マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

億万長者の無垢な薔薇

億万長者の無垢な薔薇


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★☆☆1
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 メイシー・イエーツ(Maisey Yates)
 ロマンス小説を書く前から、熱心な読者だった。自分のヒーローとヒロイン作りが楽しめる今の幸運が信じられないという。オレゴン州南部の自然の中で、通りの向かいに住む両親の手を借りながら、夫と幼い3人の子供と共に暮らす。朝起きて家の裏口に熊を見つけるような生活と、自宅で書くエキゾチックな街で起こる物語との落差を楽しみながら、執筆に励んでいる。

解説

甘美な夢に溺れていたい――あなたの記憶が戻る日までは。

父の命令に従い、ローズは愛なき結婚をした。夫となったのはレオン・カリディス――情熱的な黒い瞳の、傲慢でセクシーな億万長者だ。ローズはさえない少女だった頃から密かに彼に恋していたが、結婚式の夜、汚れなき妻の待つ部屋にレオンは現れなかった。それから2年経ってもレオンは外出がちで、妻に指一本触れなかった。惨めで孤独な日々に耐えかねたローズが離婚を決意した矢先、レオンは交通事故に遭い、いっさいの記憶を失ってしまう。別人のように優しい彼は激しく妻を求め、ローズは甘い衝撃に震えた。

■記憶を失った夫レオンに誘惑され、15年来の憧れの人である彼とついに結ばれたローズ。記憶喪失という運命のいたずらにより不幸な結婚に光が宿る、熱く切ない愛の軌跡をご堪能ください。

抄録

「次の質問。これは死ぬほど知りたい。君はいくつなんだ?」
 ローズはさらにカトラリーをいじった。
「二十三よ」
「二十一のときに結婚したんだね」
「二十のとき。誕生日の直前だったの。だから結婚して二年とちょっとね」
「まだ若かったのに」
 彼女は肩をすくめた。「父の命がもう長くないって、私たちは知っていたから。あなたと一緒なら私は守られていたし、父がとても喜ぶこともわかっていた。私たちは父の考えに反対したくなかったの」
「そしてお父さんが亡くなって……僕はパーティーに明け暮れた。大学を諦めた君を、この屋敷に一人残して……」
「あなたは助けてくれたわ。父が亡くなったときに。私を見捨ててパーティーにばかり行っていたわけじゃない。私を支えて、感情的になって何もできなかった私に代わって、いろんなことを片づけてくれた」
 レオンのほっとした顔を見ると、ローズの心の奥底にある何かが動いた。「何もしないよりはましだったのかな」
「それに、ずっと家族の歴史を整理しているの。家系図をたどると、建国の時代にまでさかのぼるわ。とても奥深くて……複雑なの」
「すごいね。僕は君を置き去りにして、君は大好きな古い家具に囲まれて、黴臭くなっていたのか。僕はなんて心が広いんだろう」
「すごくなんかないわ」彼女の胸が締めつけられた。そのとおりだったからだ。父が他界すると、レオンは結婚前と同じ生活に戻った。彼は妻に触れたことがなかった。ただの一度も。そして他の女性たちと寝ていたのだ。それは知っていた。ローズは決して盲目ではない。ゴシップ誌にもいろいろと書きたてられた。気の毒なタナー家の相続人とその奔放な夫。しかし、それを彼に言うつもりはない。目の前にいる人には言いたくなかった。
 レオンに本当の姿を教えて、がっかりさせたくないとは、まったく不思議な話だ。
「君は正直になっていない」
「今、事実を話すのが正しいとは限らない」
 レオンは立ち上がると、ローズの前にひざまずいた。二人の目線が同じ高さになり、二人の距離が縮まると彼の肌からは石鹸の香りが漂い、体温を感じた。ローズは彼に触れたい衝動に駆られた。二人の距離を縮めたかった。しかし、座ったまま動けなくなってしまった。
 彼女のほうから距離を縮める必要はなかった。レオンは手を伸ばすと両手で彼女の顔を包み、自分のほうへと引き寄せた。「それなら今から事実を作ればいい。僕らが新しい人生を歩めないはずはない。君が話してくれた夢は、僕も気に入ったし」
「まだ仕事に復帰していないからよ。あなたは……療養中だから。私以外に気を引くものが何もないだけ」
 彼の深いまなざしが激しさを増した。「君は僕を子供扱いしている」
 ある意味、彼は子供だった。ある意味ではずっとそうだった。おもちゃに飽きるとすぐに次のおもちゃに手を伸ばす。新しくて、いちばん輝いているおもちゃに。少女のころはそれが楽しいと思っていた。派手な車に、クールな服、そして父のパーティーに連れてきた美しい女性たち。しかし、しだいに激しい嫉妬心が心の奥深くに生まれ、あの女性たちになりたいと思うようになった。
 ローズが虜になった瞬間だった。レオンを愛していると気づいた瞬間だった。彼の輝く微笑みの裏に黒い影を垣間見たときや、彼女の心の奥深くを見抜かれたときも、彼への愛を感じた。
 彼女の前を素通りせずに、視線を送られたときも。
「私は……」
「僕は子供じゃないんだよ」レオンの沈んだ声は魅惑的で、顔を背けることができなかった。
 彼女が何かを言おうとしたとき、反論しようとしたとき、息をしようとしたとき、レオンは二人の距離をさらに縮め、キスをした。ローズが味わったことのないキスだった。彼は結婚式以来、一度もキスをしなかったし、彼以外の男性とはキスをしたこともないのだから。
 レオンの唇は熱く、力強く、迷うことなく彼女の唇に重なった。甘く滑らかな舌が唇を割り、彼女の口の中へ滑り込んだ。レオンの唇が触れた瞬間、彼女の乳房は膨らみ、体の芯が鈍くうずきだし、彼を求めた。
 ローズは溺れていた。この状況に。レオンに。欲望に。彼の意のままにされていた。
 そんなことはもうどうでもよかった。大きな波にのみ込まれてしまい、抵抗する気など失せていた。欲望に操られるがまま、応え、そして動いた。
 ローズは貪欲に彼を求めた。ずっと求めていたものだった。両腕を彼の首に巻きつけ、椅子から身を乗りだして乳房を彼の胸に押し当てると、まるで解き放たれたようにため息をついた。レオンと溶け合いたかった。ずっとこのままでいたかった。
 キスに酔いしれていた。ある種の狂気に襲われているような気がする。彼の素肌を感じたい。二人の間を隔てるものはすべて取り払ってしまいたい。彼の記憶なんかどうでもいい。肋骨が折れていたって構わない。結婚式の誓いの言葉を裏切られたことも、どうでもいい。それまで傷ついたことも、苦しんだことも、すべてどうでもよかった。
 他のことはどうでもよかった。ついに彼とキスをしている今は。


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。