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神殿奴隷〜捧げられた巫女〜

神殿奴隷〜捧げられた巫女〜


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・デジタル
価格:200pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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解説

エジプトの巫女見習いのティアは、王子の婚礼の儀を前に神殿へ向かっていた。その身に女神アスタルテを乗り移らせ、王子と交わる“神殿奴隷”の務めを果たすために。行為の最中、体現する快楽は人間の女のそれをはるかに超えるものだという。だが、ティアはまだ女としての悦びを知らなかった。体を清めて化粧を施され、香の焚かれた部屋で待っていると、やがて、たくましい王子が現れた。欲望を漲らせた目でティアを舐め回すように見る。そのとき、吹きつけた一陣の風が薄いローブをなびかせ、豊満な胸の膨らみを月光の下にさらけ出した。ティアは感じた――意志とは無関係な何かに、体が支配されるのを。清らかな乙女から、なまめかしい“女”へと、己が急激に変貌するのを。「お待ちしておりました」艶やかな笑みで応えたその女は、情欲の業火でたちまち王子を貪りはじめた。

抄録

 ティアは彼の足取りを腹部の奥でとらえていた。まるで自分がおのれの美貌で、夜にも匹敵する美しさで彼を引き寄せている気さえした。それどころか夜の美しさも、星空を渡る月の美しさもこの美貌に手を添えてくれている。夜も月も女神が支配しているものだ。すなわち女神は事実上すでに目の前の男を手中に収めている。ティアは女神が自分の背後で大きく姿を現し、ほほ笑んでいるのを感じていた。吹きつけた風がティアのローブの薄い生地をなびかせ、胸元を開かせて、片方の胸の膨らみを月光の下にさらけ出した。自分の体が甘美な温もりを発しているのはわかっていた。官能のオーラに包まれている。抗いがたい魅力をたたえている。
「レディ・ティアネフェット」ネクヘトが落ち着かないようすで咳払いをした。
 突如また少年のようにそわそわしだした王子を見て、ティアはうれしくて思わず笑いそうになった。けれども笑わなかった。「お待ちしておりました」
「レディ・イリャナに財布を持ってきた」ネクヘトが革の袋を差し出した。「石代として。この神殿の」
「彼女はここにはおられません」ティアが言った。「代わりにわたしがお預かりしておきます」ネクヘトが袋をティアに渡した。ずしりと重かった。「わたしには重くて持てそうにありませんわ。女ですから。神殿まで運んでいただけますか?」
「もちろんだとも」ネクヘトはやるべきことがあってほっとしたようすだった。
 ティアは、王子を先に聖なる区域に通そうと門の脇に寄った。王子が通り過ぎる際、彼のむき出しの腕に花弁のように柔らかな胸の頂が触れるよう、わずかに身を乗り出す。一瞬彼の足が止まったのがわかった。ひょっとすると裸であることに驚いたのかもしれない。胸にオイルを塗っているのだろう。王子の匂いが感じられた。ヒマラヤスギとマツ、それに日向で働き続けた筋肉のたくましい匂いだ。
 門の中に入ると、ティアは、胃が空腹に震えるように激しい情熱に自分が思うままに操られるのを感じた。王子を先導して前を歩き、影に覆われた庭を抜けて、女神の祭壇が放つ柔らかで温かな光の中へ向かう。そこは青と深い紫の闇の中に黄色く浮かび上がっていた。
 ネクヘトはエジプトの王子。どれだけ玉座から離れた立場にあっても、王者の威厳と神々しさは香水のごとく体に染みついている。彼の父は地上における太陽神ラーの魂。正しき真実の雄牛。その力は間違いなく彼の体にも流れている。ネクヘトが異国の王女と結婚するのはティアも知っていた。そしてそれが心から望んでのことでないということも。偉大なるファラオは子供たち全員を異国の王子や王女と結婚させてきた。そうやって諸国と同盟を結んできたのだ。ネクヘト王子の心もその王女のもとにはない。それどころかこれまでどんな女性にも属したことはない。
 香り立つ庭を通り抜けながら、王子の視線が自分の腰に釘付けになっているのをティアは気づいていた。身につけているローブはないも同然のものだ。歩きながら腰が揺れるのはきっと女神の仕業だろう。そうに決まっている。ティアはすでに興奮で湿っていた。胸も張って重くなり、頂が薄いローブの生地からくっきりと浮き上がっている。
 ティアは祭壇に向かう扉の前で足を止め、ネクヘトが先に入るのを待った。けれど彼もまたそこで足を止めた。
「この女神のことは噂で聞いている」ネクヘトは言った。「彼女の巫女のことも」
 ティアは頭を下げた。「何をお聞きになったのでしょう、王子?」
 ネクヘトはティアを見つめたまま、言った。「彼女たちは、女神の神殿にやってくる男たちと寝るのだと。これは真実か?」
「その通りです」口にしたのはそれだけだった。それでも顔がほてって熱かった。
「どうやるのだ?」ネクヘトは尋ねた。
「お尋ねになる必要がありますか、王子?」
 虚をつかれたのだろう、ネクヘトは笑い声をあげた――短く落ち着かない声を。「いや」彼は言った。「それで、何かしら儀式を行う必要はあるのか?」
「儀式はありません。少なくとも今夜は。女神が巫女に降臨すれば、巫女は女神、偉大なる貴婦人と一体になります。そうなって初めてあなたは巫女の中に入れるのです。そうならない限りは入れません」
 返事がないまま、二度胸の鼓動が鳴った。やがてネクヘトが手を持ち上げて、ティアの胸に触れた。黄色い光の中で、庭の木々を照らす月明かりのように彼の声が柔らかく注いだ。「では女神に降りてきていただこう、レディ・ティア。そうすればわたしもそなたの中に入れる」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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