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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・スペシャル・エディション

キスの予感

キスの予感


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・スペシャル・エディション
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★2
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著者プロフィール

 ヴィクトリア・ペイド(Victoria Pade)
 多数の作品がベストセラーリストに登場歴を持つ。コロラド州に生まれ育ち、現在もそこで暮らしている。ヒストリカルロマンスやミステリーなども執筆している。

解説

 幼い頃から美しい双子の姉イブと比べられ、テレーズは劣等感を抱き続けてきた。そんな彼女の前に、ある日突然一人の男性が現れた。イブの子供を養子に迎えたハンターだ。テレーズにとっては甥であり、彼にとっては大切な一人息子ジョニーが倒れ、緊急に輸血が必要だというのだ。甥のためにテレーズはすぐさま輸血に応じ、お礼に彼の経営する牧場に招かれる。ハンサムで心優しいハンターに惹かれながらも、テレーズは心の中で別の不安を募らせていた。
 ★対照的な双子の姉妹テレーズとイブ。ハンターの出現によって、その運命はどう変わっていくのでしょうか?★

抄録

 そのとき、唐突にそれは起こった。
 ハンターが身をかがめ始める。テレーズは顎をあげていった。そして彼女が震えるまぶたを閉じると、ふたりの口が重なった。
 ハンターがわたしにキスをしている。
 ハンターの唇がわたしの唇に重なっている。かすかに開いた彼の唇はやさしく、とてもセクシーだった。
 テレーズもキスを返した。
 唇から力をぬいてわずかに開き、ハンターの動きに合わせて少し頭を動かす。
 驚きのあまり意識がもうろうとしていたにもかかわらず、テレーズの五感はキスの感触を、アフターシェーブローションの香りを、肌にかかる息の熱さを感じていた。
 なんてすてきなキスなのかしら!
 ああ、ずっとこのままハンターとキスをしていたい。彼がわたしのからだに腕をまわしてくれるまで。わたしからもハンターに触れられるよう、両手を背中にあてて抱き寄せてくれるまで。胸のふくらみがかたく引きしまった彼の胸板に触れ、ぴったりと全身を押しつけられるまで、キスをしていてほしい……。
 だが、その願いはかなわなかった。ハンターはそっと唇を離すとゆっくり背筋をのばし、テレーズの瞳をじっと見つめた。
「すまない」やがて彼は謝った。「こんなことをすべきじゃなかった」
「いいえ、そうすべきだったのよ」テレーズは無意識のうちにそう口走っていた。
 テレーズはまたしても顔が赤くなるのを感じた。だがハンターは、かすかにほほえんでみせただけだった。
「そうすべきだったのかい?」
「つまり、たいしたことはないという意味よ」テレーズは、なんとか動揺を抑えようと努めながら言った。
 ハンターの笑みがさらに広がる。
「それだけかい?」彼は、あたかもテレーズがキスを採点したようにからかった。
「いいえ、それ以上だったかもしれないわ」テレーズは答えた。ようやく動揺もおさまり、なんとか話を合わせられるようになっていた。
 ハンターはくすくす笑いながら、しばらくのあいだテレーズの瞳を見つめていた。ハンターの顔にいくつもの感情が浮かんでいるのを見ると、彼もまたテレーズと同じくらい、さっきのキスに驚いているように思えた。
 やがて、せめぎあう感情が落ち着いたかのように、ハンターは言った。「明日の夜、PANのミーティングがあるんだ」
「覚えているわ」
「七時に始まって、一時間くらいで終わる。ウィリーとカーラがジョニーの面倒を見に来てくれることに――」
「わたしに代わってほしい?」
 ハンターはかすかに笑みを浮かべた。「いや、そうじゃない。ウィリーとカーラはジョニーにりんごあめをつくると約束してくれているんだ。その邪魔をしようものなら、大変なことになる。実は、きみをミーティングに誘おうと思っていたんだ。おもしろくはないと思うから、雑誌でも読みながら待っていてくれればいい。ミーティングが終わったあとで、一緒にディナーにでも行かないか? ミーティングは〈ポートランド総合病院〉の会議室で開かれるんだが、近くになかなかおいしいシーフードのレストランがあるんだ。シーフードは好きかな?」
「ええ」テレーズは、話の急展開についていこうと懸命に頭を働かせながら答えた。
「ゆうべはホットドッグと土のついたマシュマロ。今日のお昼はパイナップルがのったピザだ。きみにきちんとごちそうしないとね」
「そんな必要はないわ。わたしに借りなんてないんだもの」
「ただの埋めあわせだと思ってくれ」
 ハンターとジョニーの予定にわたしが振りまわされているんじゃないかと気にしてくれているのかしら?
「あなたとジョニーに予定が入っているからといって、無理にわたしをもてなしてくれる必要はないわ。わたしは――」
「ぼくはきみと一緒にディナーをとりたいと思っているんだ」
「わたしもよ」しぶっていると誤解されたのではないかと思い、テレーズはすぐさまこたえた。「楽しみだわ。シーフードも、それをあなたと一緒にいただくことも」
 ハンターはもう一度テレーズにほほえみかけた。このときもまた少しのあいだ彼女の顔を見つめ、瞳の奥を探ってから、視線をはずして外に出た。
「じゃあ、これで決まりだね」
「ええ」
「おやすみ」
 ハンターは片手をポケットから出して手を振ると、きびすを返して歩きだした。
「おやすみなさい」
 テレーズも挨拶を返した。そして、その場に立ったままハンターの後ろ姿をくい入るように見つめていたい気持を抑えて、しぶしぶキャビンのドアを閉めた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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