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運命の回転ドア

運命の回転ドア


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャーロット・ラム(Charlotte Lamb)
 第二次大戦中にロンドンで生まれ、結婚後はマン島で暮らす。大の子供好きで、五人の子供を育てた。ジャーナリストだった夫の強いすすめによって執筆活動に入り、百作以上の作品を著す。二〇〇〇年秋、多くのファンに惜しまれつつこの世を去った。

解説

銀行頭取のアシスタントであるマーティーンは、ある夜ボスとのディナーに向かう途中、レストランの回転ドアに、見知らぬ男性と挟まれてしまう。彼は身震いするほどセクシーだが、ひどく無礼な態度だった。驚くべきことに、ディナーの席でボスに紹介されたのが、まさにその男、ブルーノ・ファルカッチだったのだ。ボスはこの年下の従弟を、銀行の後継者にするつもりだという。マーティーンは彼が銀行を乗っ取るつもりなのではと疑い、ブルーノは彼女を頭取の愛人と決めつけ、二人は火花を散らすが、会議のため共に赴いたローマで、とんでもない過ちが起きる。

■火花は互いが抑え込んでいた情熱に着火し、ロマンティックなローマの夜、二人はベッドを共にします。その後妊娠が発覚。彼女を頭取の愛人と蔑むブルーノには言い出せず、ひとり悩むマーティーンに、すべてを察した頭取が求婚しますが……。

抄録

「足をどけてちょうだい!」
「ぼくを怒らせようっていうのか?」ブルーノは歯ぎしりして言った。
「怒ったらどうなるの?」マーティーンは軽蔑するように嘲笑った。脅せば言いなりになるとでも思っているのだろうか。「漫画の超人ハルクみたいに皮膚が緑色に変わって、着ている服がはちきれて巨人に変身するの?」
 ブルーノは笑うどころか、むっつりした顔で耳障りな声を出した。「なかなか愉快な話だな」
 マーティーンは衝動のままに、無謀にも頭をつんともたげて喧嘩腰で言った。「言っておきますけど、あなたはゲルハルトを誤解してるようね。今夜の彼は天使のようで、申し分のない紳士だったわ」
 ブルーノは冷たい笑みを浮かべた。「それはぼくが現れて、お開きにならないうちにきみを連れ帰ったからさ!」彼の瞳は突然激しい怒りに燃え、マーティーンの挑発的な赤い唇から肌もあらわな肩までをゆっくり眺め回した。薄い黒のシフォンを通して、真珠のように光る青白い肌が透けている。「そんな格好で夜遅くタクシーでホテルまで送ってもらったら、あいつは部屋の前でおやすみを言っただけで別れることはなかっただろうよ。そのドレスを着ていれば、相手はダンスへの誘いだけでなく、夜を一緒に過ごすように誘われていると思い込むところだ」
 軽蔑するような目で見られて、マーティーンの顔は赤くなった。「ひっぱたいてやりたいわ!」
「やってみろよ」ブルーノは辛辣に言うと、歯を見せて笑った。「ところで、ゲルハルト・フォン・エッセンバーグのことはあちこちできいてみたよ。ドイツの旧家の出で、うまいことドイツ連銀にもぐり込んだが、チャールズほど金持ではないそうだ。きみがほんとに惚れてるのはフォン・エッセンバーグだとしても、ぼくならやっぱりいつかはチャールズにプロポーズされるのを期待するだろうな。ゲルハルトのほうが年は近いけど、与えてくれるものはそれほどなさそうだから」
 マーティーンはもう限界にきていた。ハードな一日に疲れ果てていたのだ。彼女は癇癪を爆発させ、手を上げてブルーノの顔をたたこうとしたが、彼のほうがすばやかった。ブルーノがマーティーンの手首をとらえてぐいと引き下ろしたので、マーティーンはつんのめり、ブルーノのシャツに顔が埋まった。彼女は恐怖のあまり無我夢中でくぐもった声をあげ、必死で逃れようとした。肩をつかまれたので、振りほどこうともがくと、びりっと音がしてシフォンのドレスの肩が裂けた。言葉にならない叫び声とともに片側の布がだらりと垂れ下がり、胸の一部があらわになる。
 廊下に並んだドアが開いて誰かが顔を出した。マーティーンの声を聞いて何事かと思ったのだろう。ブルーノはすばやくマーティーンを部屋の中に押し込むと、自分も入ってドアを閉めた。
「出ていってよ!」マーティーンはドレスの前を押さえて激しく体を震わせ、かすれ声でささやいた。
「マーティーン……」ブルーノは何か言いかけたが、マーティーンにはもう何を言っているのかもわからなかった。
「今すぐ出ていかないなら、大声を出すわよ!」
「そんな大げさな……」彼がまた何か言いかける。マーティーンは叫ぼうとして口を開けた。
 だが声をあげないうちに、ブルーノが手で彼女の口をふさいで部屋の奥へ押し、ドアから遠ざけた。まだ明かりをつけていなかったので、室内は真っ暗だ。マーティーンはブルーノの顔も見えない中、とらえられた動物のように必死で抵抗した。そして、椅子の脚につまずいて仰向けに倒れた。ブルーノも引きずられてマーティーンの体の上に倒れかかってきたので、彼女は息が止まりそうになった。
 赤褐色の髪が乱れて顔にかかり、長い絹糸のようにもつれて前がよく見えない。ブルーノの重みに押され、マーティーンはのしかかっている男性のたくましい体を強烈に意識して震えながらあえいだ。
 重い沈黙が垂れこめた。髪の毛を透かしてブルーノの顔がぼうっと見える。じっと見下ろしている黒い瞳が、暗い部屋の中でたいまつの明かりのようにきらめき、マーティーンの欲望に火をつけた。
 ブルーノは荒い息をつき、顔を寄せてマーティーンと唇を重ね、無理やり彼女の口を開かせた。彼が両手で顔をはさんで頭を押さえつけているので、マーティーンは丹念なキスから逃れようもない。半ば気が遠くなりながらも、今にも窒息しそうで、しばらくは力なくもがいていた。首筋や手首や胸の谷間ではどきどきと血管が脈打っている。彼女はやがてもがくのをやめて目を閉じ、小さな声をもらした。
 ローマに来てからというもの、マーティーンはブルーノを絶えずセックスの対象として意識してきたし、それを抑えることはどうしてもできなかった。彼の姿が見えると目をそらすことができず、口の中がからからになり、体がかっかとほてるかと思うとぞくぞくして、熱病のような発作に襲われるのだ。
 ブルーノを嫌っているのに、なぜこんなふうになるのだろう? マーティーンが自分に問いかけているうちに、ブルーノの熱い唇が喉元へと滑り下りてきた。彼女は欲望を刺激されて身震いした。

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