マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ スペシャル

拒まれた恋心 ワイオミングの風

拒まれた恋心 ワイオミングの風


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツスペシャルワイオミングの風
価格:900pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

彼の子供を産めないのなら、私が生きる意味なんてない……。

幼い頃に母を亡くしたニキは父の手で大切に守り育てられてきた。そんなニキが17歳のときに恋したのは、ブレア・コールマン――父の友人で、石油会社のオーナーである大柄な男性だ。しかし、16歳も年上のブレアはニキを子供としてしか見ておらず、少女の淡く切ない想いは伝わることもないまま、やがて彼は別の女性と結婚し、初恋は終わりを告げた。ところが数年後、ニキのもとに驚くべき知らせが届く。ブレアの結婚が破局を迎え、彼が荒んだ生活を送っているというのだ。ニキが急いでそばに駆けつけると、ブレアは冷たく言い放った。「僕を釣り上げようとしても無駄だ。幼稚な恋愛ごっこはやめろ!」

■北米ロマンス界の最重鎮D・パーマーが健筆を振るう大人気シリーズ〈ワイオミングの風〉。本作は、年上の石油王と純真無垢なヒロインの波瀾に満ちた極上ロマンスです。

抄録

「悲しいことだが、そういう勘違い野郎はけっこういるんだ。背中を見せて、ハニー」ブレアは彼女の向きを変え、ドレスを引き下げて背中を確認した。そこにもいくつか青あざができていた。
「どんな感じ?」ニキは尋ねた。
 大きく息を吸って、ブレアは彼女を振り向かせた。黒い瞳が怒りでぎらついていた。「今から病院へ行こう。まずは手当を受けて、それから保安官に報告しよう。これは明らかに暴力事件だ」
「彼を訴えるためには私が証言しなきゃならないんでしょう?」大男の瞳を探りながら、ニキは静かにつぶやいた。
「僕も証言する」
「でも、あなたはすべてを見ていたわけじゃないわ。彼が嘘をついたらどうするの? 最初は私もその気だった、途中で気が変わっただけだって?」
 ブレアは小声で悪態をついた。「どうも気に入らないな。暴力男は無罪放免か?」
「彼自身の青あざについて、説明に追われることにはなるけど」ニキは冗談めかして言った。「大学に戻ったら、みんなに言い触らしてやるわ。あの青あざは私がつけたんだって!」
 ブレアはくすくす笑った。「そして、あいつは生きた伝説となるわけか」
「ええ、そうよ」きっぱりと断言すると、ニキは頭を傾け、しげしげと大男を観察した。「あなたは喧嘩慣れしているタイプには見えないわね」
 ブレアは肩をすくめて微笑した。「僕の父親は……」奇妙なためらいとともに、彼はその言葉を押し出した。「石油会社を興した。その会社を多国籍企業に育て上げ、僕を後継者に指名した。ただし、後継者たる者は仕事を一から覚えなくてはならない。それが彼が考える帝王学だった。だから、僕はまず石油の掘削装置を扱う作業員になった」彼は唇をすぼめた。「ボスの息子はどうしても白い目で見られる。喧嘩を売ってくる同僚も少なくなかった」
「そして、彼らは自分の愚かさを思い知ることになったわけね」ニキは笑顔で彼を見上げた。
「そんなところだ」ブレアはうなずいた。「気の毒だが、この青あざはしばらく消えないぞ」
「あなたがいてくれなかったら、青あざどころじゃすまなかったわ」遅れてやってきた恐怖心に、ニキは身を震わせた。「ブラインドデートなら高校時代にも経験したけど、まさかこんなことに……」彼女の喉から嗚咽がもれた。「ごめんなさい」
 ブレアはニキを抱き上げた。そして肘掛け椅子に座り、彼女を膝にのせて抱擁した。「吐き出してしまえ、ニキ。僕は泣かれても平気だよ」金色の髪に唇を当てて、彼はそっとささやいた。
 ニキは声をあげて泣いた。慰めてくれる人がいる。それは彼女にとって貴重な経験だった。彼女の父親はブレアと同じ石油業者で、若い頃は掘削現場で働いていた。彼は娘を愛していたが、それを仕草で表現するタイプではなかった。娘が怪我をしても、傷口にキスをしたり、ことさらに慰めたりはしなかった。ニキは小学生の頃に母親を亡くした。それからはずっとこの大きな牧場で父親と二人だけで生きてきた。父親が祖父から受け継いだ遺産である牧場で。今、彼女は十九歳で、まもなく二十歳になろうとしていた。しかし、彼女には涙を受け止めてくれる存在が一人もいなかった。家政婦のエドナ・ヘインズを別にすれば。
 たくましい胸に顔を押しつけて、ニキは悲しみに暮れた。ブレアが結婚してしまう。私が大人になったら、彼も私に気づいてくれると思っていたのに。愚かな夢。はかない夢。でも、それも今夜で終わりね。少なくとも、彼は私を救ってくれた。あの筋肉だけの獣から。
「かわいそうに」彼女の額に唇を寄せて、ブレアはつぶやいた。
「あんな真似をする男の人がいるなんて」ニキは途切れ途切れに訴えた。「私は知らなかったの。デートはあまりしないほうだし。私は昔ふうの生き方が好き。ヴィクトリア時代のほうが性に合っているのかしら。今の時代には……ついていけないわ」
「僕も同じだ」ブレアは顔を上げ、潤んだ灰色の瞳を探った。「まだヴァージンなんだね?」
 ニキはうなずいた。なぜかしら。ブレアにならこういうことも素直に認められる。まるで昔からの知り合いと話しているみたい。実際は数年前からの知り合いで、たまに顔を合わせるだけの間柄なのに。「私は毎週パパと教会へ通っていたの。大学に進むまでは。学校では私をばかにする女の子たちもいたわ。男は無垢な花嫁なんて望んでいない、経験を積まなきゃ男にアピールできないって」彼女は好奇心旺盛な小鳥のように首を傾げた。「そうなの?」
 とても現世の人間とは思えない。ブレアは涙で濡れた頬に貼りついていた金色の髪を撫でるように押しやった。体の奥がうずくのを感じ、そんな自分を叱った。相手は子供だぞ。大学生といっても、僕と比べたらはるかに若い。一分ほどして彼は口を開いた。「僕は、無垢な花嫁は貴重ですばらしいものだと思うよ。君と結婚できる男は果報者だ」
「ありがとう」はにかんだ笑みを返してから、ニキは唇をすぼめた。
「何か訊きたいことでもあるのかな?」ブレアはからかった。「いいから言ってごらん」
 ニキはとんでもない疑問を口にした。「あなたと結婚する女性は果報者なの?」
 ブレアは思わず噴き出した。「まさか。さすがにそれはないよ」彼はきらめく灰色の瞳をのぞき込んだ。「君は困った子だな」


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。