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無邪気なシンデレラ【ハーレクイン・セレクト版】

無邪気なシンデレラ【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

田舎の小さな店で、19歳のサッシーは身を粉にして働いていた。横柄な店長からこき使われ、嫌がらせを受けようとも、病床の母と幼い義妹を養うためには耐えるほかなかった。ある日、近所に引っ越してきたばかりだという、ジョンと名乗るハンサムな男性が店にふらりとやってきた。それ以来、彼は何くれとなくサッシーを気遣い、ついには店長の横暴な振る舞いを諫め、救いだしてくれた。なんて素敵な人なのかしら。サッシーは初めてのときめきに戸惑いつつ、ジョンへの想いをつのらせていった──実は彼が世界的な億万長者で、雲の上の存在だとも知らずに。

■ロマンス界の最重鎮ダイアナ・パーマーが描く、貧しくも純粋な娘と年上の億万長者とのせつないシンデレラ・ロマンスをお届けします。極貧にあえぐヒロインのひたむきな想いは、無残にも……。
*本書は、ハーレクインディザイアから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 サッシーは頬に触れるジョンの指のかすかな感触に息をのみ、身を震わせた。「そんな人もいるかもしれないけれど、ほとんどの人は誰かを傷つけようなんて考えていないわ」
 ジョンが冷ややかに笑った。「本当にそう思っているのかい?」
 彼の表情はなにかを物語っていた。「誰かに傷つけられたことがあるのね?」ジョンを見つめるサッシーの目に奇妙な光が宿った。「女性でしょう。もう何年も前のことだわ。あなたはそれを誰にも話さずに心の奥底にしまいこんだ。そのせいで人を遠ざけている」
 ジョンが眉をひそめ、身構えるように言った。「きみはぼくのことを知らないはずなのに、なぜわかる?」
「わからない」サッシーのグリーンの瞳の色が深くなり、鋭い光を放った。「だけど見えるの」
「人の心が読めるなんて言わないでくれよ」ジョンが皮肉めいた口調で言う。
 サッシーは首を振った。「顔の皺を読むこともできるわ」
「なんだって?」
「あなたの眉間の皺は笑い皺より深い」サッシーは鋭い霊感を祖先から受け継いでいたが、ジョンにそれを知られて敬遠されたくなかった。「つまり、あなたは作り笑いばかりしなければならない立場にいるということよ。家に帰ったときは仕事のことを忘れたほうがいいわ」
 ジョンはサッシーの顔を見据えた。言葉が出てこなかった。この若さで、なんて深い洞察力を身につけているのだろう。
 サッシーが深いため息をついた。「人のことに口だしするつもりはなかったけれど、不幸な人を見ているのはつらいわ」
「誰が不幸だと言った」ジョンはいきり立った。「ぼくは幸せだよ」
「それならいいけど」
 ジョンはサッシーをにらんだ。「女性に裏切られたというだけで、欠陥があるわけじゃない」
「どんなふうに裏切られたの?」
 兄にさえ話したことのない過去の出来事を、知りあってまもないこの若い女性に話せというのか。ジョンはサッシーに憤りを覚えた。その一方で、今も胸の奥に巣食うわだかまりを人に打ち明け、これ以上心がむしばまれるのを食いとめたいと思っている自分に気づいた。
「婚約した女性に恋人がいたんだ」
 サッシーは無言のまま、ジョンを見つめている。
 ジョンは苦しげな表情で言葉を続けた。「ぼくは彼女に夢中で疑いさえしなかったが、彼女は週末になるとよく女友達と旅行に出かけていた。あるとき、彼女が女友達と釣りを楽しんでいるはずのレッドロッジに、車を飛ばして行ってみたんだ。レッドロッジは小さな町だ。彼女がチェックインしたホテルはすぐに見つかり、ぼくは彼女が男とそこに泊まっているのを目のあたりにしたというわけさ。恋人と一緒にロビーにおりてきた彼女がぼくの姿を見つけたときの顔といったら、見ものだったよ」
「彼女はなにか言った?」
「なにも。唇を噛んで、その男とは関係がないというふりをしたが、ぼくはそのまま家に帰ったよ。惨めだった。あとで彼女から連絡があったが、なにも話す気はなかった。話しあってもどうにもならないこともある」
 サッシーには黙っていたが、ジョンはのちに彼女の交友関係をひそかに調査し、資産家の男ばかりを手玉にとっていた事実を突きとめた。彼女はジョンではなく、ジョンの財産が目あてだったのだ。一緒に週末旅行に行った億万長者が本命で、ジョンは二番手だったが、結局彼女がどちらも失うはめになったのは自業自得というほかない。だがこの苦い経験によって、ジョンは女性不信に陥った。近寄ってくる女性たちはすべて財産に興味があるだけではないかと、疑わずにいられなくなったのだ。
「もうひとりの男性はお金持ちだったの?」サッシーが尋ねた。
 ジョンは唇を引き結んで答えた。「ああ、大金持ちだったらしい」
 ためらいがちに、サッシーが小さな手でジョンのシャツの胸もとに触れた。「つらかったでしょうね。でも、あなたはお金持ちじゃなくてラッキーだったのよ」
「どういうことだい?」
「あなたとつきあっている女性が、本当はあなたのお財布目あてで近寄ってきたのかもしれないなんて疑わずにすむわ」彼女が無邪気に言った。
「つきあっている女性はいないよ」ジョンはうわの空でこたえた。意識は胸もとに触れるサッシーの指に集中していた。彼女のなにげないしぐさに、体の奥がさざ波のように震えた。
「まさか。冗談でしょう? あなたはとてもハンサムだし、男らしくて頼もしいわ。子供好きで、犬にも愛されている」サッシーはいたずらっぽく目を輝かせた。「それに牧場で働いているんだから、動物愛好家でしょう?」
 彼女は両手をジョンの厚い胸にのせ、引きしまった筋肉をシャツの上から撫でた。ジョンの体を熱いうずきが駆け抜け、ブルーの瞳に欲望の炎が宿った。
 ジョンは唐突にサッシーの手をつかみ、シャツから引きはがした。「やめてくれ」にべもなく言い放つ。彼女がその言葉をどう受けとるか、考える余裕はなかった。自制心を失いそうだったのだ。本当はサッシーを抱き寄せ、美しい唇を奪いたかった。
 サッシーは自分の大胆さに驚いて体を離し、頬を染めた。「ごめんなさい。男の人にこんなことをしたのは初めてなの……本当にごめんなさい!」
 彼女は背を向けると、通路を走り抜けてカウンターに戻った。電話機をとりあげ、顧客に注文の品が入荷したことを告げる電話をかける。忙しいふりをせずにはいられなかった。
 ジョンは自分を呪った。後悔してももう遅い。恥をかかせるつもりなど、これっぽっちもなかったのに。彼女に触れられ、欲望をかきたてられてしまったのだ。サッシーが欲しい。やさしさに満ちた魅力的な体を抱きたくてたまらない。だからああするほかなかった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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