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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・アフロディーテ

夜ふけの恋人

夜ふけの恋人


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・アフロディーテ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジェニファー・クルージー(Jennifer Crusie)
 大学生のとき研究調査のためにロマンス小説を読み始めたところ、それがあまりにも楽しかったので自分でも書いてみたくなったという。九五年、そして二〇〇五年にロマンス小説界の最高峰RITA賞を受賞。数々のベストセラーリストにも登場する人気、実力ともに兼ね備えた作家である。

解説

 ラジオ局で働くアリーは公私ともに順風満帆の生活を送っていた。だが恋人である同僚にふられてから人生は一変する。元恋人はあろうことか彼女の部下とつき合いはじめ、あげくの果てに看板番組から深夜番組への異動を言い渡された。落ち込んだアリーは気分転換にバーへ繰り出すが、不運にも元恋人と鉢合わせしてしまう。慌てて店内にいた男性客に五分だけ恋人になってほしいと頼むと、あまり気乗りしない様子だったがなんとか承諾してくれた。ところが、いざアリーの元恋人が近づいてくると、男性はいきなり彼女の唇を奪い、熱烈なキスを見せつけた!
 ★“ロマンス小説界のオスカー賞”と称されるRITA賞を二度にわたって受賞した実力派、ジェニファー・クルージー。脇役に至るまで個性豊かな登場人物たちから目が離せません!★

抄録

「それで君たちはいつ知り合ったんだい?」マークがたずねた。
「もうずっと前からさ」チャーリーが答えた。
「でもほんの数分にも思えるわ」アリーはまたチャーリーを睨みつけたが、ふと入り口の誰かに気づいたらしく、身ぶりで何か合図した。チャーリーがふり返ると、ちょうどその誰かがレストランに姿を消すのが見えたような気がした。
 なるほど、彼女にも秘密があるらしい。これはますます面白くなってきた。その秘密がわかるまでは、彼女から離れるわけにはいかない。チャーリーはラジオ局の秘密を探り出すために雇われたのだから。アリーに目を戻すと、顔を縁取る髪が、バーの明かりに照らされて明るく輝いていた。
 なかなか目の保養になる光景だった。
「リザは一緒じゃないの?」アリーは何気ない顔を装ってたずねた。「残念だわ。四人でディナーを一緒に食べられたのに」
「リザはまだラジオ局にいる」マークは顔をしかめた。「たしかに残念だな。リザにチャーリーを引き合わせるいい機会だったのに」
「チャンスなら、またあるよ」チャーリーはグラスを飲み干した。「僕はどこにも行かないからね。聴取率のトップ以外には」
 マークはこれもジョークだと思いこんだ。「は、は、は」
 マークの笑い声は喘息《ぜんそく》にかかった馬のいななきのようだった。ひょっとしてアリーがマークと別れたのは、これが原因だったのだろうか。ふとチャーリーは困ったことに気づいた。もしマークと聴取率を競うことになれば、うっかりしたらこちらがトップになってしまうかもしれない。それはまずい。極秘捜査の基本は目立たないことなのだから。
「さて」アリーは立ち上がった。「そろそろディナーを食べに行くわ。またね、マーク」
 マークは別れのキスをしようと身をかがめた。アリーは避けようとした拍子に転びそうになった。
 チャーリーが後ろから彼女を受け止めた。「ダーリン、また僕の腕に飛びこんでくるのかい?」チャーリーは彼女を抱きしめる腕に力を込めた。肩にもたれかかるアリーは柔らかくまるみを帯び、花の香りがした。せっかくなら、もうしばらく抱いていたい。「だめだよ、他人の目というものを考えないと」
 アリーはチャーリーの目をのぞきこみ、はっと息をのんだ。「きっとあなたのフェロモンのせいよ。もう大丈夫だから手を離してちょうだい」
「本当に大丈夫かな」チャーリーはそう言って唇を重ねた。
 軽いキスをして手を離すつもりだった。ちょっとマークをやきもきさせてやりたかった。それにそう、アリーの唇を味見してみたかった。だがキスに驚いたアリーが思わずしがみついてきたので、予定以上に熱烈なキスになってしまった。もたれかかるアリーの温もりと柔らかさ。唇に残ったクリームのひんやりとした甘さ。われに返って唇を離したとき、チャーリーは頭がくらくらしていた。
「いったいなんのつもり?」身を離したアリーは、腹を立てるというより、息が切れた声だった。
「愛を表明しているのさ。こっちへおいでよ」チャーリーが手を伸ばすとアリーはあとじさった。
 マークが不機嫌な顔で見ていた。「やれやれ、アリー、公衆の面前で何をするんだ」
「欲望にかられているのさ」チャーリーが嬉しそうに笑った。「彼女は僕とキスせずにはいられないんだ」アリーがもう一歩あとじさったので、チャーリーは一緒に行こうと立ち上がった。「じゃあ。リザによろしく」
 廊下に出ると、アリーは信じられないとばかりに頭を横にふった。「あなたの正体は何者なの? 悪魔? 私は何かの罰を受けているの?」
「僕はチャーリー・テニエルだ」彼は手をさし出した。「君の元恋人の、あの尊大なやつをあしらってやっただけじゃないか。僕がキスした女性があんなやつとベッドインしたと考えるだけで虫酸が走る」
 アリーはさし出された手を見下ろすと、ため息をついた。それからその手を握って、すぐに離した。「私はアリス・マガフィー。WBBB局であなたの番組を担当するプロデューサーよ。アリーと呼んでちょうだい。お会いできて嬉しいわ。それにマークのことで助けてくれてありがとう。でもそろそろ行かないと。話はまた明日、局でしましょう」
 アリーがレストランに向かおうとしたので、チャーリーは彼女の前にまわりこんだ。今ここで置いていかれるのはがまんできなかった。局についてききたいことが山ほどある。ほかの人間から聞き出すこともできるが、同じことならアリーの口から、アリーの声で聞きたい。「どこへ行くんだい?」
「ディナーを食べに行くのよ」アリーはダイニングルームを身ぶりで示した。「先約があるの。私が知る限り、ただ一人の完璧《かんぺき》な男性と」
「ああ」チャーリーはなるほどとうなずいた。「君のお父さんだな。僕もご一緒して、仕事のパートナーとして紹介してもらおうかな」
「いいえ、父じゃないわ」
「違うって?」チャーリーは頭を働かせた。「僕はこれまで完璧な男になんて会ったことがない」チャーリーはわざとねだるような口調で言った。「ぜひ会って、お手本にしたいものだ」
 アリーは感心しないという顔だったが、彼が微笑むと、結局は折れた。「わかったわ。あなたには借りがあるから。ジョーと一緒にディナーをどうぞ」
「ありがとう。早く完璧な男性に会いたいものだ」
 チャーリーはアリーについてレストランに足を踏み入れた。アリーがほの暗い店内を見まわすと、奥のテーブルで一人の男性が立ち上がって手をふった。
 チャーリーは目を凝らした。この男が完璧な男なのか。相手は、身長百八十五センチのチャーリーよりも背が高く、ごくオーソドックスな美男子でありながら、お高くとまったところのない男だった。がっしりした顎にまばゆいブロンド。青い目は温かく、アリーを見る笑顔には本物の愛情がこもっていた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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