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サマー・ヴァレンタイン
著: 剛しいら発行: フロンティアワークス
レーベル: ダリア文庫e シリーズ: ビター・ヴァレンタイン
価格:578円(税込)
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対応端末:パソコン ソニー“Reader”
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著者プロフィール
剛 しいら(ごう しいら)
6月9日生まれ東京都出身。魚座・A型。趣味は映画・舞台・格闘技・F1鑑賞。プラチナ文庫、ルビー文庫、アズ・ノベルズなどで作品を多数発表。
6月9日生まれ東京都出身。魚座・A型。趣味は映画・舞台・格闘技・F1鑑賞。プラチナ文庫、ルビー文庫、アズ・ノベルズなどで作品を多数発表。
解説
チョコレートショップ『冷人』で働き始めた天野克彦は、天才ショコラティエ・永田冷人とスイートな関係。
でも最近ちょっとビター気味。何故なら永田が不機嫌なせい。しかも近くにアイスクリームショップが出来ても何もしない。
克彦は永田の力になりたくてその店のアイスの味見をするが、それが永田にバレてケンカになってしまう。おまけにその店に女装して偵察に行く事に……。
でも最近ちょっとビター気味。何故なら永田が不機嫌なせい。しかも近くにアイスクリームショップが出来ても何もしない。
克彦は永田の力になりたくてその店のアイスの味見をするが、それが永田にバレてケンカになってしまう。おまけにその店に女装して偵察に行く事に……。
目次
チョコレートアイスクリーム
チョコレートアイスバー
チョコレートフラッペ
あとがき
チョコレートアイスバー
チョコレートフラッペ
あとがき
抄録
永田は殴るのかと思ったら、いきなり真喜に抱き付き、その頬にキスをした。
「母さん、泣くだろうな。出来損ないの弟が男好きでも、諦めることは出来るだろうけど、自慢の兄までそうだと知ったら……」
「よっ、よせっ! そんなことお母さんには言うなっ」
「どうしようかなぁ。まぁ、考えておくよ」
冷凍庫の前に来ると、永田は克彦に命じて、ビターを一本取り出させた。ビニールを外して、永田に渡すと、永田はわざと真喜の口の前に、素晴らしい形状のアイスバーを突きつけた。
「しゃぶれよ」
「……」
「舐めて……」
「……」
「噛んだら駄目だ。苦くても我慢しろ。そんなこと、よく言われたけどな。忘れた?」
「真人……おまえのことは……愛して……」
最後まで言わせずに、永田は真喜の口にアイスバーを突っ込んだ。
「甘いけどほろ苦く、冷たい。俺みたいだろ。よーく、味わってくれよ、兄さん」
それだけ言うと、永田は掴んでいた真喜の腕を離して、克彦の肩を抱いた。
「あーっ、すっきり」
「……ほんと、永田さん、アイスバーみたい。甘いかと思えば苦いし。冷たくて……けど後味はいいよ」
「そうか?」
永田は、今度はフードのコーナーに克彦を誘った。そして子豚の丸焼きを、シェフに命じて切り分けて貰った。
「食べたら帰ろう。アイスバーでチョコミントも出したい。もっとクールなやつ」
「チョコミントか。だったらコーティングにオレンジ風味のチョコレートを使った、オレンジも検討してみて」
「オレンジ?」
「うん。ブルー、ホワイト、ダークブラウン、この三色にさらに暖色のオレンジが加わると、ぐっといい色合いになるよ。それに三色だけだと『クールミルク』の色になっちゃう」
「克彦、無駄に天才だな」
褒められて嬉しかった克彦は、にこっと笑う。
すると永田は、しばらくそんな克彦に見とれていた。
「あのな。今、心臓が鳴った」
「僕もたまにあるよ。永田さんがいい顔して笑うと、心臓が勝手に鳴り出すんだ」
「どんな音がした?」
どんな音だっただろう。
ことんと鳴ったような気がする。
そう、ことん、そんな音だった。
「俺の心臓は、ちりんだったな」
「それじゃ風鈴じゃない」
「嫌か」
「あれはことんだよ」
「ちりんだって」
二人は同時に笑い出し、そして同時に見つめ合った。
それぞれの心臓が、それぞれの音で鳴り始める。
相手の胸に耳を寄せて、聞いてみたいとお互いに思い始めていた。
*この続きは製品版でお楽しみください。
「母さん、泣くだろうな。出来損ないの弟が男好きでも、諦めることは出来るだろうけど、自慢の兄までそうだと知ったら……」
「よっ、よせっ! そんなことお母さんには言うなっ」
「どうしようかなぁ。まぁ、考えておくよ」
冷凍庫の前に来ると、永田は克彦に命じて、ビターを一本取り出させた。ビニールを外して、永田に渡すと、永田はわざと真喜の口の前に、素晴らしい形状のアイスバーを突きつけた。
「しゃぶれよ」
「……」
「舐めて……」
「……」
「噛んだら駄目だ。苦くても我慢しろ。そんなこと、よく言われたけどな。忘れた?」
「真人……おまえのことは……愛して……」
最後まで言わせずに、永田は真喜の口にアイスバーを突っ込んだ。
「甘いけどほろ苦く、冷たい。俺みたいだろ。よーく、味わってくれよ、兄さん」
それだけ言うと、永田は掴んでいた真喜の腕を離して、克彦の肩を抱いた。
「あーっ、すっきり」
「……ほんと、永田さん、アイスバーみたい。甘いかと思えば苦いし。冷たくて……けど後味はいいよ」
「そうか?」
永田は、今度はフードのコーナーに克彦を誘った。そして子豚の丸焼きを、シェフに命じて切り分けて貰った。
「食べたら帰ろう。アイスバーでチョコミントも出したい。もっとクールなやつ」
「チョコミントか。だったらコーティングにオレンジ風味のチョコレートを使った、オレンジも検討してみて」
「オレンジ?」
「うん。ブルー、ホワイト、ダークブラウン、この三色にさらに暖色のオレンジが加わると、ぐっといい色合いになるよ。それに三色だけだと『クールミルク』の色になっちゃう」
「克彦、無駄に天才だな」
褒められて嬉しかった克彦は、にこっと笑う。
すると永田は、しばらくそんな克彦に見とれていた。
「あのな。今、心臓が鳴った」
「僕もたまにあるよ。永田さんがいい顔して笑うと、心臓が勝手に鳴り出すんだ」
「どんな音がした?」
どんな音だっただろう。
ことんと鳴ったような気がする。
そう、ことん、そんな音だった。
「俺の心臓は、ちりんだったな」
「それじゃ風鈴じゃない」
「嫌か」
「あれはことんだよ」
「ちりんだって」
二人は同時に笑い出し、そして同時に見つめ合った。
それぞれの心臓が、それぞれの音で鳴り始める。
相手の胸に耳を寄せて、聞いてみたいとお互いに思い始めていた。
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形式
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