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和書>小説・ノンフィクションハーレクインシルエット・スペシャル・エディション

御曹子とシンデレラ

御曹子とシンデレラ


発行: ハーレクイン
シリーズ: シルエット・スペシャル・エディション
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★2
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著者プロフィール

 マリー・フェラレーラ(Marie Ferrarella)
 ヨーロッパに生まれ、ニューヨークで育った。現在は南カリフォルニア在住。すばらしい夫とやんちゃ盛りの二人の子供と暮らしながら、子育てから解放され執筆に専念できる日を心待ちにしている。アメリカロマンス作家協会のRITA賞を受賞。マリー・ニコールの名でも著作多数。

解説

 “独身者オークション”の司会を務めていたジェニーは、魅力的な独身男性が次々と落札されていくのを眺めていた。さえないわたしには縁のないことだわ。だからオークション終了後、権利証を渡されたときは心底驚いた。友人たちが一夜のデートをする権利をプレゼントしてくれたのだ。しかも、相手はエリック・ローガン。御曹子のプレイボーイで、ジェニーがひそかに思いを寄せていた男性だった。彼女は困惑しながらもその申し出を受けたが、デート当日、とんでもないことが起きてしまい……。
 ★大型企画ミニシリーズ『ある運命の物語』では、名門ローガン家を取り巻くさまざまな愛の形を描いています。今月は、王子様のような御曹子エリックとジェニーの物語をお楽しみください。★

抄録

 エリックは、ジェニーがこんなに素直で無防備な女性だとは思ってもいなかった。そんな彼女がとても女らしく思え、心を引かれた。ジェニファー・ホールに欲望を抱くことなどあり得ないと思っていたのに。
 エリックは思わずジェニーの頬を両手で包みこんだ。彼女の目に浮かんだ驚きの表情を見て、ひそかに興奮を覚える。彼は本能と好奇心にかりたてられ、ジェニーの唇に自分の唇を近づけていった。
 ふたりの唇が重なったとたん、エリックは言葉にならないほど驚いた。
 ジェニーの唇はとても甘かった。そして、このうえなく刺激的だった。
 エリックはさらにキスを深めようと、ジェニーの肩をつかんで引き寄せた。小さなうめきが彼女の唇からもれ、ふたりのあいだを漂う。そのとたん、彼のからだはかっと熱くなった。
 思わず両腕をジェニーに巻きつけた。
 ああ、まるで夢を見ているみたいだわ。ジェニーはエリックのキスを受けながら思った。これは本当に起きていることなのかしら。わたしはエリックにキスをされている。本当にキスをされているのだ。部屋が今にもぐるぐるまわりだしそうだった。周囲がなにも見えなくなる。
 感じられるのは、じゅうじゅうと音をたてそうなほど熱く激しいキスだけだった。
 エリックとキスをする――それはまさにジェニーが夢見ていたことだった。だが、夢見ていたのはそれだけではない。もっとたくさんある。今にも心の扉の掛け金がはずれ、ありとあらゆる感情がどっとあふれでてきそうだった。
 今にもエリックに身を投げだしてしまいそうだ。
 そんな考えが浮かんだとたん、ジェニーはさっと身を引き、冷静になろうとした。エリックに身を投げだしたりしたら、彼はあわてて帰ってしまうに違いない。
 ジェニーは思いきって目を開けた。もしかしたら、わたしは夢を見ているのかもしれない。
 だが、夢ではなかった。エリックはすぐそばに座っていた。
「すごいわ」
 またしてもエリックはジェニーの素直さに驚いた。ジェニーが言ったひと言は、まさにそのときの彼の気持を言いあてていた。
「ああ、たしかにすごかった」
 それ以外に言いようがなかった。あのままキスを続けていたら、危うく次の段階へと進んでしまいそうだった。
 ジェニーは唇を引き結び、冷静に考えようとした。エリックのことも、彼の男らしさも思いださないようにした。エリックはわたしのことをからかっているの? わたしの言ったことをそのまままねしたりして。
 ジェニーは手で髪を撫《な》でつけながら震える足で立ちあがると、コールのベッドルームのほうへ一歩あとずさりをした。
「ちょっとコールの様子を見てくるわ」
 エリックはうなずき、ジェニーがベッドルームへ入っていくのを見送った。静かな川は水が深いというが、まさに彼女にもあてはまる。ついこのあいだまで、ジェニーのことはどちらかというとおとなしい女性だと思っていた。彼女がこんなに情熱的だとは思いもよらなかった。
 だが、オークション会場で司会をするジェニーも、法廷で自分の主張を述べる彼女も見たじゃないか、とエリックは自分に思いださせた。仕事で熱弁をふるえる女性が、プライベートでおとなしいはずがない。いくら彼女が物静かにふるまったとしても。
 一方ジェニーは、コールのベッドルームへ入ったとたん、エリックのことも、彼のせいでこれまでになくからだが熱くなったことも忘れてしまった。コールは眠っていたが、ベッドの上でしきりに寝返りを打っていた。コールの顔はまっ赤だった。ジェニーは彼の額に手をあてた。熱があがっている。まずいわ。
 コールの面倒を見るとレイチェルに約束したときに、手に入る育児書にはすべて目を通した。だから、子供が高い熱を出すことは知っている。それから、熱は急にあがり、急にさがることも。
 それでもやはり、ジェニーはまずいと思った。このままではコールは危険かもしれない。もう少しだけ様子を見ても熱がさがらなかったら、小児科医に往診を頼もう。
 そのときドアベルが鳴り、ジェニーはベッドルームから出た。誰かしら?
 キッチンまで来ると、エリックが玄関で配達人にお金を支払っているのが見えた。配達人が着ているジャケットには、〈ブラックストーンズ〉のロゴが入っている。それと同じロゴが印刷された袋が、エリックの足もとにいくつも置かれていた。
 ジェニーは玄関に行き、袋を指さしてエリックに尋ねた。「これはなに?」
 エリックは配達人に礼を言ってからドアを閉め、ジェニーのほうを向いた。「せめてきみに食事ぐらいはごちそうしたいと思って、レストランにディナーの配達を頼んだんだ」袋を持ちあげて、キッチンのテーブルの上に置く。「ぼくが選んだ料理を気に入ってくれるといいけれど」
 エリックが泥のパイと芋虫を注文していたとしても、わたしは気に入っただろう。そう思いながらもジェニーはいぶかしげに袋を見た。
「〈ブラックストーンズ〉では配達のサービスはしていないはずよ」
 エリックはにっこり笑いながら、ひとつ目の袋から発泡スチロールの容器をふたつとりだし、テーブルに置いた。「料理長と知りあいなら、配達してくれるんだ」
 ジェニーは笑いながら頭を振った。エリックに不可能なことなどないに違いない。
「あなたが悪いことではなく、いいことにその力を発揮してくれることを願うわ」
 エリックがジェニーに目を向ける。彼女は血がわきたつのを感じた。
「じゃあ、きみが指導してくれないか」
 ジェニーはなんとかキャビネットへと足を進めた。ふたりで食事をするなら、皿やグラスを用意しなければならない。
 それに、エリックに見つめられるたびに銅像のように身動きできなくなることも、なんとかする必要がある。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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