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花園物語3

花園物語3


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツスペシャル花園物語
価格:900pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シェリー・シェパード・グレイ(Shelley Shepard Gray)
 テキサス州に生まれ、大学進学でコロラド州に移ったあと各地を転々として、現在はオハイオ州南部に落ち着いている。ニューヨークタイムズとUSAトゥデイのベストセラーリストに載った経歴を持つ大人気作家。アーミッシュの人々の生き方に魅力を感じ、彼らの物語を書き始めた。非凡な社会に暮らす、ごく普通の、気のいい人々を描きたいのだという。

解説

炊事や洗濯、家族の世話に明け暮れ……。ひたむきな彼女に、小さな恋が訪れる。

パートタイムでケーキを焼いて生計を立てているエマは、まだ若い身空で山ほどの家事や家族の世話を背負っている。ほとんど無私に働きつづけ、忙しさに少し疲れを感じていたある日、彼女の飼い犬が脱走した事件をきっかけに、年上の大人な雰囲気漂う男性ジェイと出会った。ハンサムで穏やかな彼と話しているとなぜか心が安まったが、エマはあわてて胸の高鳴りを打ち消すのだった――だって、わたしには恋なんかしている時間はないのだから。そのうえジェイとの間に噂が立つと、エマの親が反対しはじめ……。

■ベティ・ニールズを彷彿とさせる穏やかな作風の北米ベストセラー作家、シェリー・シェパード・グレイ。家族思いのけなげなエマの前に現れた年上のすてきな紳士ジェイは、彼女に息子の家庭教師を頼み……。読めば心癒される、ゆっくり実りゆく年の差ロマンス!

抄録

 ジェイはどこから話したものかと迷った。「最初は、農園の近くの小学校に通わせるつもりだったんだ。でも、その学校にはアーミッシュの子どもはあまり通っていなくてね。ベンやマークはもう卒業しているから、パインクラフト小学校まで、毎朝ぼくがバスで連れていくことにしたんだ」
「パインクラフト小学校はアーミッシュの学校ですものね。昨日、子どもたちを連れていったときにウィリアムを見かけたけれど、楽しそうにしていたわよ」ジェイの様子をじっと見つめていたエマの顔が、心配そうに曇った。「それとも、不安を感じているのはあなたなの?」
「学校には満足しているよ。うまくやっていけると思う。マイヤー先生もやり手のようだし」
「そうね、マイヤー先生はよくやってくれていると思うわ。クラスには三十人も生徒がいるのに、一年生から上級生まで、丁寧に見てくれているもの」エマは少しことばを切った。「ウィリアムはマイヤー先生があまり好きではないのかしら? ひとクラスだけの学校だと、うまくやれない子どももいるものね。もし普通の小学校に通わせたいなら、心配はいらないわ。このあたりでは、普通の小学校に通うアーミッシュの子どもはけっこういるの。|アーミッシュ以外《エングリツシヤーズ》の子どもも、ちゃんと受けいれてくれるそうよ。友だちだってすぐにできるわ」
「いや、学校もマイヤー先生も、ウィリアムは気に入っているよ。ただ、読解と算数が少し遅れているみたいなんだ。マイヤー先生は、すぐに追いつけると言ってくれたんだが、しばらくのあいだ誰かに勉強を見てもらいたくて」ジェイはことばにつまりながらも、ようやく考えていたことを口に出した。「つまり、ウィリアムの宿題を見てくれる人を紹介してもらえないかと思っているんだ。少し手がかかると思うし、わからないところは教えてもらわなきゃならない」
「それくらいは、たいした手間ではないと思うけれど」
 ジェイはすっかりまごついてしまった。きっとエマは、自分をひどい父親だと思ったに違いない。子どもが困っているのに、宿題すら手伝ってやれない親だと。「これには事情があるんだ。ぼくは農園と、家と、直売所のことで手がいっぱいなんだ。次のシーズンへ向けて野菜なんかの植えつけをしなきゃならないし、ベリー類や柑橘類の木も、もう実がなっているから収穫しなきゃならない。どれも時間を取られることばかりで」
「そうでしょうね」
「もちろん、全部やってウィリアムの面倒をみることだってできる。ただ、学校から戻ってすぐの、ウィリアムにとっていちばんいい時間帯は無理なんだ。かといって、夕食のあとでは疲れてできないだろうし。夜遅くに宿題をさせると、ひどいことになるのは経験ずみでね」
「うちのマンディと一緒ね。マンディが疲れているときは、わたしたちみんな、彼女が寝るまでそっとしておくのよ」
 ジェイはほっとしてため息をついた。「それじゃ、どうしてぼくが人を頼みたいのか、わかってくれるかい?」
「ええ、でもわからないこともあるわ」
「わからないこと?」
「ジェイ、なぜわたしに助けてほしいと言わないの?」
 ジェイは頭が混乱してしまった。「いや、だから今頼んでいるんだ。家庭教師をしてくれそうな人を紹介してほしいんだよ」
「放課後にウィリアムの勉強を見てほしいと、わたしに頼めばいいのよ。わたしは家にいるし、喜んでお手伝いするわ」
「きみにそんなことは頼めないよ」
「なぜ? どのみち、リナとマンディの勉強を見てやらなきゃならないわ。うちの子たち、宿題はいつも夕方までにすませてしまうのよ。少し遊んで、おやつを食べてからね。ウィリアムだってすぐになじむわ」
「でも、きみにそんなことを頼むなんて……」
「わたしがいいと言っているのよ。なぜわたしには頼めないの? わたしたち、似たような境遇じゃないの。ひとりで何もかもやるのは大変よ。わたしは家族が近くに住んでいるからいいけれど、それでも……」
「それでも、以前のようなわけにはいかない」ジェイは続きを引きとった。
「ええ」エマは救われたような目をして言った。「ジェイ、わたしたち、できるだけ互いに助けあうべきだと思うのよ」
 エマの言うことは、いちいちもっともだった。それでも、まだ互いによく知らないうちにそんな頼み事をするのは、どうしても気が引けてしまう。それに、彼女の親切にどう報いていいものかもわからなかった。「お代を受けとってもらえるかい?」
「ウィリアムの勉強を見るのに?」エマは傷ついたように顔をしかめた。「まさか」
 ジェイは両手を挙げた。「悪気はないんだ。ただ、人に頼むからにはお代を払うつもりだったから。人の厚意に甘えるのは嫌なんだ」
 エマは少し納得がいったように言った。「甘えることになんかならないわ」
 彼女の申し出を断る理由をもっと考えなくては。そう思っても、ジェイはまったく思いつかなかった。これ以上ない解決策に思えたから。「それなら、感謝の気持ちは受けとってもらえるね?」
「もちろんよ」
「ありがとう」ジェイは髪をかき上げた。いつも思うのだが、イブリンを失ってからは毎日が困難の連続だ。「ご主人が生きていればと思うことはあるかい?」ジェイは唐突に訊いた。


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