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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ スペシャル

はかなく散った夢

はかなく散った夢


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツスペシャル
価格:900pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

この子は、あなたの赤ちゃんなのよ! そう言えたらどんなにいいか……。

クラリスは17歳のとき幼なじみの年上の男性ロークにキスされてから、ずっと彼との結婚を夢見続けていた。だが、そばに行くたび、なぜかロークは不快感をあらわにする。けがらわしいものでも見るような目。私は嫌われているんだわ! クラリスはロークのことをあきらめようとしたが、欠席できない大事なパーティで顔を合わせたとき、奇跡が起こった。彼がこれまでの冷たい態度のわけを説明し、愛を告白してくれたのだ。クラリスは歓喜のなかでロークと熱い一夜を過ごし、彼の子を宿す。数カ月後、結婚の約束まで交わした愛の記憶をすべて失った彼に、“二度とぼくに近づくな!”と言い放たれるとも知らずに。

■北米ロマンス界で最重鎮の作家D・パーマーが冴え渡る筆致で描く最新長編をお届けします。

抄録

 光のあふれる室内でクラリスはふりかえった。ロークの表情は見たこともないほど厳しい。精悍な顔に激しい感情をみなぎらせ、片方だけ残った目でひたと彼女を見すえている。
 クラリスはもう一方の目をおおっているアイパッチにたじろいだ。
 その表情を誤解して、ロークはひややかに言った。「そう、ぼくは障碍者だ。きみが考えているとおりだよ」
「わたしは、あなたが片目を失ったときのことを思い出していたのよ」クラリスはそっと言った。
 ロークの顔がいっそうこわばった。「人生が引っくりかえるようなことを……聞かされた直後だったんだ」クラリスのまなざしを避け、はぐらかすように言う。「それでずぶの素人みたいに、伏兵たちの前にのこのこ出ていったんだ」自嘲的な笑い声。「その結果、胸に銃撃を受け、片目を失った」再びクラリスに視線を戻す。「麻酔から覚めたら、きみがベッドのかたわらに座っていた」
「K・Cが連絡をくれたの」クラリスは彼の胸に目をやった。「彼はすごく心配していたけど、わたしがあなたに付き添うことで、また噂になるのをいやがっていたわ。わたしが付き添ったって誰も変だとは思わないのに。わたしはナイロビの病院の職員をほとんど知っていたんだから」
 ロークは息をついた。気分が悪く、体が汗ばんでいた。「それでも、あのあとにはずいぶん噂が飛びかった」
「わたしは全然気づかなかったわ。それはあなたも同じだったはずよ」
 うつむいたクラリスをじっと見つめる。「抜糸がすむと、ぼくはアニタを自然動物公園に招待し、きみをワシントンDCに帰らせた」
 クラリスは唇を噛んだ。「ええ」
 ロークは自分の残酷さに胸の痛みを覚えながら目をとじた。「きみには礼さえ言わなかった。片方の目を失い、もう一方の目も失明するかもしれないと言われて生きる望みをなくしたぼくに、それでも生きたいと思わせてくれたのはきみだったのに」
 クラリスは何も言わなかったが、その態度は雄弁だった。
 ロークがわずかによろめき、クラリスはすかさずささえた。
「酔っているんだ」ロークは小さく笑った。
「あなたが酔うなんて珍しいわ」
「めったにないことだ」クラリスに助けられてベッドに向かう。「自分を制御できなくなるのはいやなんでね」
「昔からね」
 ロークは靴を履いたままベッドに倒れこみ、クラリスを見あげた。「服を脱ぐのを手伝ってくれ。服のままでは眠れない」
 その物柔らかな言葉に頬を染め、クラリスはロークを見おろした。
 彼は片手を差しだした。「ほら、怖がらないで」かすかにほほえむ。「タット、ぼくは酔っている」なおもためらう彼女に言う。「酔っているせいで立つものも立たないから、脅威にはならない」
 クラリスの顔がますます赤くなった。
 ロークはかすれた笑い声をあげた。「ぼくときたら何年間も、きみは次々に男をものにしてきたと思っていたんだ」ふいにその顔がゆがむ。「ああ、ぼくはなんてことをしていたんだろう!」
 クラリスには彼の怒りが理解できなかった。彼の態度が変わった理由もわからず、本心からは信用できない。
「頼むよ」ロークは彼女の心の葛藤を見てとって言った。「手伝ってくれ、タット。ぼくは眠りたいだけなんだ」
 クラリスはベッドに近づいた。おずおずと靴を、さらに靴下を脱がせる。ロークは男にしてはきれいな足をしていた。
 彼は上体を起こした。クラリスはまだ警戒しながらベッドの彼の隣に腰をおろした。ロークは彼女の両手を自分のシャツのボタンへと引きよせ、見開かれた目を見つめた。「脱がせてくれ」柔らかなベルベットのように深みのある声でささやく。
 クラリスは心臓が激しい鼓動をきざむのを感じた。ロークにこんなに接近するのは――彼がクラリスをこれほど近寄らせるのは――ほんとうに久しぶりだ。
「さあ」ロークはクラリスの指を第一ボタンにかけさせた。唇は彼女の目のすぐ上まで近づいている。
 その近さと彼の声音にどぎまぎしながら、クラリスはなんとかボタンをはずし、胸毛におおわれたたくましい体からそっとシャツを脱がせた。左胸に一部盛りあがっているところがあるのは、銃弾を受けた名残だ。いまではほとんど目立たない。
 ロークはシャツを脱がされると体がかたくなるのを感じた。クラリスの目はじつに表情豊かだった。ロークを見るのが好きなのだ。ロークも彼女に見せるのは好きだった。こらえようと思っても体が熱くなってくる。
「あとは……自分でできるはずよ」クラリスはそう言って立ちあがろうとした。
「だめだよ」ロークは彼女の両手をベルトにかけさせた。「手伝ってくれ、タット」
 彼がそう言って上体を倒すと、クラリスは少し緊張が解け、薄くほほえんだ。「自分以外の人の服を脱がせるのは初めてなの」
 そして高価な革のベルトをはずして引きぬき、そばの椅子の上に置いた。だが、次の行動には移らずにためらっている。
 その手をロークがスラックスのウエストに引きよせた。「一番いい服で寝るわけにはいかないよ」穏やかな口調だ。「続けてくれ」
「スタントン……」

 *この続きは製品版でお楽しみください。

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