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復讐は愛ゆえに

復讐は愛ゆえに


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミシェル・リード(Michelle Reid)
 1997年の日本デビュー以来たちまち人気を博し、ハーレクイン・ロマンスを代表する作家になる。五人きょうだいの末っ子として、マンチェスターで育った。現在は、仕事に忙しい夫と成人した二人の娘とともにチェシャーに住んでいる。読書とバレエが好きで、機会があればテニスも楽しむ。執筆を始めると、家族のことも忘れるほど熱中してしまうという。

解説

その美しさゆえに、ジェシカはいましがた、ある権力者に危うく体を奪われかけた。傷ついた心を隠して次の仕事場、カメラマンのアレクの元へ向かった。彼は前妻の裏切りから、美しい女性を嫌うと噂される男だったが、出会った瞬間、ジェシカは圧倒された。逞しい長身と、金色に射抜く瞳――彼女の目には、精悍な太陽神そのものに映ったのだ。しかし撮影が始まるや、揶揄するような言葉を投げつけられ、あまりの辛辣さに耐えかねて、ジェシカは卒倒してしまう。

抄録

「また会えるかい?」二人が乗っている車は、ジェシカのフラットの前に止まっていた。
「明日からひと月、留守にするの。延び延びになっていた休暇をとるから」
 アレクはがつんと殴られたようにジェシカを見た。彼女の青い目が彼の心を知ってなごむ。ジェシカも同じ気持だったのだ。
「テディが今日の午後、あなたに言ったはずよ」
 アレクはうなずき、ハンドルを叩きながら窓の外にぼんやりと視線を向けた。「どこに……どこに行くんだい?」
 ジェシカは寂しそうにほほ笑み、「あちこちまわる予定」と、あいまいに行き先をぼかした。もっとも彼女自身、今朝、義兄のスタヴロスが電話でフライトの予約を確認してくるまで、ギリシアのどこに行くか決めていなかったのだ。ぼかした理由は、隣に座っている金色の大男のせいだった。彼にどんどん傾斜していく自分が怖かった。「私は演劇学校を卒業してから五年間、休みなしで仕事をしてきたわ。そのせいで、疲れてしまったのよ。肉体的にも精神的にも。自分の進んでいる方向に迷いもあるし。だから次の仕事を決める前に、少し時間をとって自分自身を取り戻す必要があるの。ロンドンにいたら、いろいろプレッシャーがかかって、意にそわない決断を下してしまうかもしれないから」
「ジョエル・ブレークの映画とか?」
 ジェシカはぶるっと震えた。「まさか! 私が決めなくてはいけないのは、二十パーセントのエージェント料をとるテディが望んでいるように別の映画に出るか、私の本来の希望である舞台に戻るかということよ」
「僕は君にここにいてほしい。これもプレッシャーだね」アレクはかすれた声で言った。
「でも、悪いプレッシャーではないわ」ジェシカがアレクの手に触れると、彼はハンドルから手を離して彼女の指を握り、唇に運んだ。「それにとても気持がそそられるわ」
 アレクは身を寄せ、唇が触れんばかりに顔を近づけた。「これから君のフラットに行って、この問題を話し合うことができる」
「ええ。でも……」ジェシカはアレクの美しい唇を熱っぽく見つめた。
「でも君は、物事はそんなふうには進まないと思っているんだろう?」
「少し急速に進みすぎるのよ、アレク」
「怖いのかい?」
「とても」ジェシカの柔らかな吐息とともに、二人の唇の距離が埋まった。
 力が抜けると同時に二人の体に電流が走り、溶け合った。アレクの唇は温かく刺激的だった。彼は舌でジェシカの唇をなぞって口を開けるように促し、ジェシカは激しく応えた。アレクの手が彼女のうなじに伸び、顔を上げさせた。ジェシカは思わず身震いした。そのキスはこれまで経験したどのキスよりも限りなく心が乱れ、二人が抱き合っていることのあらゆるニュアンスを意識してしまうキスだった。ほっそりとした体に押しつけられる彼の筋肉質の体、刺激的な彼の香り、この黄金の巨人に求められていることに対する抑えようのない圧倒的な感情。
 けたたましい警笛の音に、二人は体を離した。アレクはまだジェシカにおおいかぶさっている。彼は燃えるようなトパーズ色の目で、情熱に曇った彼女の目を見つめながら、ゆっくりと自分を取り戻していった。
「大丈夫かい?」アレクがかすれた声できいた。
 ジェシカはうなずいた。話したくても声が出なかった。これまでキスひとつでこんなにも燃えあがる気持になったことなどなかったのだ。
「運転士のいない暴走列車みたいだった」アレクは震える声で言った。
「それとも、列車の暴走を止められない運転士」ジェシカの声も震えていた。
 アレクはジェシカの額に額をつけた。「君のすべてに触れたい。今日スタジオで、君がコートを脱いだ瞬間から、君が欲しかった。君の腰に両手をまわして君を引き寄せたかった。君と並んで横になり、君に触れ、君を感じ、君を知りたい!」彼は静かに哀願した。「休暇をとるのを延ばしてくれ」
 ジェシカは首を横に振った。「一カ月ほど滞在する予定だし、滞在を短くしたら私を待っている人が悲しむわ」
「男かい?」アレクがジェシカから離れた。
 ジェシカは急に寒けを感じた。「家族よ」
「すまない」
「あまりすまないとは思っていないようね」ジェシカはため息をついた。気まずい空気になっている。この夜を、こんな雰囲気で終わらせたくない。「三週間ちょうだい、アレク」静かに訴えた。「ね、三週間よ」そして彼の唇に指を当てて抗議を封じた。「こんなに早く、こんなに深く……。いつもの私なら、これほど衝動的に人と関係を持たないわ」
「それじゃ君も、僕たちの間に何かあることは認めているんだね。通りいっぺんのものではない何かがあると!」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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