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後宮恋譚〜皇帝陛下の甘蜜姫〜

後宮恋譚〜皇帝陛下の甘蜜姫〜long


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆4
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解説

そなたは想像以上に素晴らしい……
冷徹な皇帝の本当の姿は――后に夢中の溺愛陛下!?

わたくしが后なんて――! 珍しい容姿のため冷遇されていた花蓮は、冷酷無比と恐れられている皇帝・龍禅に後宮入りを命じられる。物珍しさで召されたのだと思っていたが、初夜の褥で震える花蓮を龍禅は慈しみ、蕩けるように優しい愛撫を施してくる。龍禅の指で唇で甘く執拗に乱され、花蓮は戸惑いながらも溢れる蜜を止められず……。官能後宮ラブ

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「陛下の后となれて、とても嬉しく思っております。陛下のご期待に添えるよう、日々邁進していく所存でございますゆえ、末永く可愛がってくださいませ」
「あ、ああ……」
 今度の言葉は合格だったのか、特に龍禅からの注意はなかった。
 安堵した花蓮は、この際だからと以前から気になっていたことを聞いてみることにする。
「あの、陛下。お伺いしてもよろしいでしょうか」
「……何だ」
「陛下は、なぜいきなりわたくしを后にと……?」
 その質問をした瞬間、龍禅の眉間の皺が深くなった。
「そのようなこと、どうでもいいだろう」
「あ……ですが……」
 龍禅がどのようなことを望み、自分を后にしたのか分かっていたほうが、今後の身の振り方も決めやすいと思ったのだが、聞かないほうが良かったのだろうか。
 おずおずと口を噤むと、そんな花蓮を一瞥し、龍禅は少し乱暴な口調で言った。
「……珍しいと思ったからだ」
 軽く、頬を叩かれたかのような気分だった。
 やはり陛下も、この見た目を物珍しく思ってわたくしを娶ったのね……と。心に空いた小さな穴から、冷たい風が吹いた心地になった。
 何を落胆しているのだろう。そんなこと、はじめから侍女たちにも言われて分かっていたことではないか。
 少し容姿が珍しいだけ。すぐに飽きて妾妃を迎えるわよ、と。
 それなのに一体、何を期待していたのだろう。
 ますます俯いた花蓮に何を思ったのか、龍禅は少し厳しい声を浴びせかけた。
「そなたは、そのような余計なことを気にするな」
「も、申し……」
 またも謝ろうとし、龍禅の眉間に皺が寄ったのを見て、花蓮は口を噤む。こんな風に簡単に謝ってはいけないのだった。
 ……もう何をすれば、龍禅の意に染むのかも分からない。
 いけないと思いつつも、怯えを隠せなかった。そしてそれは、龍禅の目にも明らかなほどの怯え方だったらしい。
 彼は、はっとしたように息を呑むと、花蓮の傍に寄り、床に跪いて肩に手を置く。
「そなたを怖がらせるつもりはなかった、悪かった」
 そして真摯な気持ちを伝えるように、肩を掴む手にぎゅっと力が籠もった。
 皇帝といえば、焔国においては古来より神にも等しい絶対的な立場である。そんな人が、いくら后にしたとはいえ下級貴族の、しかも妾腹の娘に二度も謝るなんて。
 花蓮の目に映る龍禅の印象は、とても噂に聞いていたような人物とは違う。あの醜聞は何だったのだろう。
「陛下……」
 どうしよう。聞いてみるべきだろうか。
 けれどまた、そなたには関係ないと断じられたら……。
 そんな風に逡巡しながら龍禅を見つめていると、徐々に彼の首筋が赤みを帯び始め、それは頬から耳にかけて一気に広がっていった。
 ここに来る前、酒でも飲んだのだろうかと思っていると、龍禅がいきなり花蓮を引き寄せる。
 急に近くなった距離に驚いて見上げると、龍禅は花蓮をどこか熱っぽい瞳で見下ろした。その目に浮かんでいるのは、花蓮が今まで目にしたことのない感情だった。
「……もう話はいいだろう、抱くぞ」
 端整な、けれど無愛想な顔が近づいてきた。じっと見ていると、黒い瞳に吸い込まれそうになる。
 あ、と声を上げた瞬間、唐突に唇をふさがれた。
 これが、口づけという行為であることは、さすがに世間知らずの花蓮でも知っていた。だがもちろん、こうして実際に体験するのは初めてだ。
 龍禅の唇は柔らかかった。
 舌は濡れていて、ぬるりと花蓮の口の中を生き物のように蠢いている。
 口づけというのは、唇同士を重ね合わせるものだと思っていた花蓮にとって、それは衝撃だった。
 けれど、不快ではない。温かくて、優しくて、……甘い。
「ん、ん……」
 頭の芯が痺れたような感覚を覚えながら、花蓮は自然と龍禅に縋りつくように、彼の長衣の胸元を握りしめる。そうしなければ、正気を保っていられそうになかった。
 恐ろしい人だと思っていたのに、こんなに優しい口づけをするなんて。
 珍しいだけの后だというのなら、もっと乱暴に扱ってもおかしくないはずだ。なのに、これではまるで、慈しまれているかのような錯覚に陥ってしまう。
「ふ……ぁ、んん……っ」
 淫らな声が零れる。奥歯を食いしばろうにも、龍禅の舌が這い回っているのでそれは叶わない。
 瞑っていた目を薄らと開けると、すぐ傍に黒い瞳があって、先ほどより更に熱い眼差しが花蓮に注がれていた。
「花蓮……」
 湿り気を帯びたような声で呼ばれ、腰の辺りにずくんとした重い痺れが広がる。それが何なのか分からないが、何だかそのような感覚があるのが恥ずかしいことのように思われて、龍禅に質問することもできない。

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