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著者プロフィール
剛 しいら(ごう しいら)
6月9日生まれ東京都出身。魚座・A型。趣味は映画・舞台・格闘技・F1鑑賞。プラチナ文庫、ルビー文庫、アズ・ノベルズなどで作品を多数発表。
6月9日生まれ東京都出身。魚座・A型。趣味は映画・舞台・格闘技・F1鑑賞。プラチナ文庫、ルビー文庫、アズ・ノベルズなどで作品を多数発表。
解説
古傷で飾った逞しい体で、汚れた街――2013年東京――を生きる元ストリートギャングの鎧。力が支配する殺伐とした日常、笑いかけるのは右腕にいれた刺青の髑髏・トムだけ。ある日、鎧は美しい青年・玲央奈を拾う。何かに怯える彼を匿ううち、鎧は恋に陥る。己の猛った逸物で与える快楽と愛で、玲央奈にすべてを忘れさせようとする鎧。激情の赴くまま体を繋げ、蜜よりも甘い、青臭い液体にまみれる……。淫靡アクション・ロマンス!
抄録
「す、すいません」
俯く玲央奈の耳は赤くなっている。自分の無知を恥じているのだろう。
「悪いと思ってるんなら、キス、一回で許してやるよ」
鎧はさりげなく切り出した。
そんなこと出来ませんと突っぱねるかと思ったら、玲央奈は案外素直に顔を近づけ、鎧の頬にキスしようとしてくる。すかさず鎧は唇を差し出し、玲央奈の美しい唇を奪った。
思ったよりも唇はかさついている。長時間、外を彷徨(さまよ)っていたせいだろう。鎧は優しい気分になって、笑顔を見せた。
「素直に謝ったから…何でも聞いてやる。何か今すぐ欲しいもんあるか」
「温かいお茶を…飲みたいんですけど…」
玲央奈はかさついた唇にそっと触れて、恥ずかしそうに呟(つぶや)いた。
おかしなやつだと鎧は思う。見ず知らずの男とキスするのは平気なくせに、お茶を飲みたいと訴えることを恥ずかしがっているのだから。
「お茶って? そんなもんあったかな。コーヒーとか紅茶、日本茶、どれがいいの」
「紅茶を」
ますます恥ずかしそうに玲央奈は言う。これまで鎧が知っていた若い男達ときたら、水を飲むかペットボトルに入った飲み物を無造作に飲むだけだ。明らかに育ちが違うように感じて、鎧は少し気後れしていた。
「あるかな、そんなもん」
キッチンをかき回す。すると未開封のティーバッグが出てきた。殺された先の住人の残り物だなどとは言わずに、鎧は黙ってポットのスイッチを入れた。
「ティーバッグしかないぜ。それでもいい?」
「ありがとう。朝から…何も飲んでいなくて」
てきぱきと片づける鎧の手元を見ながら、玲央奈は初めて笑顔らしい笑顔を浮かべた。
そんな笑顔を見せられると、もう黙ってはいられない。鎧は再び玲央奈の顎(あご)を捕らえて、自分の方に向かせた。
「なぁ、何もかも話せなんて言うつもりはないけどさ。一つだけはっきりさせてくれないか」
「……」
「逃げてるんだろ?」
「……」
玲央奈は答えない。大きな二重の目で、じっと鎧を見つめ返すだけだ。
「ここに隠してやってもいい。飯も喰わせてやるし、欲しいもんがあれば買ってやる。ただし…」
抱かせろと言いたい。鎧はその言葉を飲み込み、代わりに態度で示した。
濃厚なキス。挨拶程度ではない本物のキスで、玲央奈の反応を窺った。舌を入れても拒否はされない。けれど自分から積極的に応える様子はなかった。
これでは否定されたのか受け入れられたのかもわからない。鎧はさらに強く玲央奈を抱き締め、執拗(しつよう)に唇で攻めた。
「んっ…」
やっと玲央奈の手が、鎧の体を引き離そうと動き出した。けれど鎧はさらに自分の股間でぐいぐいと玲央奈の体をキッチンに押しつけていた。
細い腰が直にぶつかる。相手が玲央奈でなければ、ここでズボンを脱がせてただちに一回目に突入していただろう。
「こういうことさ…分かるだろ。いやなら…いいさ。お茶だけ飲んで帰ればいい。レイプしないだけ、俺にしちゃましな方だ」
「何もしなかったら…僕を追い出すんですか」
玲央奈の不安そうな声が、鎧の中の凶暴な牡(おす)をますます煽(あお)り立てる。ご丁寧に相手の意向まで聞いている自分のまぬけさを呪いながら、鎧は玲央奈のシャツの中に手を突っ込んでいた。
「お前みたいな男と同じ家にいて、手を出さないなんて出来ると思うか。悪いけどさ。俺は紳士じゃねぇよ」
手に触れたのはひんやりとした体だ。微かにいい匂いがするのは、つけているコロンだろうか。腹部に手をやると、何日も何も食べていないかのようにへこんでいた。
肌はつるつるしている。それが実に官能的だ。全身がこんなだったら、一番触りたい部分もきっと弾力があってしっとりとした美肌で盛り上がっている筈だ。
「どうする? もうすぐ夜になるぜ。一人でふらふらと夜歩いてみろ。俺がここでやらなくても、誰かにレイプされちまうのがいいとこさ」
*この続きは製品版でお楽しみください。
俯く玲央奈の耳は赤くなっている。自分の無知を恥じているのだろう。
「悪いと思ってるんなら、キス、一回で許してやるよ」
鎧はさりげなく切り出した。
そんなこと出来ませんと突っぱねるかと思ったら、玲央奈は案外素直に顔を近づけ、鎧の頬にキスしようとしてくる。すかさず鎧は唇を差し出し、玲央奈の美しい唇を奪った。
思ったよりも唇はかさついている。長時間、外を彷徨(さまよ)っていたせいだろう。鎧は優しい気分になって、笑顔を見せた。
「素直に謝ったから…何でも聞いてやる。何か今すぐ欲しいもんあるか」
「温かいお茶を…飲みたいんですけど…」
玲央奈はかさついた唇にそっと触れて、恥ずかしそうに呟(つぶや)いた。
おかしなやつだと鎧は思う。見ず知らずの男とキスするのは平気なくせに、お茶を飲みたいと訴えることを恥ずかしがっているのだから。
「お茶って? そんなもんあったかな。コーヒーとか紅茶、日本茶、どれがいいの」
「紅茶を」
ますます恥ずかしそうに玲央奈は言う。これまで鎧が知っていた若い男達ときたら、水を飲むかペットボトルに入った飲み物を無造作に飲むだけだ。明らかに育ちが違うように感じて、鎧は少し気後れしていた。
「あるかな、そんなもん」
キッチンをかき回す。すると未開封のティーバッグが出てきた。殺された先の住人の残り物だなどとは言わずに、鎧は黙ってポットのスイッチを入れた。
「ティーバッグしかないぜ。それでもいい?」
「ありがとう。朝から…何も飲んでいなくて」
てきぱきと片づける鎧の手元を見ながら、玲央奈は初めて笑顔らしい笑顔を浮かべた。
そんな笑顔を見せられると、もう黙ってはいられない。鎧は再び玲央奈の顎(あご)を捕らえて、自分の方に向かせた。
「なぁ、何もかも話せなんて言うつもりはないけどさ。一つだけはっきりさせてくれないか」
「……」
「逃げてるんだろ?」
「……」
玲央奈は答えない。大きな二重の目で、じっと鎧を見つめ返すだけだ。
「ここに隠してやってもいい。飯も喰わせてやるし、欲しいもんがあれば買ってやる。ただし…」
抱かせろと言いたい。鎧はその言葉を飲み込み、代わりに態度で示した。
濃厚なキス。挨拶程度ではない本物のキスで、玲央奈の反応を窺った。舌を入れても拒否はされない。けれど自分から積極的に応える様子はなかった。
これでは否定されたのか受け入れられたのかもわからない。鎧はさらに強く玲央奈を抱き締め、執拗(しつよう)に唇で攻めた。
「んっ…」
やっと玲央奈の手が、鎧の体を引き離そうと動き出した。けれど鎧はさらに自分の股間でぐいぐいと玲央奈の体をキッチンに押しつけていた。
細い腰が直にぶつかる。相手が玲央奈でなければ、ここでズボンを脱がせてただちに一回目に突入していただろう。
「こういうことさ…分かるだろ。いやなら…いいさ。お茶だけ飲んで帰ればいい。レイプしないだけ、俺にしちゃましな方だ」
「何もしなかったら…僕を追い出すんですか」
玲央奈の不安そうな声が、鎧の中の凶暴な牡(おす)をますます煽(あお)り立てる。ご丁寧に相手の意向まで聞いている自分のまぬけさを呪いながら、鎧は玲央奈のシャツの中に手を突っ込んでいた。
「お前みたいな男と同じ家にいて、手を出さないなんて出来ると思うか。悪いけどさ。俺は紳士じゃねぇよ」
手に触れたのはひんやりとした体だ。微かにいい匂いがするのは、つけているコロンだろうか。腹部に手をやると、何日も何も食べていないかのようにへこんでいた。
肌はつるつるしている。それが実に官能的だ。全身がこんなだったら、一番触りたい部分もきっと弾力があってしっとりとした美肌で盛り上がっている筈だ。
「どうする? もうすぐ夜になるぜ。一人でふらふらと夜歩いてみろ。俺がここでやらなくても、誰かにレイプされちまうのがいいとこさ」
*この続きは製品版でお楽しみください。
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