて、招待状をもらったんだ」ルカが眉をひそめた。「僕の名前は招待客リストに載っているはずだが」
「リストを見せてもらっていないの」落ちたときのショックもあるが、目に涙があふれた。「信じられる? 自分の結婚式の招待客すら知らないなんて」
 アテナが地面に衝突する前に受け止めたルカには、脳震盪を起こしたはずがないのはわかっていた。それでも、彼女の言葉はさっぱり理解できない。いらだちを抑え、アテナを立たせた。彼女が危なっかしく揺れた。顔はドレスと同じように真っ白だ。
 ルカはデザイナーとして、とんでもなく悪趣味なウエディングドレスを注視してぞっとした。広がったスカートは、彼女が窓から落ちたときにはパラシュートとして役立っただろうがと、皮肉っぽく考えた。
 窓台を見あげ、自分がいなかったらどんな大怪我をしたかと想像して、口元を引きしめた。「めまいがするのに窓のそばに立つなんてばかだぞ」
「ばかよね」アテナは苦々しく同意した。チャーリーが取りたてて頭がいいわけではないと描写したのを思い出すと、屈辱に内臓がよじれる気がした。「めまいじゃないわ。窓から脱出したの。逃げなくてはならなかったから」声がいくらか甲高くなった。「チャーリーとは結婚できないのよ!」
 ルカはアテナの肩越しに、ウェイターの一団が巨大な白鳥の氷像を大テントに運びこむのを見守った。庭の別の場所では、白い鳩の入った鳥籠がバンから降ろされている。結婚式は間違いなくサーカスで、厚化粧と滑稽なドレスで飾りたてられたこの女性は道化師だ。彼女がゼンハブで出会った控えめで地味なアテナ・ハワードだとはほとんどわからない。
「ほら」ルカはアテナを抱き止める直前に空から降ってきた眼鏡を手渡した。
「ありがとう」アテナは眼鏡をかけると、梟のように目をまたたかせて彼を見た。
「ゼンハブでは眼鏡をかけていなかったと思うが」
「ふだんはコンタクトレンズだけど、このところ式の準備に忙しくて、予備を注文するのを忘れてしまったの」
 アテナはいつもながらの失敗と欠点に打ちのめされる気がした。確かに私は忘れっぽい。“せめてそんなに空想にふけっていなければ、アテナ”彼女の成長期、両親はいつもそう小言を並べたものだ。
 両親のことを考えて、アテナの気分は最悪になった。そこでチャーリーとドミニクが一緒にベッドにいる姿が目に浮かび、恥辱にみぞおちが痙攣した。私は男性を魅了することもできない。ルカ・デ・ロッシのような男性はもちろん無理だ。彼の彫りの深い顔立ちとエキゾチックなオリーブ色の肌をしげしげと見ているうちに、そんな思いがいつの間にか頭に浮かんでいた。彼は目を伏せて私を見守っている。いくらか皮肉っぽくゆがめた口元のせいで、よそよそしく見えるけれど、目を見張るほどセクシーだ。
 両側に花火会社の名前が書かれたバンが屋敷に向かってきた。そういえば、チャーリーが言っていた。フェアファックス卿夫妻が披露宴のフィナーレに何千ポンドもかけて豪華な花火を打ちあげると。バンを見て、パニックが広がった。
「逃げなくちゃ」アテナは必死の思いでルカに言った。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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