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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

大富豪の隠された天使

大富豪の隠された天使


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャサリン・ガーベラ(Katherine Garbera)
 フロリダで育ったのち、イリノイに引っ越した。テーマパークで知り合った夫との間に二人の子供がいる。高校時代水泳チームの練習中に物語を作り始めた。ジョージア州ロマンス作家協会マギー賞を受賞後、作家デビュー。ウォールデンブックスのベストセラーリストにも登場している。

解説

あの夜、授かった宝物のことは彼には言えない……。

会議室に入ったキャリは、窓際に立つ男性を見て胸の高鳴りを抑えた。一夜の情熱を交わした億万長者、デック。最後に会ってから1年半が経つ。彼に抱かれたときの記憶そのままの広い両肩と、引きしまった腰。甘い欲望が震えとなってキャリの体を駆け抜ける。だめよ。よけいなことを考えてはだめ。仕事に集中しなければ。「キャリ、うれしい驚きだ。今夜、夕食を一緒にどうかな?」欲望を秘めたまなざしで彼に誘われ、唇を奪われて、体の奥に火がついた。でもあの朝、ホテルの部屋に私を残して消えた彼をどうして許せるだろう?それに、彼女にはデックに隠している秘密があった。どう打ち明ければいいの?あの夜、赤ちゃんを授かったことを……。

■どんな女性にも執着しない冷酷なプレイボーイと一夜の恋におち、妊娠してしまったヒロイン。ひそかに彼の子を産み育てていたある日、思いがけず彼と再会して……。うっとりするような情熱的な愛の描写を得意とする、キャサリン・ガーベラの作品です。

抄録

 デックと向きあう心の準備はできていなかった。重ねられた彼の唇が動き、キャリを味わう。この感触が恋しかった。応えそうになる自分を、キャリは抑えた。デックは一夜かぎりの相手でしかなかった。それ以上の意味を求めるのは間違いだ。彼がキャリに興味を抱いている理由はただひとつ。セックスだ。
 出産してからキャリは、女性であるより先に母親であろうと努め、男性とのかかわりを断っていた。それなのにデックは、キャリの体の奥で眠っていた感覚をあっさりと目覚めさせた。欲望が波のように押し寄せ、全身を流れる血液が急に重くなったように感じて、体が燃えるように熱くなった。
 キャリはデックの首に両腕を投げかけた。おそらくこれが、ふたりに許されるただ一度の抱擁だ。あらゆる瞬間を楽しもうと、彼女は心を決めた。首を傾けて重ねた唇を動かし、デックの舌を受け入れる。デックがうめき、キャリはようやく主導権を奪えたように感じた。
 しかしそれも一瞬だった。ヒップをわしづかみにされ、彼の高ぶったものが下腹部に押しつけられると、キャリの胸の先端が敏感に反応した。
 母乳がもれだしたことに気づき、キャリは動揺した。デックに気づかれたのではないかと、唇を離して彼を見た。彼は目を閉じており、顔は欲望で赤く染まっている。
 彼の唇はいつもとてもやわらかかった。キャリは親指で彼の唇をなぞった。ヒップをつかんでいるデックの両手に力がこもったのがわかり、このままではとり返しがつかないことになると悟った。
 キャリは両腕を下ろし、ブレザーの前をかきあわせて、幼子を育てている証拠を――もれた母乳で濡れたシャツの胸が見えないようにした。
 キャリはため息をついた。仕事と子育ての日常にようやく慣れてきたところだったのに、〈プレイトーン・ゲームズ〉とデックのせいでいきなり嵐のなかへと投げこまれてしまった。赤ん坊をしっかり抱いて、この嵐が過ぎ去るまでどこかに隠れていたかったが、そんなことはできるはずもなかった。キャリは会社の日々の業務の責任者であり、できるかぎり多くの社員を守る責任があった。
 デックは目を開けて笑い声をあげた。「ぼくのキスはそんなにひどかったかな?」
「とてもよかったわ」キャリは正直に答えた。彼女は嘘をつくのが苦手だった。だがDJ――息子の父親の名前だけは、まだ姉たちにも話していない。デックと彼女の家族のあいだの確執を考えると、絶対に秘密にしなければならなかった。
「それならどうしてため息をついたんだい?」デックはキャリのヒップにあてた手に力をこめ、彼女をさらに引き寄せようとした。
 キャリは彼の胸に手をあてて距離を保ち、なしくずしにならないようこらえた。結局のところ、この会議室に足を踏み入れた瞬間から、いっさい主導権をとれてはいなかったと悟る。あとずさりしたキャリは、ドアにぶつかってよろけた。
 デックがキャリを支えようと手を伸ばしたが、彼女は首を振って拒んだ。「だめよ、デック。わたしたちは話しあう必要があるし、この状況は――」
「これは復讐のためではない」デックが言った。
「なんですって?」キャリはきき返した。そんなことは考えてもみなかったが、言われてみれば、トマス・モントローズの孫息子が復讐を誓った敵の孫娘を誘惑している状況だった。
「ぼくたちのあいだのことは、ビジネスにもお互いの家族にもいっさい関係がない。それを知っておいてほしい。これはきみとぼくの問題だ。ぼくたちだけの」
「そうね、いい考え方だわ」キャリはそう答えながらも、息子とふたりの姉、そして自分たちをとり巻く状況を思い浮かべた。現実には、ふたりだけの問題などということはあり得ない。
「こうしているのはぼくの意思だ。いとこたちに私生活まで指図されたりはしない」デックはキャリのほつれた髪に触れ、耳の後ろにかけてやった。「きみも、自分のことは自分で決めるタイプだと思っていたが」
「もちろんよ。侮辱しないで」キャリは続けた。「それで、わたしになにを望んでいるの?」
「ぼくにチャンスをくれないか? いとこたちや、この経営統合のことだけでぼくを判断してほしくないんだ。それは、ぼくたちのあいだにあることとはなんの関係もない。一年半前も、いまも」
 キャリはあいにく、デックのせりふをうのみにするほど脳天気ではなかった。「夕食はつきあうわ」
「ぼくが望んでいるのは夕食だけではないんだ。控えめな性格ではないものでね。ケルには、この顔立ちでは控えめになれるはずがないと言われたよ」デックは自分の顔を示しながら言った。
 デックは古典的なハンサムではなかったが、意志の強そうな顎やダークブラウンの瞳には、かつても、そしていまも、人の視線を奪う魅力がたしかにあった。「それを武器として使っているわけね」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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