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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ

きらめくツリーの下で

きらめくツリーの下で


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 スーザン・マレリー(Susan Mallery)
 シルエット・スペシャル・エディションを代表する人気作家。USAトゥデイ紙や大型書店のベストセラーリストの常連。作家が書くどんな奇抜な作品も、ごく当たり前に受けとめられる土地南カリフォルニアに、世界で一番セクシーな夫と、二匹のかわいいけれどあまり頭のよくない猫と暮らす。

解説

 愛の果てには破滅がある――父親がかつて浮気を繰り返し、家庭を崩壊させるのを目のあたりにしてきたジョーダンは、そう信じて疑わなかった。だがクリスマスも近い十一月、ヤドリギという名の猫との出会いが彼の人生を変えていく。消防士のジョーダンは、ある日、嵐のために倒壊したタウンハウスに向かい、取り残された猫を救おうと中に入った。彼はなんとか猫を助け出すが、バルコニーに出たところで猫が暴れたために転落してしまい、しばらくベッドでの生活を余儀なくされるような怪我を負う。そんな彼の前に、猫の飼い主、ホリーが現れる。ブルーの瞳、豊かな髪、そばかすの浮いた少女のような顔。女性とロマンティックな関係になることを極力避けてきた彼だが、ひと目彼女を見た瞬間、なぜかそのルールを破りそうになっていた。

抄録

 彼がホリーの手をとって自分のほうに引き寄せようとする。ホリーは右手を彼の胸について、倒れこむまいとした。ジョーダンの瞳が漆黒の闇夜《やみよ》の色に変わる。甘い吐息が彼女の頬にかかった。
 ホリーのからだの奥底で、言葉にできない熱い炎が一気に燃えさかった。頭では逃げだすべきだとわかっているのに、からだが言うことを聞かない。なにかが起こる予感がした。そして、それがなんであれ、最後まで経験したいと願っていた。
 不意にジョーダンの唇が近づいてきて、彼女の唇に重なる。ぎこちなく身じろぎするホリーの背中にもう片方の腕を回して、彼は彼女を抱きしめた。
 つかまれていないほうの手をベッドにつっぱっていると、ジョーダンがわずかに顔をあげて微笑んだ。
「力をぬいて。痛い目にあわせたりしないから。さあ、腕をぼくの肩に回してごらん」
 言われたとおりにホリーは、指先を彼の広い肩にのせた。再びジョーダンが顔を近づけてくる。ホリーはもう何年も昔に、たった一度しか男性とキスを交わしたことがなかった。うぶなティーンエイジャーらしい、形ばかりのかわいらしいキスしか。それはとうてい、ジョーダンのキスを受け入れるに足る経験を積んだことにはならなかった。
 彼女の口を隅々まで味わいつくすように、ジョーダンの唇が這《は》っていく。あまりの衝撃に、ホリーはただただ身をこわばらせていた。彼の手が肩胛骨《けんこうこつ》のあたりをもみしだく。リラックスさせようと思ってそうしてくれたのだろうが、その心地よい刺激に彼女はますます圧倒されていた。
 ジョーダンのもう一方の手が丸いヒップを包みこむ。やがて彼は顔をあげ、今度は顎に小さなキスをした。ホリーのからだに電撃が走る。それから彼は耳からうなじへと唇を這わせていった。ホリーは、彼にすっかり身をあずけてしまいたい衝動を必死でこらえていた。
 うなじにジョーダンの唇が吸いつくと、これまで知らなかった喜びの炎が燃えあがった。そのとき生まれて初めてホリーは、ブラジャーの下で乳首がはりつめ、痛いくらいにうずくのを感じた。
 再び唇を求められた彼女は、息も絶え絶えに自分からキスを返した。背中に回されていた手がゆっくりと背筋を撫で始め、ヒップを包みこんでいた手に力がこもる。それからジョーダンは、思いもかけなかったことをした。舌でそっとホリーの下唇に触れたのだ。
 どうすればいいのか、ホリーにはわからなかった。本でなら読んだことはあるけれど、まさか自分がこんなキスを体験するとは想像さえしていなかったからだ。なぜだかそれは、いけないことのように思えた。わくわくするくらい、いけないことのように。
 三度目に彼の舌がかすめたとき、ジョーダンが唇を開かせようとしていることがホリーにもわかった。そうしたいのはやまやまだったが、それではこちらからキスをせがんでいるみたいに思われるのではないだろうか。彼女はひどく混乱していた。どうしたらいいかわからない。なにも考えられなかった。
「きみは考えすぎだよ」ジョーダンがささやいた。
 ホリーがびっくりしてからだを引き離し、彼を見つめる。「わたしの心が読めるの?」
 ジョーダンは目をあけ、欲望のたぎる視線を彼女に向けた。「だって、からだがこちこちじゃないか。そんなに怯《おび》えることはない。ただのキスじゃないか。初めてってわけじゃないんだろう?」
「もちろんよ」それは嘘《うそ》ではない。たとえそれが、十五のときに交わしたたわいのないキスであっても。
 ジョーダンが両手でホリーの顔を包みこむ。「きみはきれいだ」そして彼は、彼女の髪に指を滑らせた。ルーズに編まれていた三つ編みがほどけ、ふわりと広がる。
「きれいなんかじゃないわ。わたしは――」
 言葉の最後はキスにのみこまれた。ホリーが唇を閉じるより早く、彼の舌がなかに滑りこんでくる。
 初めての感触に、彼女の全身は凍りついた。舌先で舌をかすめられたとたん、心臓がとまりそうになる。まるで異次元へと吹きとばされたかのようだ。
 考えることが多すぎて、感じることが多すぎて、このまま死んでしまうのではないかとホリーは思った。でも、今彼の動きがとまったら、やはり死んでしまう気がする。
 ジョーダンがキスを続けてくれたので、どうにかホリーは生きながらえることができた。やがて彼が、じらすように舌を入れたり出したりし始める。同じことを期待されていると悟った彼女は、恐る恐る自分も舌をさし入れてみた。ふたりの舌が官能的なダンスを踊るように絡みあう。欲求の赴くまま、ホリーは快感の波に身を任せた。
 これが大人のキス。これが情熱なんだわ。ジョーダンに抱きすくめられながら、ホリーは思った。これが欲望というものなのよ。
 ジョーダンが低くくぐもった声をあげる。ホリーの脳裏に、彼もまた自分と同じくらい心地よく感じているのかしら、という疑問がちらりとかすめた。彼はきっと数多くの女性とキスしたことがあるはずだ。その人たちと比べられたら、自分など足もとにも及ばないに違いない。だがホリーは、気おくれなどしていられなかった。今はただ、この瞬間が永遠に続くことだけを願っていた。
 それでもいつか、キスは終わる。ジョーダンは唇を離し、額をつきあわせてホリーの瞳をのぞきこんだ。笑みを浮かべ、彼女の顔にかかった髪をそっと払いのけてくれる。
「素晴らしかったよ」
「本当に?」彼の本心を確かめたくてホリーが尋ねる。今のキスは彼女にとって、まるで魔法のように感じられた。けれど、比べるべき体験がないから、本当に素晴らしかったかどうかがわからない。
「本当だとも」ジョーダンの瞳がわずかに暗くなる。「すまない、ホリー。こんなこと、するべきじゃなかったね」
 なぜ? それほど下手なキスだったの? ホリーは背筋をのばし、からだを離そうとした。だが、背中に回されたジョーダンの腕がそれを制する。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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