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秘密を抱いたエメラルド

秘密を抱いたエメラルド


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 スーザン・スティーヴンス(Susan Stephens)
 プロのオペラ歌手として活躍していた経歴を持つ。夫とは、出会って五日後には婚約をし、三カ月後には結婚したという。現在はチェシャー州で、三人の子供とたくさんの動物たちに囲まれて暮らしている。昔からロマンス小説を読むのが大好きだった彼女は、自分の人生を“果てしない、ロマンティックな冒険”と称している。

解説

18歳で失った小さな愛の結晶。でも、なくしたのはそれだけではなかった。

「あの夜のことをまだ根に持っているのか?」思いがけないダンテの言葉に、カリーナはたじろいだ。彼は私の18歳の誕生日の夜を覚えていたんだわ……。10年前、カリーナはダンテに純潔を捧げた。彼は私のもの――そう信じたのに、彼女は冷たく部屋から追い出されてしまった。もう二度と会うこともないと思っていたのに、ダンテは今、厚かましくも平然と、カリーナにある仕事を頼みたいと言ってきた。彼は私が失ったものについて、何か知っているのだろうか? カリーナは妊娠して流産し、独りで耐えた年月を思い出していた。

■熱い情熱をたぎらせるブラジル人大富豪がヒーロー。純潔を捧げた初恋の人との再会がヒロインの心に波紋を広げ……。

抄録

 ダンテが眉をひそめた。「昔はいい友達だったのに。僕を信用してくれてないんだな」
 あの晩のことを思い出し、カリーナはむっとした。「もう大昔のことじゃないの」視線をそらして窓の外を眺める。
「いらぬお節介だってことか?」
「そんなところね」痛みは胸の奥にしまいこみ、誰の目にも触れないようにしてきた。
 それからホテルに着くまで、二人はずっと無言だった。ホテルの前で、ダンテはまたしてもファンに囲まれ、ひとしきりサインをした。彼が解放されるまで、カリーナは一歩下がって待っていた。そして彼が戻ってきたところで、今日はおかげで大会のすてきなテーマが見つかったと感謝の言葉を述べた。
「実り多い一日になったのならよかった」ダンテがカリーナの目をまっすぐに見つめた。彼女はいたたまれずに視線をそらした。「僕が何を求めているか本当にわかったのか?」
 彼はガウチョ・カップのことを言っているのよね?
「ええ」カリーナは硬い口調で答えると、ロビーに入った。そしてダンテの視線を追っていくと、はっとして足をとめる。「あら、私ったら。気づかなくてごめんなさい」
「来られないのか? 大事なクライアントのためでも?」ダンテがほほえみ、眉を上げた。「また忙しいと逃げる気かな?」
 カリーナはすっかり忘れていた。毎年パレードのあと、兄が街一番のサンババンドを呼んで、ホテルでパーティを催すのだ。「本当に時間がないのよ」わざと申し訳なさそうな表情を作ってみせた。
「ダンスを一曲くらい、なんの害にもならないだろう?」
「今日はとても楽しかったわ。おかげで有意義な一日だったけれど、ほかにすることがたくさんあって……」
 カリーナは身を寄せ合うようにして踊るダンサーの集団や仲むつまじく抱き合うカップルを眺めた。ダンテにあんなふうにぴったり寄り添うと考えただけで、パニックに胸が締めつけられて呼吸が荒くなる。
 だが、ダンテはそう簡単に引きさがる男ではなかった。カリーナの手をしっかり握り、ダンスフロアへと導いていく。
 ダンテと踊ったのは十八歳の誕生日のとき以来だけれど、それが身の破滅とも言うべき失態につながった。あのときもカリーナの友人はダンスの一曲くらいなんの害もないと言い、カリーナも笑っていた。
 あのころは恐れるものなど何もなかった。なんにでも挑戦する意欲があった。けれどそのあと、まったく予期しない早さで下り坂をころがり落ちるはめになった。そして今、ダンテの腕に抱かれながら、カリーナは身をこわばらせていた。それでも、彼の手が安全な場所に置かれているのに気づいて、ほんの少しリラックスした。その手がずっとそこでおとなしくしていてくれるなら……。カリーナが見あげると、ダンテはどこかからかうような、自信たっぷりの表情を浮かべている。どんなにあらがおうとしても、彼の香りに体が勝手に反応し、いつの間にか踊りに引きこまれていた。ダンテは岩のように揺るぎなく、華奢で柔らかなカリーナの体はいとも簡単に彼に主導権を明け渡していた。
「完璧な一日を終える完璧なエンディングだ」ダンテが彼女の耳元でささやいた。「もう少しリラックスしてくれさえすれば」
 そんなことができるわけがない。はっと我に返り、何か気のきいた言葉の一つも返そうかと見あげたとき、ダンテの黒い瞳がすぐ近くにあるのに気づいた。顔があまりに近すぎる。その唇はまるで今にも……。
 ダンテが唇で軽くカリーナの唇に触れた。
 カリーナは顔をそらし、あとずさった。
「どうしたんだ、カリーナ? 友情のキスくらいいいだろう?」
 友情のキス?
「クライアントとキスしているところを兄に見られたら、プロとして信用が失墜するわ」カリーナは冷たく言い返した。
 ダンテはしかたないと言いたげに肩をすくめながらも、いぶかしげにカリーナを見ている。彼が納得がいかないのも無理はない。二人のダンスの相性は抜群だった。踊っているところを見れば、誰もが特別な関係と思うだろう。カリーナが望まなくても、ダンテのリードに敏感に体が反応してしまう。彼とのダンスは、音楽に合わせた芸術というより、まるで恋人たちの前戯のようだった。
「君はダンスがうまい。昔と変わらない」カリーナが目をそらして離れようとすると、ダンテは彼女の手をしっかりと握った。「だめだ」
「私が帰ったって、パートナーならいくらでも見つかるでしょう?」
「僕が踊りたい相手は君一人だけだ」
「あまりわがままを言わないで」カリーナはやんわりと言った。
「さもないと仕事を降りるってことか?」
「それは脅しかしら?」
 ダンテは答える代わりに頭を下げ、髭の伸びかけた頬を彼女の首筋にすり寄せた。
「なんて人なの!」
「どうしても興味をかきたてられてしまうんだ。君がなぜそんなに緊張しているかに」

*この続きは製品版でお楽しみください。

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