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新婚なのに旦那様が素敵すぎて困りますっ!!〜溺愛王子と甘い蜜月〜

新婚なのに旦那様が素敵すぎて困りますっ!!〜溺愛王子と甘い蜜月〜


発行: ヴァニラ文庫
シリーズ: ヴァニラ文庫
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★☆2
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解説

「他の誰にも触れさせたらだめだよ……いい?」
幼なじみで両片思いのすれ違いドキドキ新婚生活は……?

幸せなはずの蜜月なのに、まだ本当に彼の花嫁になれていないなんて! リゼットは、婚約者で第二王子のセドリックと3年振りに再会し、結婚。魅力的な男性に変貌していた彼にドギマギが止まらず、初夜で優しく触れてくれる手を拒絶してしまう。嫌われたくないリゼットは初夜をやり直すための秘策を実行することに! 一方セドリックも何やら企んでいるようで……?

※こちらの作品にはイラストが収録されています。
 尚、イラストは紙書籍と電子版で異なる場合がございます。ご了承ください。

抄録

「リゼット」
 今まで聞いたことがないような大人びた声で名前を呼ばれ、どきりと胸を跳ねさせたリゼットに、またセドリックの顔が近づいてくる。
(あ…………!)
 リゼットにもようやく思い当たるところがあり、今度こそ顔を伏せるのではなく、そのまま目を閉じようとした瞬間、二人の前にある扉の向こうから声がした。
「セドリック、来たのか? 入っていいぞ」
 セドリックとよく似た──しかし、彼よりもっと落ち着いた大人の男性の声に、リゼットは慌ててセドリックから飛び退く。
 セドリックもまるで表情を隠そうとするかのように、頭を軽く左右に振って柔らかな金色の髪を揺らし、リゼットに背を向けた。
「ちょっと行ってくるから、ここで待ってて」
 直前に彼と何をしようとしていたのかと考えると、どきどきと大きな音で鳴っている心臓はまだまだ落ち着きそうにはないが、リゼットはセドリックの背中に慌てて声をかける。
「私は一緒に行かなくても……いいの?」
 兄王子の部屋へと向かうのに、セドリックがここまで連れてきてくれたので、リゼットはようやく自分も初めての対面になるのかと思っていた。しかしセドリックが一人で行ってしまいそうなので、疑問に思い、そう訊ねる。
 セドリックは扉の前で顔だけふり返り、きっぱりと首を横に振った。
「今日はやめておこう。僕が留学から帰ってきたら、改めて紹介するよ」
「あ……」
 それではアンセルム王太子に会うのは三年後になるのかと、リゼットは心の中に記憶した。その様子を見たセドリックが、少し首を傾げる。
「会いたい?」
「え……?」
 将来の義兄になる予定の人物なので、会いたいかと問われれば会いたいが、セドリックの様子がおかしいように見えて、リゼットは返事ができない。
 リゼットだけに見せる少し拗ねた時のような表情で、彼は語った。
「兄上は、知識が広くて判断力もあって、素晴らしい人だよ。とても尊敬している」
 これまでの彼の言動の端々からそのことはじゅうぶんにわかっているつもりだったので、リゼットは頷く。
「ええ……」
「でも男としては負けたくないんだ。兄上にはすでにクリスティーヌ義姉上という妃がいて、きみは僕の花嫁になるってわかっていても、絶対に負けたくない……! あちらで僕もたくさん学んで、同じように頼りになる男になって帰ってくるから……負けない男になるから……そうしたら一緒に挨拶に行こう」
 兄と自分を比較し、今はまだ負けているのでリゼットには会わせたくないというセドリックの告白に、リゼットは不思議な気持ちを抱きながらも頷く。
「はい……でも……」
「でも……?」
 なにげなく発してしまった言葉をセドリックがくり返したので、リゼットは急いで説明を足した。
「セドリックは今でも、とても頼りになります……私にとって一番、尊敬していて、なんでもできて……それなのに傍にいると安心できる人です」
「リゼット!」
 もう兄王子の部屋の扉に手をかけていたセドリックが、足早に数歩帰ってきて、リゼットを抱きしめる。
「…………!」
 突然のことに驚いたが、どうやらリゼットの言葉に感激してくれているようなので、それは本当だという意味をこめて、リゼットも彼の背中にまわした手に力をこめる。
「もっともっと、きみを守れるようになって帰ってくる。約束する」
「……はい」
「だからどうか、他の人に目を向けたりなどしないで待っていて」
 セドリック以外の男性など、リゼットは目にも入らないのに、そういう心配をされていることが、少し嬉しくなる。
「もちろんです」
 きっぱりと答えると、抱きしめる腕を解いたセドリックがもう一度顔を近づけてこようとしたので、リゼットも慌てて目をつむった。
「セドリック? どうした?」
 しかしその時、またも扉の向こうから兄王子のものと思われる声が聞こえ、二人は顔を見あわせて笑ってしまう。
「ふふふ」
「ははは」
 大きく表情を崩したリゼットを、眩しそうな表情で見つめたセドリックが、身を屈めて瞼を閉じる。長いまつ毛がゆっくりと伏せられるのを見ながら、リゼットも目を閉じた。
「んっ……」
 唇に柔らかいものが──セドリックの唇が、静かに重なり、ゆっくりと離れていく。
(あ……)
 彼と初めて口づけた。そのことに胸を痛くしながら、リゼットは震える瞼を開いた。
 宝石のように輝く青い瞳が、まだかなり近い位置で、たっぷりの愛情をこめて自分を見つめている。
「ごめん、もう一回」
 そう断ってリゼットの頭の後ろを手で支え、もう一度しっかりと唇を重ねてから、セドリックは踵を返した。
「じゃあ、行ってくるから待っていて」
「…………はい」
 初めての口づけに胸の動悸が治まらず、顔を真っ赤にしてその場に座りこんでしまいそうだったリゼットは、同じように赤い顔のセドリックを、アンセルム王太子の部屋へ見送った。
 その後ろ姿は、初めての口づけと共に、決して忘れられないものとしてリゼットの胸に深く刻まれた。
 その翌日、多くの人に盛大に見送られて、セドリックは海の向こうの国へと旅立った。

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