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秘書は秘密の恋人 独身富豪クラブ II

秘書は秘密の恋人 独身富豪クラブ II


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス独身富豪クラブ
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ミランダ・リー(Miranda Lee)
 オーストラリアの田舎町に、四人兄弟の末っ子として生まれ育つ。スポーツが大好きな子供で、本を読むよりは外で遊ぶほうが好きだったという。父は教師、母は才能あるドレスの縫製師という家庭に育ち、全寮制の学校を出てクラシック音楽の勉強をしたのち、シドニーに移った。幸せな結婚をして三人の娘に恵まれたが、家にいて家事をこなす合間に姉エマ・ダーシーのすすめでロマンス小説を書き始める。趣味は幅広く、長編の物語を読むことからパズルを解くこと、そして賭事にまで及ぶ。小説を書くときのアイデアは、普段読む新聞、雑誌、小説、伝記、テレビ、そして少なくとも週に一度は見に行く映画から得る。現実に自分のまわりにいる人たちを登場させることはなく、“いつ私をヒロインにしてくれるの?”という娘たちの問いかけに、“決してないわ”と答えつづけているという。

解説

永遠を求めないこの秘密の関係が、どうか永遠に続きますように。

ハリエットは不動産開発会社を経営するアレックスの秘書。恋人が数カ月単位で替わる遊び人の彼に、密かに憧れている。ボスの魅力に惑わされてはだめよ。彼女は自分を叱りつけた。私が求めているのは誠実な男性との愛に溢れた結婚なのだから。ある日、彼から急な出張への同行を求められたハリエットは、宿泊先の豪華なホテルのスイートルームで、アレックスから思いがけない提案をされて衝撃を受ける。結婚も恋愛も抜きで、週末だけの恋人関係を結ばないか、というのだ。拒否するべきとわかっていても、彼への想いは止められず……。

■ミランダ・リーらしい軽妙洒脱な筆致が冴えわたる、ゴージャスな独身富豪ボスと無垢な秘書のロマンスをお楽しみください。

抄録

「どうだ?」アレックスが並んで立つ。
「いい物件になるでしょうね。人工池も森もすてき。ただ、この調子だとクリスマス前の完成は無理だわ」
 アレックスが眉を曇らせた。「そうだな。ここまで天候にじゃまされると、腹が立つ」
「思いどおりにならないのが自然でしょう」
「近ごろは何もかも思いどおりにならないよ」アレックスがぶつぶつ言った。
 異変が起きたのはそのときだ。アレックスがふいにハリエットに向き直った。スカイブルーの瞳に、今朝も見た気がしたあの表情が浮かんでいる。強い欲望、いや、飢餓感だ。ハリエットは両手を力なく垂らし、高鳴る胸を抑えて彼を見つめ返した。
 こんなふうに求められるのはいやだと、心の半分は抵抗していた。このままではアレックスも、過去に関係を持った“背が高すぎ、外見がよすぎ、金持ちすぎる”男性の一人になってしまう。でも、彼の欲求は見誤りようがなかった。『三匹の子豚』に出てくる悪い狼さながらの、ぎらつく視線。
 情けないことに、自分は煉瓦の家を造った賢い豚ではなく、藁で家を造った浅はかな豚のような気がした。狼のひと息で吹き飛んでしまうだろう。
 あるいは、狼のキス一つで。
 何も言わずに歩み寄ったアレックスに抱きすくめられたとたん、ハリエットの自制心は砕け散り、唇と唇が触れ合った。顔を仰向けて、両腕を彼の首にからめると、胸のふくらみが分厚い胸板に押しつぶされた。キス一つにこれほど翻弄されるのは初めてだ。体の奥で欲望がマグマのようにわきたち、はずむ息に唇が開く。彼の腕が体に回され、舌がすべりこんできた。
 キスされたことは何度もある。中にはキスの上手な男性もたくさんいた。だが、アレックスのキスはまるで違っていた。舌が前後に、次いで上に動き、感じやすい口蓋をくすぐる。快感と興奮に、思わず声がもれた。やめてほしくない。大きな両手が背中を撫で、背骨に沿って上下するのも刺激的だった。やがて片手がうなじに落ち着き、もう一方の手は腰をぐっとつかんで、こわばった下腹部に引き寄せた。彼のほうも興奮しきっているのがわかり、めまいがしそうだ。
 そこでけたたましいクラクションと耳ざわりな野次が響きわたり、アレックスがさっと身を引いた。荒い息をつきながら、ティーンエイジャーをぎゅうぎゅう詰めにした車が通り過ぎていくのをにらみつける。いきなり解放されたハリエットは目を見開くと、息をはずませ、顔を上気させたまま立ちつくした。
「まったく」アレックスが毒づき、短い金髪を乱暴にかきあげながら呼吸を整えた。そして頭を一つ振り、切りたった崖へ向かって大股に歩いていった。
 ハリエットはその場にとどまり、アレックスの背中を見やった。体がふらつき、小さくわなないている。男性と初めてキスした直後にその先へ進みたくなるのは、めったにない経験だった。もっとも、相手は並みの男性ではない。アレックスだ。私のボスだ。
 崖の下をしばらく眺めたあと、アレックスが振り返ったが、距離は詰めなかった。
「あんなことはするべきじゃなかった」しぼり出すような声で言った。「するつもりはなかった」
「だったら、なぜ?」
 アレックスが乾いた笑い声をあげた。「とぼけないでくれ、ハリー。世間知らずの小娘じゃあるまいし。男女のなりゆきはわかっているだろう? 白状するが、こっちは君が初めてオフィスに現れた日からうずうずしていたんだ」
 ハリエットは目をしばたたいた。「えっ? まさか、面接のときから?」
「ああ、君の採用面接だ。あの時点でいやな予感はしていた。だが、きっと手を出さずにいられるはずだと自分に言い聞かせた。他人の恋人を横取りしたことはないから」アレックスが深々と息を吸いこみ、ゆっくり吐き出した。顔には自嘲するような表情が浮かんでいる。「ところが、今週になって運命のいたずらに巻きこまれた。僕はリサと別れ、君はドウェインと別れた。もし君を抱きしめなかったら、そしてそのあとコーヒーに誘わなかったら、こんな展開にはならなかっただろう。二人きりになる機会を作ったりもしなかったはずだ」
 混乱した頭で最後の言葉を理解するには、少し時間がかかった。
「この“出張”は私をたらしこむための策略だったということ?」自分でも数日前に思いついたが、ありえないと打ち消した可能性だ。
 アレックスが肩をすくめた。「ああ。本当は君に留守中の監視を頼む必要などなかった。すべて、二人きりになるための口実だ。“たらしこむ”という表現は引っかかるが」
「じゃあ、なんと表現すればいいの?」ハリエットは怒りをあらわにした。「私があなたと男女の関係になりたがっていないのは、誰よりも知っているでしょうに。あなたは私のボスなのよ!」
「さっきキスしたときはいやがらなかったじゃないか」アレックスが真っ向から切り返した。「だが、そんなことはどうでもいい。こっちもだんだん冷静になって、君を……そう、“たらしこむ”のはやめようと思った。好きに言えばいい。それで君のやましさが薄れるなら」
「私は一つも悪くないわ。あなたのほうからキスしたのよ!」
「悪いよ。そんなセクシーな格好で現れて。おかげでこっちは朝から、君と愛し合うことしか考えられなくなってしまった」


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