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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

シンデレラは偽りの妻

シンデレラは偽りの妻


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャシー・ウィリアムズ(Cathy Williams)
 トリニダード・トバゴの出身で、トリニダード島とトバゴ島、二つの島で育つ。奨学金を得てイギリスに渡り、一九七五年エクスター大学に入学して語学と文学を学んだ。大学で夫のリチャードと出会い、結婚後はイングランドに暮らす。テムズ・バレーに住んでいたが、現在は中部地方在住。夫との間に三人の娘がいる。

解説

偽装結婚の期限はたったの1年。親密になんてなるはずもない……。

「おまえはテオ・デ・アンジェリスと結婚することになった」突然父からそう告げられたとき、アレクサは初め冗談だと思った。実業家のテオは大金持ちなうえ、とびきりのハンサムで、つねに美女に囲まれている有名なプレイボーイだ。一方アレクサは、地味な容姿で内気な性格。恋愛経験も当然ない。父と、仇敵であるテオの父親との間でどんな取り引きがあろうと、釣り合っていないふたりの結婚なんて虚しいだけだわ。だが意に反して、初対面したテオは魅力的でアレクサは動揺する。すると彼が耳元で言った。「僕は野生の猫を手懐けるのが得意でね」

■地味で内気で、女性らしさとはまったく無縁の26歳のアレクサは、父親の勝手な都合でプレイボーイのテオと1年限りの結婚をすることに。C・ウィリアムズが贈る、切ないシンデレラ・ストーリー!

抄録

「宝石店で落ち合うわ」彼女は申し出た。
「それはどうかな。一緒にあちこち覗いていくのがいいだろう。運動靴では困るが……」
「ご心配なく」彼女は皮肉な口調で言い返した。「あなたと人前に出るときにスニーカーが適切でないことはわかっているから」
「ああ言えばこう言う。きみみたいな女性は初めてだ」テオは落ち着いた声で言った。「きみは今までのデート相手全員にこうやっていちいち突っかかっていたのか?」
 アレクサがデートした男性は片手で足りる数しかいない。そしてテオのように彼女を挑発してくる男性はひとりもいなかった。
「あなたみたいな人は初めてよ」彼女がやっと返事をすると、テオはにやりと笑った。
「ぼくが特別だと言っているのかな?」
「わたしがいちいち突っかかると言うけれど、あなたのほうがよっぽどそうよ」彼女はもごもご言った。「そろそろ家に入らないと。明かりがついているということは、両親が話を聞きたくて待っているはずだわ。あそこにいた記者の数からすると、明日の朝には新聞に出ているかもしれないけれど」
「言い忘れていたかもしれないから改めて言うよ。今夜のきみは本当にすばらしかった」
 彼の目は、まだ文句を言いたげな彼女のふっくらした口へと向けられた。
「ありがとう。あなたもよ」彼女はぎこちなく言った。目を伏せると、自分の胸が見えた。あまりにも大胆にさらけ出されている気がして、こっそりドレスを調整した。彼と車に乗っている今はなおさらだ。
「母はこのばかげた……失礼、豪華な婚約パーティーのことを知りたがると思うの。準備の時間が必要になるだろうから。だいたいの予定を教えていただける? それから、わたしもあなたに賛成よ、早いほうがいいわ」
 テオは驚嘆していた。彼女は明らかに、離婚届にサインすることを今から考えている。
「屋外がいいだろう……二週間後に」
「弟さんも出席なさるの?」彼女はつい尋ねていた。彼の弟が地球の裏側で暮らしていることは知っているし、この取り引きにはこれまでかかわっていなかったからだ。
 テオは眉をひそめた。「どうかな。ダニエルは今おもちゃを買おうとしていてね。この芝居には参加できないかもしれない」
「おもちゃを買う?」
「小さなクルーズ船に目をつけているんだ」
 弟を愛しているが、パーティーには来てくれなくていい。ばたばたと結婚まですることになった兄を笑い者にするのがおちだ。
「クルーズ船がおもちゃなのね……」アレクサはそう言うのがやっとだった。
「きみはぼくの弟を知らないからな」
 知らなくてよかったとアレクサは思った。ハンサムな弟まで現れたら、対処し切れない。
 彼女は車のドアを開け、さわやかな夜気のなかへと足を踏み出した。もちろん玄関まではテオのエスコートつきだ。ここでは彼女を守るように手を肩にまわすこともなく、ズボンのポケットに突っ込まれていたが。
「運転手に、結婚目前のわりによそよそしいと思われるんじゃない?」彼女は当てこするように言わずにはいられなかった。玄関の鍵を出そうとバッグのなかを探ったが、母がすぐ近くをうろうろしていて、ドアが開いた瞬間に飛びついて来そうな気がした。
 テオはドアの枠にもたれ、鍵を差し込んでいる彼女を見おろした。
「誘っているのか?」彼は静かに尋ねた。
 アレクサは驚いて目を上げた。
「いったい何の話……」彼女は目を見開いたまま口ごもった。
 彼女は奇妙な感覚に襲われていた。空気中から酸素が消えていく。心臓が暴れている。脱出しようともがく籠のなかの鳥のように。
「何だと思う?」テオの物憂げな言い方は彼女の肌を粟立たせた。
「わたしが誘った? あの……その……」
「キスを? まさにそのとおり」
「そこから一歩も動かないで!」彼女はぴしゃりと言った。顔が赤くなり、先ほどのキスを思い出させた彼を憎んだ。忘れられるものなら忘れたかったのに。「一緒に出かけるときに……あなたがそばにいるのは構わないわ、でもキスはだめ! テオ・デ・アンジェリス、あなたみたいにエゴイスティックで傲慢な人には出会ったことがないわ!」
「前にもそう言われた。しかしきみが言うと説得力があるな。まあ一応、念のため……」
 アレクサは彼が何をするつもりか察していたが、それでも驚きは隠せなかった。それに、今度のキスにはさっきとは違う性急さがあった。彼は片手で彼女の背中を抱き寄せた。
 テオは彼女のやわらかな胸が自分の胸板に当たってつぶされるのを感じ、また冷静さを失いそうになった。彼女の口は蜜のように甘い。結局のところ、これは運転手に向けたパフォーマンスなのだ。彼が見ているかどうかもわからないが、やるなら大胆なほうがいい。
「明日迎えに来る」テオは姿勢を正した。「ぼくらは婚約指輪を買いに行くんだ。こんなことになるとは思ってもみなかったがね」そう言うと、動転しているアレクサを残して彼は車へと戻っていった。


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