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ひと夏のシンデレラ【ハーレクイン文庫版】

ひと夏のシンデレラ【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リン・グレアム(Lynne Graham)
 北アイルランド出身。七月三十日生まれの獅子座。十代のころからロマンス小説の熱心な読者で、初めて自分でロマンス小説を書いたのは十五歳のとき。大学で法律を学ぶと同時に、十四歳のときからの恋人と卒業後に結婚。この結婚生活は一度破綻したが、数年後、同じ男性と恋に落ちて再婚するという経歴の持ち主。イギリス郊外に家と五エーカーの森林を持ち、そこで現在、スリランカとグアテマラからの養子を含めた五人の子供を育てている。時間のあるときは大好きな庭仕事に励み、得意のイタリア料理に腕をふるう。小説を書くときのアイデアは、自分自身の想像力とこれまでの経験から得ることがほとんどで、彼女自身、今でも自家用機に乗った億万長者にさらわれることを夢見ていると話す。ロマンス映画も大好きだが、ハッピーエンドでないものは好きではないという。

解説

17歳のとき、タビーは夜のプールで全裸で泳いでいたところを、年上の大富豪クリスチャンに一目ぼれされる。強烈に惹かれあうふたりは、寝ても醒めても愛しあうが、やがてタビーはクリスチャンの妻の座を狙う幼馴染の奸計により彼とすれ違い、さらにはふしだらな女だと吹聴されてしまう。クリスチャンに捨てられたあと妊娠が発覚したタビーは、家からも追いだされ、住む場所を求めてさすらう日々が続いた。だが数年後、思いがけない幸運がフランスから舞いこむ。クリスチャンの親族から、遺産相続されることになったのだ。

*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「知らないと思うけど、私の名前は――」
「そんなことはどうでもいい」
「タビー」熱心な値踏みのまなざしに面食らいながら、彼女は声を震わせた。
「|ぶち猫《タビー》のようにはとても見えないな。それに、思ったより小柄だ」クリスチャンは懐中電灯で彼女を照らした。「もっとも、肌はすばらしい。化粧はいらないよ。嫌いなんだ」
 彼の出現は、タビーにとってすべての夢がかなったようなものだった。服を着ている間にいなくなってしまうのではないかというタビーの心配をよそに、クリスチャンは懐中電灯を彼女に渡し、車の中で待っていると告げた。
「あなたの名前も知らないんだけど」彼の車に乗りこむなり、タビーはおずおずと言った。
「知らないわけがないだろう」クリスチャンは即座に打ち消した。
 あまりにも自信ありげな言い方にタビーは動揺した。「ええ……地元の人にあなたが誰だかきいたの」
「うまいことを言っても無駄だよ。そういうのは聞き飽きている。正直なほうが新鮮でいい」
「でも、あなたは知らない人だし……車に乗せてもらったりしちゃいけなかったんだわ」タビーは語気を強めた。ふと、自分には彼の相手が務まりそうにない気がしたのだ。
「ぼくのほうは、もうきみをよく知っている気がするよ、|かわいい人《マ・ベル》。この四日間、毎晩きみが裸になってプールで飛び跳ねるのを見ていたんだ」
 彼の意外な告白を聞いて、タビーはショックにあえいだ。「なんですって?」
「取りつくろう必要はない。度胸と冒険心のある女性には一目置いている。自分の欲しいものがわかっていて、それを追い求める女性もいい」クリスチャンはかすれた声で言った。「単純な手は案外効果的だ……だから、ぼくもこうしてここにいる」
 タビーは驚きと恥ずかしさを覚えつつも、泳ぎが彼の気を引くための大胆な作戦だと思われていることに気づいた。おまけに彼はそれを評価しているらしい。だったら下手なことは言わずに、積極的な女性のふりをしていよう。彼女はふとそんな誘惑に駆られた。プールは壁に囲まれているのに、どうして見えたのかとか、よくそんな卑しいまねができるわねとか、なじったりはしなかった。彼に近づきたくて私が精いっぱい努力していたと受け取るなんて、あきれるほど自己中心的な考えだと思ったものの、タビーはあえて逆らわなかった。
 クリスチャンのことでは、これがそもそもの間違いだったのだ、とタビーが気づいたのはずっとあとのことだった。
 なぜ初めてのデートでクリスチャンのベッドにたどり着いたのかは大した謎ではない。信じられないほど贅沢な別荘で彼と二人きりで食事をするのはあまりにも刺激的で、ほとんどひと口も食べず、ワインを三杯も飲んでしまった。まして、十七歳の少女は誘惑上手な男性を拒む術を知らなかった。実のところ、最初のキスで勝負はついていた。クリスチャンほど、キスの巧みな男性はいなかったから。
「どうしよう……こんなにもきみに夢中だよ」クリスチャンはかすれた声で言い、ロマンチックなしぐさで軽々とタビーを抱きあげた。
 継母には太りすぎだとよくばかにされていたので、クリスチャンがうなり声ひとつ出さずに抱きあげただけでも、彼に身を任せる理由になっただろう。
「なんて魅力的なんだ」
 クリスチャンの言葉に免じて、タビーは初体験の痛みを隠した。彼の期待どおりに事が運ばなかったのを気づかれそうになったときは、恥ずかしさのあまり寝たふりをした。
 クリスチャンの腕の中で眠った最初の夜は、彼がたびたびベッドを共にしたがらないよう願った。
 真夜中、タビーがベッドを抜けだしたとき、クリスチャンが半身を起こし、明かりをつけた。「どこへ行くんだい?」
「その……帰ろうかと」タビーは口ごもって答えた。同じ部屋で寝起きしているピッパが彼女の不在を騒ぎだすのではないかと気が気でなかったのだ。
「帰らせたくないね。だが……そうか」クリスチャンはうなった。「ぼくは何を考えていたんだ? きみをこんなに遅くまで引き留めるとは。きみのご両親は柔らかい頭の持ち主かい?」
 私の父は迷わずあなたに散弾銃を向けるわ。だが、そんなやぼなことを言えるはずもなかった。車で送るという彼の申し出を断ると、クリスチャンはひどく心配して、せめて農場の入口までついていくと言い張り、タビーを困惑させた。
「明日、朝食のときに会えないかい?」
「お昼ならなんとか――」
「なんとかだって? ぼくはその程度なのかな?」月明かりの下で哀れっぽくほほ笑んでみせるクリスチャンはあまりにも魅力的で、彼のもとを去るのは肉体的な苦痛さえ伴った。

*この続きは製品版でお楽しみください。

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