和書>小説・ノンフィクション>エンターテインメント小説>ハードボイルド小説
著者プロフィール
龍 一京(りゅう いっきょう)
元警察官、そして作詞家であり歌手、現在はエンターテイメント作家として活躍中。「小説は作家から読者への一方通行であり、読者のみなさんとのコミュニケーションが無いのが残念だ」という考えから、日本全国で積極的に講演会を開催している。『非情刑事』『非情刑事2』『非情刑事3』『女豹復讐鬼』『女豹狩り』『女豹闇稼業』など著書多数。
元警察官、そして作詞家であり歌手、現在はエンターテイメント作家として活躍中。「小説は作家から読者への一方通行であり、読者のみなさんとのコミュニケーションが無いのが残念だ」という考えから、日本全国で積極的に講演会を開催している。『非情刑事』『非情刑事2』『非情刑事3』『女豹復讐鬼』『女豹狩り』『女豹闇稼業』など著書多数。
解説
大都会、夜の風俗店に単身乗り込んだ女刑事・藍崎みずき。彼女の失踪した恋人の手がかりがこの店にあるのだ。だが、この風俗店は広域暴力団の資金源だった……。
ネオンきらめく歓楽街で暴力団と一匹の女豹が繰り広げる凄絶な死闘!
ネオンきらめく歓楽街で暴力団と一匹の女豹が繰り広げる凄絶な死闘!
目次
第一章 殺された女
第二章 報復の談合
第三章 不自然な死因
第二章 報復の談合
第三章 不自然な死因
抄録
「組の恥をさらしやがって! 女から虚仮《コケ》にされて悔しくねえのか、てめえは……!」
矢部が、太いしわがれ声を出して喚くなり、川島の顔を思い切りひっぱたいた。
「あう……」
顎を仰け反らせた川島が足をもつれさせ、尻餅をついた。
頬の傷口に張りつけていた、白いガーゼが吹っ飛ぶ。傷口が裂け、真っ赤な血が噴き出した。
「刑事であっても相手は女だろうが。女から営業を妨害されたあげく、尻尾を巻いて引き下がりやがって。それでもてめえは男か!」
矢部は大声で喚き、にらみつけた。
「突然襲われたもんで……」
血だらけになっていた川島が、口の中でもぐもぐ言い訳しながら、渇いた唇をわなわな震わせていた。
指を落とすぐらいでは済まない。半殺しの目に遭わされる。そんな恐怖に包み込まれていた川島は、ただひたすら謝るしかなかった。
「なんだと!? 口先だけで謝れば澄むと思っているのか!」
矢部が、床に尻を落とし、歯をガチガチ鳴らしている川島に近づき、固い靴先で横腹を蹴上げた。
「うぐ……」
川島が体を折って、苦悶に顔をゆがめた。
「組の顔を潰しやがって!」
矢部が、血の気を失った顔を硬直させた。苦しみ、震えている川島の胸ぐらをつかみ鋭く射竦めた。
「す、済みません……」
川島が体を縮込まらせた。
周りを取り囲んでいた眼つきの悪い男連中が、冷ややかな蔑みの目を向けている。その目線が川島に無言の圧力を加えていた。
「矢部、手を緩めてやれ」
渡瀬が三白眼の鋭い目を突きつけた。
「へい……」
矢部が小さく返事をして、川島を突き放した。
「女刑事はなにを聞いた。言ってみろ!」
渡瀬が、腹からえぐるような濁声《だみごえ》を出して聞いた。
「や、矢部の兄貴が連れて来た長山と、ガキの事を……」
「確かなんだ――」
「嘘は言いません。女刑事は二人の写真を持っていましたし、しつっこく聞いていましたから……」
「それでてめえは、ぺらぺら喋ったのか」
「お、俺はなにも……組長《おやじ》、兄貴、本当です。信じてください……」
川島が、黒目を忙しく左右に動かし、おろおろさせながら、懸命に首を横に振った。
「その女刑事は、他になにを探っていた」
渡瀬がギロッと目を剥いた。
「それだけです……」
「たったそれだけで女刑事が暴れるの。他になにかあったんでしょうが!」
小夜子が、冷ややかな視線を突きつけた。
組が扱っている麻薬の事を探りに来たのではないか、そんな疑いが頭をかすめていたのだった。
「ほ、本当です……」
川島が、おどおどして応えた。
「助平根性を丸出しにして、その女刑事を手込めにしようとしたんでしょう。そうでなければ、いくら気が強いといっても、現職の女刑事が刺したりはしないんじゃないの?」
小夜子が、皮肉たっぷりに言う。
「い、いえ、そんな事は……」
川島は、ちょっかいをかけ、怒らせたとはさすがに言えなかった。
「川島、女刑事に男の面子を潰されて、泣き寝入りするつもりか。まさか、このまま済ますつもりじゃねえだろうな……」
渡瀬が厳しく言った。
「い、いえ……」
「じゃ、どうする。てめえに女刑事を殺《や》るだけの根性があるのか」
「えっ!? 刑事を強姦するんですか」
川島が、渡瀬の言葉を聞いて声を詰まらせた。
「誰が強姦しろと言った。親分《おやじ》は殺せと言っているんだ!」
矢部が、太いしわがれ声を出して喚くなり、川島の顔を思い切りひっぱたいた。
「あう……」
顎を仰け反らせた川島が足をもつれさせ、尻餅をついた。
頬の傷口に張りつけていた、白いガーゼが吹っ飛ぶ。傷口が裂け、真っ赤な血が噴き出した。
「刑事であっても相手は女だろうが。女から営業を妨害されたあげく、尻尾を巻いて引き下がりやがって。それでもてめえは男か!」
矢部は大声で喚き、にらみつけた。
「突然襲われたもんで……」
血だらけになっていた川島が、口の中でもぐもぐ言い訳しながら、渇いた唇をわなわな震わせていた。
指を落とすぐらいでは済まない。半殺しの目に遭わされる。そんな恐怖に包み込まれていた川島は、ただひたすら謝るしかなかった。
「なんだと!? 口先だけで謝れば澄むと思っているのか!」
矢部が、床に尻を落とし、歯をガチガチ鳴らしている川島に近づき、固い靴先で横腹を蹴上げた。
「うぐ……」
川島が体を折って、苦悶に顔をゆがめた。
「組の顔を潰しやがって!」
矢部が、血の気を失った顔を硬直させた。苦しみ、震えている川島の胸ぐらをつかみ鋭く射竦めた。
「す、済みません……」
川島が体を縮込まらせた。
周りを取り囲んでいた眼つきの悪い男連中が、冷ややかな蔑みの目を向けている。その目線が川島に無言の圧力を加えていた。
「矢部、手を緩めてやれ」
渡瀬が三白眼の鋭い目を突きつけた。
「へい……」
矢部が小さく返事をして、川島を突き放した。
「女刑事はなにを聞いた。言ってみろ!」
渡瀬が、腹からえぐるような濁声《だみごえ》を出して聞いた。
「や、矢部の兄貴が連れて来た長山と、ガキの事を……」
「確かなんだ――」
「嘘は言いません。女刑事は二人の写真を持っていましたし、しつっこく聞いていましたから……」
「それでてめえは、ぺらぺら喋ったのか」
「お、俺はなにも……組長《おやじ》、兄貴、本当です。信じてください……」
川島が、黒目を忙しく左右に動かし、おろおろさせながら、懸命に首を横に振った。
「その女刑事は、他になにを探っていた」
渡瀬がギロッと目を剥いた。
「それだけです……」
「たったそれだけで女刑事が暴れるの。他になにかあったんでしょうが!」
小夜子が、冷ややかな視線を突きつけた。
組が扱っている麻薬の事を探りに来たのではないか、そんな疑いが頭をかすめていたのだった。
「ほ、本当です……」
川島が、おどおどして応えた。
「助平根性を丸出しにして、その女刑事を手込めにしようとしたんでしょう。そうでなければ、いくら気が強いといっても、現職の女刑事が刺したりはしないんじゃないの?」
小夜子が、皮肉たっぷりに言う。
「い、いえ、そんな事は……」
川島は、ちょっかいをかけ、怒らせたとはさすがに言えなかった。
「川島、女刑事に男の面子を潰されて、泣き寝入りするつもりか。まさか、このまま済ますつもりじゃねえだろうな……」
渡瀬が厳しく言った。
「い、いえ……」
「じゃ、どうする。てめえに女刑事を殺《や》るだけの根性があるのか」
「えっ!? 刑事を強姦するんですか」
川島が、渡瀬の言葉を聞いて声を詰まらせた。
「誰が強姦しろと言った。親分《おやじ》は殺せと言っているんだ!」
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