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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ スペシャル

愛と哀しみの富豪一族

愛と哀しみの富豪一族


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツスペシャル
価格:900pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

解説

絶大な権力を誇る義兄から、私は逃れられない定めなの?

シェイは17歳のときにロンドンへ出てきて働き始め、社長であるライアン・ファルコナーの圧倒的な魅力の虜になった。やがて求められるまま純潔を捧げたが、ライアンは結婚を切望する彼女の気持ちを踏みにじった。“きみは、ただの愛人にすぎない”と冷たく言い放って。身も心もぼろぼろになったシェイは哀しみとともにそっと身を引いた。そんな彼女を救い愛してくれたのは、彼の末弟リッキーだった。しかし6年後の今、リッキーが不慮の事故で亡くなると、ライアンが再びシェイの目の前に現れ、厳しい声で命じた。「きみにはファルコナー家の屋敷でずっと暮らしてもらう」

■英国のエリザベス女王も認める作家キャロル・モーティマーによる、1985年に発表されながら長らく未邦訳だった貴重な長編作品がついに登場!誇り高きファルコナー家の傲慢な当主に翻弄され、愛にさまようヒロインを描いた究極のメロドラマをご堪能ください。

抄録

「でも、こんな時間に……」
「何か都合の悪いことでも?」かすれた声でライアンが尋ねる。
 もちろん、都合の悪いことなどあるものですか! 「どこへ行くの?」シェイは喘ぎながら尋ねた。
「どこへでも、運命の命ずるままに」ライアンの返事は驚くほど熱がこもっていた。「シェイ……?」
「はい?」ライアンは脚が触れそうなほど近くに迫っている。
「きみは運命を信じるかい?」
 今夜からは、なんだって信じるわ! 「たぶん」彼女はうなずいた。
 ライアンは不意に口元を大きくほころばせた。そうしていると、実際より若く見える。彼は片手をシェイの手首へ滑らせ、しっかりと握った。「なら、運命がぼくたちに何を用意してくれているのか、確かめてみようじゃないか」挑むような口調で、彼は言った。喉から手が出るほど自分が欲しがっているものを奪えるものなら奪ってみろと、運命に向かって啖呵を切っているみたいだ。しかも、彼が欲しがっているものとは、他でもないシェイなのだと。
 人生を挑戦の場と考え、常に自分自身を崖っぷちにさらしているような男性とは関わらないほうが賢明だ。傷つけられないうちに、さっさと逃げるべきだ。けれどシェイは逃げなかった。ライアンに引きずられるまま、彼女は人で賑わうパーティー会場を抜け、エレベーターに乗せられ、車に押し込まれた。ライアンに負けず劣らず向こう見ずな気分になっていた。
 車の中で、二人は終始無言だったが、沈黙は決して気詰まりなものではなかった。ライアンが投げかける微笑に、シェイの胸にはひそやかな甘い期待が膨らんでいった。
 ライアンはリージェント・ストリートの近くで車を停めた。手をつなぎ、きらびやかなクリスマスのイルミネーションに彩られた通りを歩きながら、二人はまるで子供のようにあちこちの店のショーウィンドーをのぞいては、明日の朝ツリーの下にこんなプレゼントが置いてあったら嬉しいな、などとはしゃいでいた。
「けど、ぼくが本当に欲しいのは」ライアンが不意に低い声でつぶやいた。「紫色の目をしたアイルランドの妖精だ」
 抱き締められた瞬間、シェイの頬がかっと熱くなった。太ももがぴったりと押し当てられ、ライアンの高ぶったものがはっきりと感じられた。「私は、妖精にしては背が高すぎるわ」そう答えるのがやっとだった。
「だったら“小人”と呼ぼうか」ライアンがからかうように言う。
「同じことだわ」シェイはむっつりと言い返した。「それに、クリスマスの朝は、アイルランドの家のツリーの下でプレゼントを開けるつもりなの」
「それは残念だ」ライアンは低い声でつぶやき、彼女を離した。「これからどうしようか?」
 かなり遅い時間になっていることに気がつき、シェイは顔をしかめた。「いつもなら、午前二時にはベッドの中で――」彼女は途中ではっと口をつぐんだ。これではまるで彼を誘っているようだわ。
「いい考えだ」ライアンが面白そうに言った。「きみのベッドで? それとも、ぼくのベッドがいいかい?」濃い金色の眉をすっと吊り上げる。
「どちらでもないわ」シェイは喘ぐように言った。「ミスター・ファルコナー、後先も考えずあなたとパーティーを抜け出したけれど」強い口調にアイルランド訛りが戻っていた。「だからといって、私が嬉々としてあなたのベッドに飛び込むと思ったら大間違いよ!」
「どこが間違っているんだ? きみはそれを望んでいるんだろう」ライアンの言葉は質問ではなく、宣言だった。「あの日、タイプ室でぼくと目が合った瞬間から、きみはそれを望んでいたはずだ」
「あのときから、私を見ていたの?」シェイは驚いてライアンを見上げた。
 ライアンが唇の端をきゅっと吊り上げた。「紫色の目をした妖精なんて、めったにお目にかかれるものじゃないからね。とりわけ、物欲しげな瞳でじっとこちらを見つめてくる妖精には。だから、きみの名前をすぐに調べたんだ。シェイ、あの日のぼくはきみのお気に召したかな?」
 シェイは舌の先で唇を湿らせた。ライアンの熱い視線を受けているうち、頬がますます火照ってくる。
「今夜のぼくは、きみのお気に召しているかい?」強いまなざしがシェイを促す。
「ミスター・ファルコナー、どうか――」
「シェイ、ぼくはきみの滑らかな肌を悦びに震わせ、その体をくまなく味わい、ぼくの体をきみに隅々まで味わってもらいたいんだ」シェイの唇を見つめながら、ライアンがゆっくりと上体をかがめた。
 ライアンの言葉にシェイは全身をわななかせ、唇を開いて彼を待ち受けた。滑らかな舌が深く侵入し、彼女を誘った。街灯も柔らかに降りかかる雪も通りの喧噪も、何もかもが消え失せ、激しいキスに溶けていく。やがてライアンが唇を離した。
「シェイ、うちに行こう」ライアンが額をシェイの額に押し当て、かすれ声で言った。彼の肌は温かく、汗ばんでいた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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