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しあわせな出会い ベティ・ニールズ選集 12

しあわせな出会い ベティ・ニールズ選集 12


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュベティ・ニールズ選集
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ベティ・ニールズ(Betty Neels)
 イギリス南西部のデボン州で子供時代と青春時代を過ごした後、看護師および助産師としての教育を受けた。戦争中に従軍看護師として働いていたとき、オランダ人の男性と知り合って結婚。以後十四年間、夫の故郷オランダに住み、ベティは看護師、夫は病院事務と、ともに病院で働いた。イギリスに戻って看護師の仕事を退いた後、よいロマンス小説がないことを嘆く女性の声を地元の図書館で耳にし、自ら執筆を決意した。1969年、「赤毛のアデレイド」を発表して作家活動に入る。穏やかで静かなロマンス、その優しい作風が多くのファンを魅了した。2001年6月、惜しまれつつ永遠の眠りについた。彼女が生みだした作品は百三十以上にも及んでいる。好きな映画は『逢いびき』(英1945年)、尊敬する人物はウィンストン・チャーチルだったという。

解説

意地悪な継母にこき使われる日々――そんな娘に訪れる、しあわせな出会い。

クレシダは父亡きあとも、身勝手で冷たい継母と暮らしていた。父が遺した家や財産はすべて継母の支配下にあったが、生まれたときから面倒をみてくれている老家政婦モギーの身を案じ、彼女は家を出ていく気になれずにいた。ある日、捨て犬を助けた拍子に足を怪我して動けずにいたところ、通りがかりのオランダ人医師オルドリックに助けられた。その後も気にかけてくれる彼に、クレシダは淡い恋心を抱き始める。やがて、モギーが終身年金を受けられることになり、クレシダもさる老婦人の話し相手の仕事を得て自立することになった――すべては、オルドリックの密かな計らいとも知らずに。

■継母のもとを離れて自由を手に入れたクレシダでしたが、オランダに渡り、ふたたびこき使われる憂き目に……。『愛をはぐくんで』の関連作で、前作の主人公、ティコーとチャリティも登場します!

抄録

 十月の初めにしては暖かい日だった。だが、日が西に傾きかけた今、そよぐ風には冷気が感じられる。木々のあいだを縫う静かな田舎道はすっかり陰になり、あと一時間もすれば日が暮れる。娘は草むらに座ったままかすかに身震いし、かたわらのやせた犬に腕を回した。栄養の悪い貧相な犬の首には、木につながれていた時のロープがそのまま垂れさがっている。一時間ほど前、彼女はこの犬を見つけ、ロープをほどいてやろうとしたのだった。その時犬に押され、不自然な姿勢で転んだ拍子に足首をひねってしまった。痛む足を引きずって道路まで出るのは一苦労だったが、どうにかたどり着いた。そして今、道端の草むらに座り、助けを待っている。これまで二台の車が通りすぎた。手を振り、声を張りあげて叫んだけれど、止まってはくれなかった。薄明かりの中で足首を調べてみる。大きく腫れ上がって靴も脱げない。こうなったら助けを待つほかに手だてはない。だが、この道は二つの村を結ぶ田舎道で車の往来は少なく、明日の朝早く農場のトラクターが動き出すまでは助けてもらえるチャンスはなさそうだ。
「ここで夜を明かさなければならないかもしれないわね」娘は犬に話しかけた。「でも、おまえの面倒は見てあげますから。どうしたらいいのかはわからないけど……とにかく、連れがあるのはいいことだわ」
 あたりがすっかり暗くなったころ、車の近づく音がした。間もなくヘッドライトが娘と犬の前をかすめ、車はそのまま走り去った。
「ああ、行っちゃった。でも、止まってくれないからって、人を責めるわけにはいかないわね」
 だが、車はゆっくりとバックしてきて、娘の前で止まった。男が降りてきた。その男性が巨人のように大きく見え、娘は逃げ出したい気持に駆られた。男はゆったりとした足どりで近づいてくる。彼は穏やかな声で静かに話しかけた。
「どうかしたの?」親切そうな声だ。「けがでもしたのかい?」
 男は娘を見下ろした――小柄で平凡な顔だちのやせた娘だ。だが、濃さを増していく夕闇の中で、彼女の目は美しく輝いていた。
「けがというほどでは……足首をひねってしまって、歩けないんです」娘は子細に相手を観察した。この人なら信頼できそうだわ。夜のドライブを楽しむ若者ではなく、きちんとした身なりの大人の男性だ。それにハンサムだし……そんなことはどうでもいいけれど。「ミントン・クラックネルまで乗せていただけませんか? ほんの二、三キロ先です。私、そこに住んでいますの」
「かまわないよ。でも、その前に足首を診せてごらん。僕は医者だ。応急手当が必要らしい」彼は娘の横に座り込み、犬がうなると大きな手で頭をなでてやった。「靴を脱いだほうがいい」彼はポケットからナイフを取り出し、靴紐を切った。「ちょっと痛いかもしれないよ」やさしい言い方だ。「よく我慢したね。車から包帯を取ってくるあいだ、一息つくといい」
 娘が頬に流れる涙をぬぐう暇もなく、彼はすぐに戻ってきた。靴を脱がされた時、彼女は一言も声を発しなかったが、痛さで思わず涙をこぼしてしまったのだ。彼は黙ってハンカチを渡し、明るく言った。
「包帯で固定すればずっと楽になる。明日、レントゲンを撮ったほうがいい。二、三日はおとなしくしているんだね」そう言って彼は立ち上がった。「この犬、君の犬なの?」
「いいえ。道を通りかかった時、犬の鳴く声が聞こえて……木につながれて捨てられていたんです。ロープをほどいてやろうとして、はずみで犬に押し倒されてしまって……」
「かわいそうな犬だ。しかし、君に見つけてもらって運がよかった。君が飼うつもりかい?」
「それが……無理なんです。|義母《はは》は犬が嫌いですから。ひとまず寝場所と食事を与えて、誰か飼ってくれそうな人を探します」
「さあ、君を家まで送っていこう」男は娘を抱き上げ、助手席に座らせた。彼が犬に声をかけると、犬はひるむことなく車の後部座席に乗り込んだ。
「車が汚れてしまうわ」娘はすまなそうに言った。「これ、ベントレーでしょう?」
「汚れなんて気にしないさ。掃除をすればいいんだから。それより、君の家を教えてくれ」
「村を通り抜けると、右側に高いれんが塀に囲まれた家があります。そこが私の家なの。司祭館と呼ばれているんです。父が祖父から受け継いだもので、長いあいだ一族のものだった……」娘は男の横顔をちらと見た。「いろいろとご親切にしていただいて、申し訳ありません」
「僕が通りかかってよかった、ミス……」
「プリース。クレシダ・プリースです」娘はためらいがちに尋ねた。「イギリスの方じゃないんですのね?」
「オランダ人だよ。オルドリック・ファン・ダ・ライナスだ」
「完璧な英語をお話しになるんですね……あら、村に着きましたわ」


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