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土下座婚!!〜執着御曹司の甘い罠〜

土下座婚!!〜執着御曹司の甘い罠〜


発行: ヴァニラ文庫ミエル
シリーズ: ヴァニラ文庫ミエル
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

七里瑠美

解説

これって……あり? なし!? 
土下座で始まる甘〜い結婚生活

会社の先輩・横山修一から、「結婚してくれ!」と土下座された梨紗。ある事情から婚約者のフリをしてほしいという。過去の出来事が原因で、男性不信気味の梨紗だったが、修一の誠実な優しさに惹かれ、本当に結婚することに! 「こんなに濡らして──触ってほしかった?」 新婚初夜、初めて彼を受け入れ、身も心も結ばれたが、この結婚には裏があって……!? (ヴァニラ文庫ミエル)

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「最初に梨紗を見た時、ずいぶんとろい子が入ってきたと思ったんだ。総務に入った新人が、妙にとろいっていうのも噂になってたし」
「とろい……」
 思わず繰り返してしまったが、横山の言葉には納得できるから何も言えなくなる。
 たしかに入社当時、アルバイトの経験一つなかった梨紗はずいぶん周囲に迷惑をかけた。
「総務にいる間に何度か用事を頼んだんだけど、梨紗はみるみる変わっていった。そりゃ、まだ二年目だし、できないことは多いと思うけど、そこまで卑屈になる必要もないんじゃないかな」
 そんな風に言われてしまったら、どう対応したらいいのかわからなくなる。恋愛スキルだけではなくて、対人スキルまでどこかに置いてきてしまったみたいだ。
「ごめんなさい──」
 結局、最初に梨紗の口から出てきたのは詫びの言葉だった。彼は、以前から梨紗のことを知ってくれていた。今の部署に配属になる前、総務にいた頃もそれなりに梨紗のことを見てくれていた。
 けれど、梨紗ときたら彼のことを何一つ知らない。それどころか、彼と同じ部署に配属されるまでよく知らない人扱いだった。
「なんで謝るんだよ。梨紗は何も悪いことなんてしてないだろ」
 膝の上でぎゅっと握り締めていた手に、横山の手が重ねられる。
 二人きりでこんなに長時間過ごすのは初めての相手なのに、安心してしまうのは、今日はずっと彼の手に自分の手を包まれていたからだろうか。
「だって、私、横山さんのこと全然覚えてなかったし……今日だって──」
 梨紗はとても楽しかった。けれど、横山はどうなのだろう? もともと彼のほうから持ちかけてきた話ではあったけれど、自分だけが楽しんだのでは彼に悪いことをしている気がしてならない。
「今日だって、楽しかったの私だけなんじゃないかって……」
 自分が何を言おうとしていたのかわからなくなって、首を横に振ると、梨紗の手を握っていた彼の手が肩へと移動してきた。
 ぎゅっと引き寄せられて、そのまま頭を撫でられる。こんなに密着するなんて思っていなくて梨紗はうろたえた。
「今日、梨紗が楽しんでくれたならよかった──で、どう? もう少し、俺とこうやって出かけてみてもいいかなーとか思わなかった?」
 不意に横山が話題を変える。今日、彼が梨紗を連れ出したのは、梨紗が彼の彼女のふりをできるかどうか試してみようかという話だった。
 ──このまま、彼女のふりを続けて欲しいってことなのだとしたら。
 それは無理だ。今日一日で、こんなに楽しいと思ってしまった。このまま、会い続けていたら、きっともっと先を望んでしまう。
 恋なんてしないと決めていたくせに、たった一日のことでぐらぐらしてしまうのだから単純だ。心のどこかでそんな風にささやきかける声まで聞こえてきた。
 無理、と口を開こうとした時、横山が手で梨紗を制した。
「待って。返事の前に──一つ、謝らないといけないことがあるんだ」
 真面目な顔になって、横山は口を開いた。
「──ごめん。本当は、一回きりで終わらせるつもりなんてなかったし、そもそも『ふり』を頼むつもりもなかった」
「……どういうこと、ですか?」
 横山の真意がわからない。やはりからかわれたのだろうか──今までふわふわしていた胸のあたりが急激に冷え込んでくる。
「だから、梨紗を連れ出す口実が欲しくて──俺もすごくかっこ悪かった。他にいい手も思いつかないしさ」
 ますます饒舌になった横山が言葉を重ねる。今までずっと梨紗の前で落ち着き払っていたのに、今はその落ち着きが失われているようだ。
「……あの、断れないお見合いの話って」
「ああ──あれ? 見合いの話が来てたのは事実。けど、断れないってほどのことでもなかった」
「それなら──どうして」
 断れないほどのことでもないのなら、梨紗に声をかける必要はなかったはずだ。
 ──もしかしたら。
 不意にそんな予感を覚えて、胸がどきどきとし始めるのを自覚する。
 今日、すごく楽しかったから。もう一度、こんな時間があったらいいと思ってしまったから──彼の言葉に期待を抱く。
「──どうしても、君を連れ出して、俺を見てもらう機会がほしかった。普通に誘えばよかったんだろうけど、梨紗のガードが堅いのはよく知ってたし」
 予感が、現実の言葉となる。
「俺と付き合ってほしい──ふりじゃなくて、真面目に」
 頭の中が真っ白になって、喉がからからになってくる。
 ──ちゃんと、返事をしないと。
 呼びかけようとしたその時。
 自分の唇が、彼の唇に塞がれた。
 梨紗は目を見開いて硬直する。
 今、この瞬間、周囲の物音が一切聞こえなくなった。世界が時を止めてしまったような、そんな気がしてならない。
「──梨紗」
 唇が離されて、今度は額が触れ合わされる。少しかすれた彼の声は熱を帯びていて、ここがどこなのかも忘れてしまいそうだ。
 すぐそこに真摯な彼の目があることも、名前を呼ばれたことも、心地いいと思ってしまった。
「やっ……でもっ……」
 きっと、今情けない顔をしている。
 彼の前でそんな顔は見せたくないのに。
 けれど、もう一度キスされたら、そんな感情はどこかにいってしまった。

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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