和書>小説・ノンフィクション>エンターテインメント小説>ハードボイルド小説
著者プロフィール
龍 一京(りゅう いっきょう)
元警察官、そして作詞家であり歌手、現在はエンターテイメント作家として活躍中。「小説は作家から読者への一方通行であり、読者のみなさんとのコミュニケーションが無いのが残念だ」という考えから、日本全国で積極的に講演会を開催している。『非情刑事』『非情刑事2』『非情刑事3』『女豹復讐鬼』『女豹狩り』『女豹闇稼業』など著書多数。
元警察官、そして作詞家であり歌手、現在はエンターテイメント作家として活躍中。「小説は作家から読者への一方通行であり、読者のみなさんとのコミュニケーションが無いのが残念だ」という考えから、日本全国で積極的に講演会を開催している。『非情刑事』『非情刑事2』『非情刑事3』『女豹復讐鬼』『女豹狩り』『女豹闇稼業』など著書多数。
解説
銀座の宝石店で起こった強奪事件。偶然近くを通りかかり、犯人のひとりの顔を目撃した新宿交番所の婦人警察官が何者かに惨殺された――。
芸能界を夢見る少女たちの陰に見え隠れする、金欲と性欲にまみれた男たちの姿。性と暴力が渦巻く街で、明玖美警部補ひきいる美人警官たちが、女をむさぼる男たちを処刑していく!
芸能界を夢見る少女たちの陰に見え隠れする、金欲と性欲にまみれた男たちの姿。性と暴力が渦巻く街で、明玖美警部補ひきいる美人警官たちが、女をむさぼる男たちを処刑していく!
目次
第四章 目撃への報復
第五章 惨殺への怒り
第五章 惨殺への怒り
抄録
明玖美は、売春にしても宝石強奪にしてもすべてひとつの流れの中にある。どこかでつながりがあるはずだし、周到綿密に計画していたのではないのだろうか――と常岡に対して、強い不信感を持っていたのだ。
野川民子が殺されたことにしても、考えてみれば、民子がもし常岡の計画を知り、それを強請《ゆす》りのネタに使っていたとか、警察へあるいはマスコミに暴露すると脅しをかけていたのかもしれない。
智美の話では民子は売春を強要されていた。そして借金を背負わされ、仕方なく『あいどる』という店を任されるようになったといっていた。
もし智美のいうことが本当であれば、民子は常岡を恨んでいた。いや、単に恨むというより激しい憎悪を持っていたに違いない。
借金を背負わされた分、常岡から取り戻そうと考え、強請ったのかもしれない。それで殺された。その可能性がまったくないとはいいきれない。
明玖美はひとつ一つの事件を思い浮かべながら、点を線でつないでいた。そうすることによってはっきり説明がつくと思った。
ただ問題は、盗まれた宝石がどこにあるかである。もし、常岡が偽装犯罪を自らの考えで計画していたとすれば、必ずどこかにその宝石は隠し持っているはず――。
と考えた明玖美は、一番安全な隠し場所というのはどこだろう、と必死になって考えていた。
宝石が盗まれた。しかし、盗まれたからといって常岡は宝石商を辞める訳ではない。もし、その盗まれたという宝石を新たに陳列ケースに飾っていても、それが盗難にあった宝石かどうか誰にも確認できない。
かりに鑑定書があったとしても、そんなものはブローカーなら簡単に作れるし、どんな方法でも手に入れられる。
それに店の別室にある金庫はすぐに新しいものと入れ替えた。大事なものをしまうには金庫は絶対にいる。もし、新しい金庫に盗ませた宝石を隠しておけば他人は気づかない。まさか盗られた宝石がその場に戻っているとは考えないだろう。
明玖美は、常岡が真犯人であれば、宝石は再び金庫の中へ戻されているかもしれない。無駄になってもいい、金庫の中を確かめてみる必要がある、と考えていた。
そこへ高橋が血相を変えて戻ってきた。ドアを開けるなり、
「大変なことが起きた。利栄子が殺《や》られたらしい。たった今、警察病院に救急車で運び込まれたようだ」
「えっ!? なぜ利栄子が……」
明玖美の顔色が変わった。
みるみる血の気が引き、声が詰まった。
「はっきりとはわからないが、胸と背中をめった突きにされているらしい。それに、車で体を轢かれた形跡があるということだ。頭蓋骨が陥没しているらしい」
「本当ですか、警部……」
明玖美は信じられず絶句した。
「警察手帳で身もとを確認したらしいから間違いないだろう。とりあえず、警察病院へいって確認するんだ」
「はい。利栄子はまだ無事なんですか」
「重体らしい。いや、危篤だといっていた。急ぐんだ」
運転席へ乗り込んだ高橋が、シートベルトをかけるのも忘れてアクセルを踏んだ。
赤色灯を車の屋根に乗せ、サイレンを鳴らして闇の中をぶっ飛ばした。
野川民子が殺されたことにしても、考えてみれば、民子がもし常岡の計画を知り、それを強請《ゆす》りのネタに使っていたとか、警察へあるいはマスコミに暴露すると脅しをかけていたのかもしれない。
智美の話では民子は売春を強要されていた。そして借金を背負わされ、仕方なく『あいどる』という店を任されるようになったといっていた。
もし智美のいうことが本当であれば、民子は常岡を恨んでいた。いや、単に恨むというより激しい憎悪を持っていたに違いない。
借金を背負わされた分、常岡から取り戻そうと考え、強請ったのかもしれない。それで殺された。その可能性がまったくないとはいいきれない。
明玖美はひとつ一つの事件を思い浮かべながら、点を線でつないでいた。そうすることによってはっきり説明がつくと思った。
ただ問題は、盗まれた宝石がどこにあるかである。もし、常岡が偽装犯罪を自らの考えで計画していたとすれば、必ずどこかにその宝石は隠し持っているはず――。
と考えた明玖美は、一番安全な隠し場所というのはどこだろう、と必死になって考えていた。
宝石が盗まれた。しかし、盗まれたからといって常岡は宝石商を辞める訳ではない。もし、その盗まれたという宝石を新たに陳列ケースに飾っていても、それが盗難にあった宝石かどうか誰にも確認できない。
かりに鑑定書があったとしても、そんなものはブローカーなら簡単に作れるし、どんな方法でも手に入れられる。
それに店の別室にある金庫はすぐに新しいものと入れ替えた。大事なものをしまうには金庫は絶対にいる。もし、新しい金庫に盗ませた宝石を隠しておけば他人は気づかない。まさか盗られた宝石がその場に戻っているとは考えないだろう。
明玖美は、常岡が真犯人であれば、宝石は再び金庫の中へ戻されているかもしれない。無駄になってもいい、金庫の中を確かめてみる必要がある、と考えていた。
そこへ高橋が血相を変えて戻ってきた。ドアを開けるなり、
「大変なことが起きた。利栄子が殺《や》られたらしい。たった今、警察病院に救急車で運び込まれたようだ」
「えっ!? なぜ利栄子が……」
明玖美の顔色が変わった。
みるみる血の気が引き、声が詰まった。
「はっきりとはわからないが、胸と背中をめった突きにされているらしい。それに、車で体を轢かれた形跡があるということだ。頭蓋骨が陥没しているらしい」
「本当ですか、警部……」
明玖美は信じられず絶句した。
「警察手帳で身もとを確認したらしいから間違いないだろう。とりあえず、警察病院へいって確認するんだ」
「はい。利栄子はまだ無事なんですか」
「重体らしい。いや、危篤だといっていた。急ぐんだ」
運転席へ乗り込んだ高橋が、シートベルトをかけるのも忘れてアクセルを踏んだ。
赤色灯を車の屋根に乗せ、サイレンを鳴らして闇の中をぶっ飛ばした。
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