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氷の伯爵【ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版】

氷の伯爵【ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル
価格:700pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アン・グレイシー(Anne Gracie)
 オーストラリア生まれ。スコットランド、マレーシア、ギリシアと、世界各国で過ごす。英国十九世紀摂政時代に興味を持ったのは十一歳のときで、果敢にも図書館でジョーゼット・ヘイヤーを借りたのが歴史ロマンス小説に接した最初の機会だった。現在はオーストラリアのメルボルンに住んでいる。

解説

愛など不必要な難攻不落の伯爵が、身分も財産も何もない私を……?

“氷の伯爵”の異名をとる独身主義のダレンヴィル伯爵マグナスが、年頃の令嬢を集めてパーティーを催し、花嫁を探すと言い出した。会場の手伝いをすることになった家庭教師タレイア・ロビンソンは、招待者の条件とやらを漏れ聞いて、伯爵の高慢さにあきれ返った。血統がよく、歯が丈夫で腰の大きい、気性が穏やかな貴婦人?まるで繁殖用の雌馬を探しているかのような言い草だわ!だがパーティーが無事に終わったとき、伯爵は思いがけず、その条件をまるで満たさない女性を花嫁に指名した。「ミス・ロビンソン、式はできるだけ早く執り行いたい……」

■華やかな令嬢たちをさしおいて、数合わせで晩餐会に呼ばれただけのヒロインが伯爵の花嫁に!?頑なに独身を貫いてきた伯爵が突如花嫁探しすることにした動機に、思わずにんまりしてしまいます。名作家アン・グレイシーの不朽の名作をどうぞお楽しみください。

*本書は、ハーレクイン文庫から既に配信されている作品のハーレクイン・ヒストリカル・スペシャル版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 彼は目をむいて歯ぎしりした。「あのボートでどこかに連れ去られていたかもしれないのだぞ」
「船です。ボートはもっと小さい――」
「わたしの話を聞いているのか?」マグナスは革のクッションをこぶしで叩いた。「あの男に薬をのまされて、外国に白人奴隷として売り飛ばされていたかもしれない!」
 タリーはまじまじと夫を見つめた。彼女も白人奴隷の話は聞いたことがあった。夜になると、女学校の寮でそういう話がささやかれた。でも、わたしの身に危険はなかった。浜にいるだれもがわたしがどこに行ったか知っていたんですもの。「でも、どうやって?」
「そんなことは簡単――」
「風が吹いていないから船はどこにも行けません」彼女は結論づけた。「だから、わたしたちはまだフランスに行けないんでしょう? お忘れになったんですか?」
 マグナスは答えに詰まってタリーをにらんだ。
 馬車はがたがた音をたてて走っていた。タリーは窓の外に目をやった。すでに町を遠く離れ、緑の生け垣や木が飛ぶように車窓を過ぎていく。タリーは馬車の速度にすっかり慣れてしまった自分に驚き、旅慣れた旅行者になったような気がした。
 タリーは夫である伯爵に目を戻した。伯爵はしかめっ面をして窓の外を見ていた。タリーはため息をついた。こんなにハンサムなのだからもう少し愛想よくすればいいのに。それなのに、伯爵はちょっとしたことで癇癪を起こす。でも、ミス・フィッシャーの女学校で育ったので、がみがみ叱られるのには慣れていた。タリーは再びため息をついた。
 マグナスはタリーを見た。タリーは首をかしげ、問いかけるようにほほえんだ。
 あのほほえみがそもそもの原因だ、マグナスはあとになってそう思った。タリーが自分の行動がいかに無謀で危険だったか、まるでわかっていないのは明らかだった。反省している様子はまったく見られない。マグナスはこらえきれなくなって、再び怒りを爆発させた。
「あのいかがわしい男に船で襲われたらどうなっていたと思うんだ?」彼は噛みつくように言った。「え? なにもできなかっただろう。男のなすがままだ! それを考えたことはあるのか? きみはなにもわかっていない。世間知らずもいいところだ」
「彼はそんなことをする人ではないわ」タリーは怒って言い返した。「万が一、そんな目に遭っても」きっと夫をにらむ。「自分の身は自分で守れます」
「どうやって?」
「それは――」タリーが言いかけると、マグナスはいきなり彼女に飛びかかって両腕をつかんだ。あっという間にその腕を背中にまわして彼女を馬車の座席に押し倒すと、上にのしかかって固く引き締まった体を押しつけた。タリーは驚きに目を見開いて、脚をばたばたさせた。
「こんなことをされたらどうするんだ?」マグナスはうなるように言った。「きみはどうすることもできない」マグナスはタリーの顔を食い入るように見つめながら、体を押しつけた。
 タリーはおなかになにか固いものが当たるのを感じ、身をよじって逃れようとした。夫の顔は恐ろしいほど真剣で、灰色の冷たい目でじっと彼女を見つめていた。タリーは肌に伯爵の温かい息がかかるのを感じた。伯爵はタリーの抵抗を無視して、片手で彼女の両手首をつかんだ。
「あの男にこんなことをされたらどうする?」彼は空いているほうの手でゆっくりタリーの胸を撫でた。
 タリーは驚いて息をのんだ。彼はいったいなにをしているの? わたしの体にこんなふうに触れるなんて。男性は女性の体にいかがわしいことをするとミス・フィッシャーから聞いてはいたけれど、そのいかがわしいことがどういうことなのかタリーはなにもわかっていなかった。こういう状況に置かれたときに、レディはどうすべきなのか心得ているつもりだった。でも、タリーはそうしたいのかどうかわからなかった。マグナスに触れられているととても気持ちがよくてやめてほしくなかった。今はまだ。
 温かい大きな手に胸をまさぐられ、タリーの体は喜びに打ち震えた。池にさざ波が立つように、胸から始まった快感が徐々に下へ下へと広がっていく。タリーは伯爵の愛撫にわれを忘れ、怖いほど真剣な顔をしている夫を見上げた。
「こんなことをされたらどうするのだ?」彼はくぐもった声でつぶやくと、タリーの唇を唇でふさいだ。
 タリーは目を閉じた。強く押し当てられた唇が、ゆっくりと彼女の唇を探索し始めた。伯爵の唇の柔らかく温かい感触に彼女はうっとりした。伯爵は唇を押し当てているだけではなかった。彼女の唇をそっと噛んだり、吸ったり……舌でなぞったりしている。タリーは喜びに身を震わせて、彼に体を押しつけた。
 上に覆いかぶさっている彼の体は恐ろしく重いはずなのに、その重みでさえ不思議と心地よく感じられる。伯爵は彼女の唇のあいだに舌を滑り込ませた!
 こ、こんなこと……で、でも、なんだかぞくぞくする。タリーは体がとろけそうになり、同時に張り詰めたものが沸き起こるのを感じた。
 伯爵はタリーの唇に再び舌を忍び込ませ、舌と舌をからませた。喜びが全身を駆け抜け、タリーは恍惚に身を震わせた。伯爵は腿で彼女を押さえつけ、舌の動きに合わせてゆっくりとじらすように体を押しつけてきた。けだるさと興奮と不安が入り交じる。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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