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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

仕組まれた復縁

仕組まれた復縁


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェニファー・ヘイワード(Jennifer Hayward)
 悩めるティーンエイジャーだったころ、姉のハーレクインをくすねて読んだのが、ロマンス小説との出会いだった。19歳のとき、初めて書いた小説を投稿するも、あっけなく不採用に。そのとき母に言われた「あなたにはもっと人生経験が必要ね」という言葉に従い、広報の職に就いた。名だたる企業のCEOと共に世界中を旅して回った経験が、確かに今の仕事に役立っているという。2012年、ハーレクインの新人作家コンテストで入賞し、ついにデビューを飾った。カナダ、トロント在住。

解説

愛してくれぬ夫の罠にかけられた私は、ひとりぼっちの籠の鳥。

リカルドとの結婚はリリーにとって夢そのものだった。貧しい農場育ちの地味な娘が、大実業家の彼と結ばれたのだから。だが、仕事第一で妻を顧みない夫に孤独を強め、彼女は家を出た。1年後、夫から、離婚を発表するので家に戻れと連絡が来る。意を決し訪ねると彼は言い放った。あと6か月結婚を続ける、と。父から会社の経営権を譲られる条件が、妻との和解だからという。離婚の決意は固かったのに、眼光鋭く見つめられると抗えない――リリーはやむなく条件をのんだ。そのときはまだ、彼への消せぬ想いに身を投じ、妊娠するとは思ってもいなかった。

■『眠れぬ夜の情熱』で華々しい日本デビューを飾ったジェニファー・ヘイワード。今作は再燃する夫婦の愛がテーマです。離別を前提とした復縁劇のゆくえは?続く関連作は、リカルドの次弟ゲイブの物語。ビジネスから発展する恋の駆け引きをどうぞお楽しみに。

抄録

「離婚は認めるが、条件が一つある」
 今こそ立ち去らなくては。一刻も早くここを出なくては。なのに、足が動かない。
「君はあと六カ月間、僕の妻のままでいる」
 リリーの口があんぐりと開いた。「なんですって?」
「父の考えでは、取締役会に僕の|最高経営責任者《CEO》就任を承認させるにはもっと確固たる根拠が必要だそうだ」彼が肩をすくめ、口元をゆがめて皮肉っぽく笑った。「役員たちはどうやら僕の改心をまだ信じていないらしい」
 隕石が地球を破壊すべく落ちるスピードでリリーは現実に戻った。心に抱いていた幻想――リカルドが離婚したくないのはまだ自分を愛しているからだという幻想が、その激突の瞬間に消滅した。熱くまぶしいものが目の奥を焼いた。
「そんなのおかしいわ」かすれ声でなんとか言った。「レーサーをやめて三年もたつのに」
 リカルドが肩をすくめた。「そのとおりだ。だが、僕には彼らの意識を変えられない」
 その皮肉にリリーはむせそうになった。一緒に暮らしていたころの彼の行動はすべて、家業を捨てた若く無鉄砲なレーサーというイメージを払拭するためのものだったのだ。
 彼女は頭を振った。「私たちの結婚は、あなたの仕事への執着のせいで破綻したのに。CEOになるといういちずな執着のせいで」
「それは僕たちの結婚にいくらでもあった問題の一つだ」リカルドが厳しい表情で訂正した。「それはともかく、父は僕たちの和解を望んでいる。メディア報道が取締役会に対する僕のイメージの安定に大いに役立つと考えて、それを僕への支持の条件にした」
 彼の父親が和解を望んでいる? アントニオ・デカンポは礼儀を重んじるから何も言わないけれど、貧しい育ちの私は息子にふさわしくないと考えているとばかり思っていた。
「父の考えでは、君は僕にいい影響を与えているそうだ」リカルドがかすかに苦笑すると、以前より険しくなった顔立ちがやわらいだ。「かなり正しい見方だと思うよ」
「むちゃくちゃよ」リリーはかぶりを振り、テラスの反対側へ歩いていった。「おしどり夫婦のふりをすることさえできないのに」
「記憶力が悪いんだな、リリー」穏やかにたしなめられ、リリーは彼の顔に視線を向けた。「六カ月――頼んでいるのはそれだけだ」
「私は離婚したいの」リリーは繰り返した。この常軌を逸した話し合いが進むにつれて、声が大きくなった。「私があなたの助けになるなんて、どうして思えるの?」
 リカルドが頭をかしげた。「何を恐れているんだ? 僕たちには、君が認めたくないほど多くのやり残したことがあるとでも?」
 リリーは肩をいからせた。「私たちは終わったのよ。いいアイデアじゃないわ」
「すばらしいアイデアさ。六カ月で君の自由が買えるんだ」
「お父さまはほかにどんな条件をつけたの?」リリーはしかたなく尋ねた。「スポーツカーを運転するのも、国際的スーパーモデルとデートをするのもやめろとか?」
 リカルドが彼女をにらみつけた。「君と出会ってからは誰とも付き合っていない」
 リリーの体がこわばった。「タブロイド紙にも真実があるくらい、誰でも知っているわ」
「一人もいないよ、リリー」
「嘘よ」リリーは苦しげに言った。
 リカルドが大股に近寄ってきた。「どういうことだ、テゾーロ? ハリー・テイラーとの計画でもあるのか?」
 どうして知っているの? マスコミに嗅ぎつけられないように控えめにしてきたのに。
「そうよ」リリーはぴしゃりと言った。「私は先に進みたいの。あなたもそうすべきよ」
 リカルドが彼女の顎に手を添えた。「誓いを忘れたのか、|僕の愛する人《アモーレ・ミオ》。“富めるときも貧しいときも、病めるときも健やかなるときも……”」
「あなたが誓いを破る前のことでしょう」
 リカルドの目に危険な光が宿った。「僕はチェルシー・テートとは寝ていない。前にも言っただろう」
「信じられないわ」リリーは辛辣に言い返した。「あなたと愛し合っているふりをするのも無理。そんなの滑稽よ」
「いいや、できる」リカルドが顔を近づけてきた。「僕がお仕置きにお尻をたたくと思っただけで、君は興奮するんだから」
 リリーは彼の手から離れた。「リカルド――」
 すると、リカルドは彼女の髪にするりと手を差し入れ、もう一度引き寄せた。「君は興奮していたよ、リリー。僕もだ」
「いいえ、私は――」
 リカルドはリリーの言葉をキスで封じた。爪先まで感じてしまう深く官能的なキスだ。前置きで時間を無駄にすることもなく、あらゆる武器を意のままに操って、私の好みにぴったりのキスができるのは彼だけ。リリーはリカルドを押しのけようとシャツをつかんだが、どうしてもできなかった。
「リック……」抵抗を試みたが、リカルドは角度を変えて再び迫ってきた。
「しゃべるな、リリー」彼はリリーのむき出しの腕に手をすべらせ、また唇を重ねた。
 今回のキスはやさしく、支配するより説得するようで、罰というよりむしろ快楽だ。リリーの中で何かが崩れた。こんなキスをされたのはずいぶん昔。彼に抱かれたのはずいぶん昔。それに、ああ……二人が苦手だったことはいろいろあるとしても、これは違う。
「やめて」リリーはリカルドのシャツをつかんで自分を支えた。「こんなのフェアじゃないわ」
 リカルドがヒップの丸みに手をすべらせて自分のほうに引き寄せた。密着したたくましい体の感触に、リリーは震えた。すべてがよみがえってくる。
「私たちの間のことは何一つフェアじゃなかった。いくら乗っても乗り足りない刺激的なジェットコースターみたいだったわ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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