マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・セレクト

三度恋する

三度恋する


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★☆☆☆☆1
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 アン・メイザー(Anne Mather)
 イングランド北部の町に生まれる。息子と娘、二人のかわいい孫がいる。自分が読みたいと思うような物語を書く、というのが彼女の信念である。ハーレクイン・ロマンスに登場する前から作家として活躍していたが、このシリーズによって、一躍国際的な名声を得た。

解説

重役秘書ライアは18歳のときに母を亡くして以来、頻繁にトラブルを起こす妹の世話を懸命にやいてきた。その妹もようやく看護師として就職し、やっと肩の荷が下りたと安堵していた矢先、ライアは突然の妹からの電話に凍りついた。無免許運転で自動車事故を起こしてしまい、同乗していた恋人はいまだ昏睡状態だというのだ。すすり泣く妹に呆れながらも、ライアはなぜか突き放せずにいた。すると今度は、妹の恋人の叔父だという大富豪のジャレッドが訪ねてきて、甥に付き添うこともしないライアを厳しく責めた。ああ、なんてこと!彼は私を妹と勘違いしているんだわ。

■トラブルメーカーの妹の後始末をさせられてばかりだったライア。しかし、今度のトラブルは彼女と大富豪ジャレッドを引き合わせてくれました。絡み合った糸がほぐれていくにつれ、愛も深まり……。

抄録

「そんなことありません!」
「だったらなぜ、病院にいなかった? 少なくとも、甥の生死を気づかっているふりくらいはしたらどうなんだ?」
「気づかってます。少なくとも……誰にも負けないくらい心配しています……」
「誰にも、だって?」
「ええ、誰にもです……あの、とにかくなかにお入りになりません? あなた……思い違いをしてらっしゃるんですわ、ミスター・フレイザー。わたしはあなたが考えてらっしゃる相手じゃありません。ヴァレンティナは妹です。わたしはライア」
「ライアだって?」
 ドアが開いたとたんに相手に玄関に押しこまれて、ライアはどきっとして息をのむ。ふたたび、パニックがあった。相手は手探りで明かりをつけ、後ろ手にばたんとドアを閉める。
「この嘘つき!」ライアの二の腕をつかむと壁に押しつける。「急いで別の嘘を考え出したほうがいいぞ、ヴァレンティナ。姉さんのライアには、今日の午後、ここに来たときに会っているんだからな!」
 とたんに、妹を弁護しようという気持も、すうっと冷えていった。
「それじゃ……そのときだまされたんですわ。わたしが、ライア・マロリーです。だから手を放してくださいません? 痛いんです!」
 争いのあいだに巻きあげた髪がゆるみ、蜂蜜色の髪の房が耳までずり落ちてしまう。顔は怒りに青ざめ、いっぱいに見開いた紫色の目には反感がみなぎっていた。
「もう一度言ってみろ」
「わたし、ライア・マロリーよ。午後、誰に会ったにせよ、そのひとはわたしじゃありません」
「ぼくはちゃんと、ライア・マロリーと名乗るのを聞いてるんだぞ。姉さんの話では、きみはいまいないから、あとでいらっしゃったらと言った。いつとは言わなかったから、また来てみた――六時と、八時に。これで四度目なんだよ、ミス・マロリー。今度は、真相を知るまでは、絶対に帰るつもりはないからな!」
「あなたがそのひとに何を言われたにしても、わたしの知ったことじゃないわ、ミスター・フレイザー。彼女には、あなたにそう言わなければならない理由があったんでしょう。でも、事実は事実です。わたしはライアで、ヴァレンティナじゃありません。だから、わたしを犯罪者か何かのように扱うのは、いいかげんによしていただきたいわ!」
「それじゃ、罪を犯さなかったとでも言うのか?」
「とんでもない、そんなこと!」つかまれた腕の痛みに、思わず涙がこぼれそうになってしまう。「お願いだから手を放してくださらない? あなたは背も高いし肩幅も広いし、わたしよりはるかに強いわ。まさか、わたしが力ずくでも逃げ出すとは思ってらっしゃらないでしょう?」
 相手は長いあいだ、憎しみをこめてライアを見つめていた。やっと、わずかに皮肉に口もとをゆがめると、手を放す。ライアはぎごちない手つきで腕をもんだ。
「じつにクールだな、ミス・マロリー。それくらい覚悟しておくべきだったのに。でも、姉さんに会って、ぼくはすっかり武装解除されてしまっていたらしい」
 武装解除ですって! ヴァレンティナは明らかにこの男性を相手にして、みごとにだましおおせたらしかった。でも何のために? この男性を敵にまわしたらことがいっそう面倒になることくらい、妹にもわかったはずなのに。
「どうぞお入りになって」
 居間の電気をつけながらも、これが現実の出来事とは思えなかった。歓迎できない訪問客の長身のせいで、部屋まで小さく感じてしまう。ライアは窓際の小卓にハンドバッグの中身をあけた。銀行のカードと小切手帳と運転免許証を拾いあげる。
「これではっきりすると思いますけど――それ以上の証明が必要でしたら、サイモンが喜んで……つまり、今夜、デイトした青年ですけれど……証明してくれると……」
 それ以上は続けられなかった。情けないことに、熱い涙があふれてきて、ライアはくるりと背を向けると、手の甲で頬をぬぐった。
「なるほど」やっと返事が聞こえてくる。「たしかにこれは本物らしい。だからと言って、なぜ所有者を疑っちゃいけないってことになるのかな? もしぼくがほかの人物になりすまそうとしたら、書類ぐらいはちゃんとそろえておくはずだから」
「まあ、あなたってどうしようもないかたね!」とほうにくれて向きなおる。目まで赤くしていることが何ともやりきれなかった。「なぜ、わたしを信じてくださらないの? なぜ、わたしが嘘をつかなきゃならないの?」
「なぜ、きみの妹は嘘をつかなきゃならないんだ?」
「こちらが教えていただきたいわ」
 息づまるような何秒間かが過ぎ、ジャレッド・フレイザーは窓辺の食卓に歩みよって書類を置くと、またもとの戸口に戻った。ライアが顔を上げると、相手の目からいくらか敵意が薄らいでいることがわかった。
 こんな状況にもかかわらず、相手がどぎまぎするほどの男性であることまで否定はできない。もの腰にも顔だちにも、ふしぎな魅力がある。知的な顔、高い鼻、官能的な唇……。
「オーケイ。かりにきみの言うとおりだとすると、ぼくが午後話した相手がヴァレンティナだったということになる。それじゃ……どこにいるんだ?」
「勤務中だと思いますけど」
「つまり、彼女が見習い看護師をしている病院にいるってことだね?」
「もちろんよ」
「違うな」
「違うって、どういうこと?」
「ぼくが今晩、どこにいたと思ってるんだ? バー以外にだよ」
「でも妹は病院にいるはずよ。今夜八時から勤務だって言ってたから」
「きみ、会ったんだな?」


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。