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伯爵様のマイフェアレディ

伯爵様のマイフェアレディ


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

君が欲しいんだ。……欲しくて、おかしくなりそうだ
記憶喪失の伯爵様と恋に落ちて……すれ違いラブ

愛した人が伯爵様だなんて――エミリアは記憶喪失の男ジャックの面倒をみるうちに惹れあい、純潔を捧げた。初めての甘い痛みを感じ結ばれた翌朝、ジャックが記憶を取り戻す。彼の正体はルーカスという貴族で淑女教育をするためにエミリアを迎えにきたという。なぜ、私が? 豪華な屋敷に連れて行かれルーカスの気持ちもわからず戸惑うエミリアは……。

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「強情だな。僕がいるんだから、君は僕を頼りにすればいいんだ」
「できないわ……。だって……あなたはいつかいなくなってしまうんだもの」
 エミリアは自分の発した言葉に胸が抉られるような気がした。
 ジャックがいなくなることを考えただけでつらい……。
 どうしてなの? わたし……ジャックのことが好きなの?
 恋なんて一度もしたことがない。村に住む友人達と恋の話をしたとき、エミリアは理解できないと言った。誰かを好きになって、苦しい思いをするという話をなかなか信じることができなかった。
 好きになれば、楽しいだけではないのか、と。
 これが恋なのかしら。わたしはジャックに恋をしているの?
 エミリアは自分の気持ちがよく判らなかった。思えば、エミリアはずっと生活に追われていた。ささやかな楽しみもなく、働いたり、家事をしていた。友人達とも楽しく会話をすることはあっても、本当の意味で親しいわけではない。忙しくて、そこまでの関係を築けなかった。
 彼はわたしの兄のようでもあり、親友みたいな存在だったんだわ。だけど、今はそれ以上の気持ちを持っている……。
 エミリアは彼の顔をじっと熱心に見つめた。彼のほうもエミリアを見つめている。ひょっとしたら、二人の気持ちは通じ合っているのかもしれない。
 だとしたら、わたし達……。
 見つめ合っていると、ふらりと眩暈がしてきた。エミリアの脳裏には教会で式を挙げる二人の姿が映ったような気がした。
 ふと、我に返る。
 そんなことはあり得ない。二人は所詮、身分違いなのだから。
 エミリアはいつしか涙を流していた。気がつけば、ジャックは立ち上がり、エミリアの身体をそっと抱き締めていた。
 彼の温もりが伝わってきて、ドキドキしてくる。
「僕は君を助けてあげたいんだ。君の力になりたいといつも思っている」
「でも、あなたはきっとわたし達とは身分が違うわ。いつか、あなたは記憶を取り戻して、わたし達の前から去っていくのよ……」
「記憶が戻っても、僕は去ったりしない」
「そんなことないわ……。お祖母ちゃんだって……。わたしはそのうち一人きりになってしまうのよ」
 彼の腕の中にいることが心地いいからこそ、ここから離れたくなくなってくる。けれども、いつか別れは来るものだ。彼に頼ったとしても、そのときが来たら、エミリアは一人で何事にも対処していかないといけないのだ。
 だから、わたしは強くならなくちゃ……。
「エミリア、僕を信じてほしい」
 彼はエミリアの顎に手をやり、涙に濡れた顔を上げさせる。きっと、みっともない顔をしていることだろう。だが、彼はエミリアの泣き顔を笑ったりしなかった。
「君は……綺麗だ……」
「な、泣き顔なのに?」
「泣き顔でもさ」
 彼はエミリアにそっと顔を近づけ、唇を重ねてきた。
 初めてのキス……。
 エミリアは彼にキスされても何故だか驚かなかった。あまりにも自然に唇が塞がれていたからだ。
 けれども、それはほんの一瞬のことで、エミリアは生まれて初めて男性にキスをされていることを意識して、胸が高鳴った。
 ああ……わたし……彼のことが好き。
 ただの『好き』じゃなく、それはとても深い感情だった。他の人には感じたことのないものだと思う。
 彼もまたわたしのことを好きでいてくれているのかしら……?
 それとも、ただの戯れなの?
 ジャックは祖母を大事にしてくれる優しい人だ。確かに最初は鼻持ちならない嫌味な男だと思ったが、すぐにこの家のやり方に慣れたし、今はエミリアの気持ちも思いやってくれる。
 だから……戯れのはずはない。
 彼の舌がエミリアの口の中に滑り込んできて、内側を愛撫するように動いた。そして、エミリアの舌に絡みついてくる。
 鼓動が大きくなっていく。エミリアの身体はじんと芯が熱くなってきたようで、自分のそんな反応に戸惑いを覚えた。
 どうしてそうなるのかなんて、理屈は判らない。ただ、エミリアは彼とのキスを喜んでいた。そして、もっとキスを続けたかった。
 男女の間で何が行われるか、はっきりしたことは知らない。知識はおぼろげで、ただ男女が同じベッドに入ると、何か特別なことが起こるのだ。
 特別なことって……こういうことなの? 身体が熱くなり、彼と離れたくなくなってくる。つまり、こういう状態になるのかしら。
 永遠にキスをしていたい。永遠にこうして抱き締められていたい。
 気がつくと、エミリアは彼の背中に手を回していた。もっときつく抱いてもらいたかった。二人の身体がひとつに溶け合うまで、抱いてほしくてたまらない。
 その願いが通じたのか、彼はギュッと強く抱き締めてきた。
 気がつくと、エミリアは彼の舌に自ら舌を絡めている。自分がそんなことをしているなんて信じられない。しかし、そうせずにはいられなかった。彼に自分の気持ちを伝えたかったのだ。
 わたしはあなたのことが好きよ……と。
 だから、もっとキスをして、もっと抱き合いたいの。
 ジャックは唇を離し、エミリアを燃えるような瞳で見つめた。エミリアも彼を見つめ返す。まだこの時間が終わってほしくないと思いながら。
 彼はエミリアの頬を両手で包んだ。そして、掠れた声で告げる。
「僕は……君が欲しいんだ。欲しくて……欲しくて、おかしくなりそうだ」
 エミリアは彼の告白に戸惑った。
「わ、わたしが……欲しいの?」

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形式

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