和書>小説・ノンフィクション>ライトノベル>SF
著者プロフィール
神野 オキナ(かみの おきな)
1970〜
70年生まれ。山羊座。ガンマニアでアニメファン、ついでに少々古めの特撮ファン。99年『ファミ通えんため大賞』に『かがみのうた』で小説部門佳作を受賞。同年『闇色の戦天使』(ファミ通文庫)でデビュー。代表作『南国戦隊シュレイオー』(ソノラマ文庫)『鬼姫斬魔行』(カドカワハルキ文庫)『シックス・ボルト』(電撃文庫)など。近刊に『封神機伝マカリゼイン』(ソノラマ文庫)がある。
1970〜
70年生まれ。山羊座。ガンマニアでアニメファン、ついでに少々古めの特撮ファン。99年『ファミ通えんため大賞』に『かがみのうた』で小説部門佳作を受賞。同年『闇色の戦天使』(ファミ通文庫)でデビュー。代表作『南国戦隊シュレイオー』(ソノラマ文庫)『鬼姫斬魔行』(カドカワハルキ文庫)『シックス・ボルト』(電撃文庫)など。近刊に『封神機伝マカリゼイン』(ソノラマ文庫)がある。
解説
学園祭の大騒ぎの後、エリスと騎央たちは久しぶりに平和な時を過ごしていた。そして数日後のクリスマスイヴは、大富豪にして猫耳教団の教祖アントニアが主宰する、各国要人を招待したクリスマスパーティ。キャーティア大使館も重要な地球外交の舞台として、このパーティに協力していた。だが終業式当日、騎央の担任糸嘉州マキの携帯に1本の電話が入る。『ビューティフル・コンタクトは復活した……我々は、組織への忠節を望む。拒否は出来ない』。そう、キャーティアとの友好を良しとしないテロ組織が復活したのだ。目標は……パーティ会場の豪華クルーザー。絶体絶命最大の危機がエリスたちを襲う! 人気シリーズ第6弾。
目次
プロローグ 絶体絶命なのだった
第一章 それでも平穏な日々だった
第二章 後ろにゃ嫌な奴がいて
第三章 クリスマスには間に合わない
第四章 犬耳野郎がやってきた
第五章 直列つなぎで突破した
第六章 やっぱりいちかが持っていた
第七章 箱の中から猫が出た
エピローグ そして大きな「おくりもの」
あとがき
第一章 それでも平穏な日々だった
第二章 後ろにゃ嫌な奴がいて
第三章 クリスマスには間に合わない
第四章 犬耳野郎がやってきた
第五章 直列つなぎで突破した
第六章 やっぱりいちかが持っていた
第七章 箱の中から猫が出た
エピローグ そして大きな「おくりもの」
あとがき
抄録
那覇市首里(しゅり)の某所の家の裏庭にあるプレハブ小屋…………ではなく、母屋(おもや)のほうの片隅で、いちかは声を押し殺して電話を続けていた。
「あ、明日以降なら何とかなると思うんだけど…………というかね、そうだ、アシストロイドを一体貸してもらえない? いや、今凄く忙しくてね」
背中を丸め、携帯電話を手で覆い隠し、声を押し殺しつつも周囲を絶え間なくキョロキョロ見回しながら、妙に薄汚れた恰好のいちかは囁くような声を手の中に流し込む。
「う、いやあ、あのね、ホント、一体でいいの…………え? 全部出払ってる?」
その襟首を、むんず、と別の手がひっつかんだ。
「…………ィイっ!」
表記するならこの言葉になるが、実際には人間に発音できるギリギリの奇妙な声をあげて、いちかの身体が硬直する。
「逃げる相談ですね?」
身長はいちかよりも頭三つほど高く、これまた薄汚れた恰好のロングヘアの美人が目の笑っていない笑顔を浮かべてぐいっと猫耳少女を持ち上げた。
「ダメですよ、自分だけ楽になろうなんて」
「い、いやそんなつもりはないんですってば、虎鈴(こすず)さぁん♪」
目を合わせないようにしながらいちかは引きつった笑みを浮かべる。
「ふふふふふふ、ダメです、私もあなたも一蓮托生(いちれんたくしょう)、共に地獄におちませう♪」
数日間寝ていないらしく、血走った眼の下に隈(くま)を作ったまま、虎鈴と呼ばれた美女は歌うように言った。
どうやら睡眠不足がおかしな具合に脳を回っているらしい。
「さ、休憩時間はおしまいですよお…………うふふふ、でぇーいじーでいじー♪」
「いやあぁああ、このデジタル時代にわざわざまたベタとトーンを手作業でやるのはいやぁああああああ!」
「うふふふふ、でーいじーはかわいいこー、ほおがこけててかわいいこー でろいあせぶんにかかわって、ながれながれてらるたーふー、ほさかんですたんにめったうちー♪」
怪しげな「自分歌」を歌いながらぴっちりしたジーンズにタンクトップという、見事なプロポーションもあらわな恰好の美女は、いちかをずるずる引きずっていった。
「たぁすけてぇええええぇ…………」
あと数日で除隊だというのにテト攻勢に引きずり出された米軍兵士のような、いちかの叫びはやがて小さくなっていった。
*この続きは製品版でお楽しみください。
「あ、明日以降なら何とかなると思うんだけど…………というかね、そうだ、アシストロイドを一体貸してもらえない? いや、今凄く忙しくてね」
背中を丸め、携帯電話を手で覆い隠し、声を押し殺しつつも周囲を絶え間なくキョロキョロ見回しながら、妙に薄汚れた恰好のいちかは囁くような声を手の中に流し込む。
「う、いやあ、あのね、ホント、一体でいいの…………え? 全部出払ってる?」
その襟首を、むんず、と別の手がひっつかんだ。
「…………ィイっ!」
表記するならこの言葉になるが、実際には人間に発音できるギリギリの奇妙な声をあげて、いちかの身体が硬直する。
「逃げる相談ですね?」
身長はいちかよりも頭三つほど高く、これまた薄汚れた恰好のロングヘアの美人が目の笑っていない笑顔を浮かべてぐいっと猫耳少女を持ち上げた。
「ダメですよ、自分だけ楽になろうなんて」
「い、いやそんなつもりはないんですってば、虎鈴(こすず)さぁん♪」
目を合わせないようにしながらいちかは引きつった笑みを浮かべる。
「ふふふふふふ、ダメです、私もあなたも一蓮托生(いちれんたくしょう)、共に地獄におちませう♪」
数日間寝ていないらしく、血走った眼の下に隈(くま)を作ったまま、虎鈴と呼ばれた美女は歌うように言った。
どうやら睡眠不足がおかしな具合に脳を回っているらしい。
「さ、休憩時間はおしまいですよお…………うふふふ、でぇーいじーでいじー♪」
「いやあぁああ、このデジタル時代にわざわざまたベタとトーンを手作業でやるのはいやぁああああああ!」
「うふふふふ、でーいじーはかわいいこー、ほおがこけててかわいいこー でろいあせぶんにかかわって、ながれながれてらるたーふー、ほさかんですたんにめったうちー♪」
怪しげな「自分歌」を歌いながらぴっちりしたジーンズにタンクトップという、見事なプロポーションもあらわな恰好の美女は、いちかをずるずる引きずっていった。
「たぁすけてぇええええぇ…………」
あと数日で除隊だというのにテト攻勢に引きずり出された米軍兵士のような、いちかの叫びはやがて小さくなっていった。
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