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天使の傷が癒えるまで

天使の傷が癒えるまで


発行: ハーレクイン
シリーズ: MIRA文庫
価格:800pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 マヤ・バンクス(Maya Banks)
 幼いころからロマンスを愛読し、作家になることを夢見ていた。十代になると毎日ノートを持ち歩き、想像のふくらむまま過激な愛と情熱の物語を書き続けるようになる。現在の話はそのときのものほど過激ではないが、ロマンティックという点では引けを取らない。現在は夫と三人の子供とともにテキサスで暮らしている。狩猟や釣り、ポーカーを好む。

解説

たくましい彼のぬくもりだけが、いまの私の支え――。マヤ・バンクス最新刊、『星夜とあなたに守られて』続編!

生まれながらに不思議な力を持つアリは、その力を隠そうとするせいで、孤独でひどく内気な娘に育った。24歳になったいまは高校でひっそりと教師をしているが、ある日、落第させられたことを逆恨みする生徒に襲われ、身を守ろうと必死になるあまり、無意識に“力”を使ってしまった。そのせいでアリの力は周囲に知れ渡ることとなり、しかも何者かに両親が拉致される羽目に。藁にもすがる思いでアリが助けを求めたのは、一流警備会社の経営者ボー・デヴェロー。魔の手が迫るなか、寡黙で雄々しいボーだけがアリには頼みの綱で……。

■USAトゥデイ、そしてニューヨーク・タイムズのベストセラーリスト#1を獲得の人気作家、マヤ・バンクス最新刊。前作同様、ヒロインは特殊な力を持っています。そのせいで幼い頃から人目を避けており、内気で殻に閉じこもりがち。ある日、隠してきたその“力”の存在を周囲に知られてしまい、何者かに狙われるようになり……。そんなヒロインが助けを求めたのが、警備会社経営者のボー。寡黙で雄々しい彼が一途にヒロインを守ろうとする姿は、まさに胸きゅんです。手に汗握る展開の連続で、読みだしたら本のページをめくる手が止まらない1冊。シリーズ第2弾、ぜひお楽しみください!

抄録

「こんな話を聞くのはつらいとわかってる」ボーは声を低くして、なだめるように言った。「でも、現実と向き合わなければ。だれだかわからないが、やつらが本気なのはまちがいないし、邪魔する者は平気で始末するにちがいない。ついさっき、狙撃者が僕の頭に弾をぶちこもうとしたのがその証拠だ」
「父と母はまだ生きていると思う?」感情がこみあげて、アリは声を詰まらせ、小さな声で訊いた。
 困り果てておびえて見えるアリを、ボーは反射的に引き寄せて胸に抱いた。彼女の速い脈を胸に感じながら、強く抱きしめる。アリの呼吸は浅く、脈拍と同様に速い。
 ボーにとってはほとんどありえない状況だったが、気にしなかった。ボーはめったに人を抱擁したりしないし、だれかを慰めたりすることもほとんどない。一家の傲慢なむかつく男で、“だれも聞きたくないけれど、聞かなければならないこと”を言うのは彼と決まっている。たったいまもそうであるように。
 アリは自分がどんな敵と向き合っているのか知り、交渉の切り札――彼女自身を失った瞬間に、両親はほぼまちがいなく消されてしまうことをきちんと理解しなければならない。
「ご両親は生きてると思う」ボーは言い、心のなかで顔をしかめた。自分が嘘を言っていないようにと、神にもすがる思いだった。ふだんは、どんなにつらくても真実を告げるのがいちばんだと思っていた。しかし、いまはアリにせめて希望のかすかな光を与えたかった。両親が死んでしまったと思いこんだとたん、アリはぽきんと折れてしまいそうだったからだ。
 アリには希望を捨てずに的確な判断を下し、ボーと彼のチームが練りあげる計画に従ってもらわなければならない。いちばん避けたいのは、予測できない事態に陥ったとき、アリがひとりで行動することだ。特殊能力のあるなしにかかわらず、彼女はとてつもなくか弱くて傷つきやすい。
 アリが彼女を狙っている連中の手に落ちたときに両親が生きていたとしても、結局利用されるのがおちだ。やつらは両親を殺されたくなかったら協力しろと迫り、アリを支配しつづけるだろう。愛するふたりを生かしておくためなら、アリはなんでもするはずだ。
「きみがあいつらの手から逃れているかぎり、ご両親は安全だと思うよ」ボーは言った。彼女にショックを与えたり失望させたりしたくない一心だった。それでも、理屈に合う結論でもあった。やつらはアリを殺さず、なんとか支配しようとしているのだから。「やつらは少なくともしばらくのあいだは、ご両親を取り引きの材料にするだろう。そのあいだに調査をはじめて、できれば向こうがしびれを切らしてさらに思いきった手に出る前に、やつらの居場所をつかみたい」
 ボーの話を聞いてさらに不安なイメージが心にしみついてしまったかのように、アリは彼にすり寄り、身を震わせた。ボーはかわいそうなことをしたと思ったが、アリが知るべき情報なのだと思い直した。オブラートにくるんだ物言いはできない。
 アリの髪の香りに鼻腔をくすぐられて、ボーは眉をひそめ、急いで彼女の体を離して、座席の反対側に押しやった。女性の香り――クライアントの香りが気になりはじめたら、そのクライアントとは距離を置くべきだ。
 ぼろぼろになった神経を癒すだけだとしても、アリを抱きしめたボーはプロとして重大な過ちを犯した。問題は、ボーがその感触を楽しみすぎたことだ。感情を交えず、ただ慰めようとしてはじめたことがなにかに気づいたとたん、変わってしまったのも問題だった。たとえば、彼女の香りだ。身を寄せてくる彼女の体の感触。その骨格がどんなに小さくて華奢か、その口がどんなにキスをそそるか。
 ボーは自分を見失いかけていた。少しでも理性があれば、アリの件はデーンとイライザのきわめて有能な手にゆだねて身を引くべきだ。彼らに仕事を――なにより得意な仕事をさせるべきだ。
 しかし同時に、アリをほかのだれかの手にゆだねるのはどうしても気が進まなかった。アリの父親は、ボーとカレブを信頼しろと娘に言ったのだ。ほかのだれでもなく。それに、デーンとイライザ、あるいはほかのDSSのスタッフの手にゆだねられたら、アリはおそらくおびえて逃げてしまうだろう。
 いまでさえ、生まれたての子牛のごとくおどおどしている。ボーを信用するだけでもアリにとっては難しく、気の重いことだっただろう。父親に言われたからこそ、できたことだ。父親の言葉がなければ、いまもだれも信用していなかったかもしれない。だからといって、彼女を責めるつもりはなかった。それでもボーの目にアリは、すぐに人を信用して人のいい面だけを見ようとする“いい人”に見えた。その推測が正しければ、アリは今回はじめて人に裏切られ、世の中は非情なものだと気づいたばかりなのかもしれない。
 両親はこれまでずっと、アリを繭でくるむようにして守ってきた。それは彼女にとってけっして好ましいことではなかった。しかしそれはボーの問題ではないし、知ったことではない。アリはクライアントで、ボーの仕事はふたつだけだ。彼女の両親を見つけて奪回すること。そして、彼女を守って死なせないことだ。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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