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結婚する理由 ベティ・ニールズ選集 13

結婚する理由 ベティ・ニールズ選集 13


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュベティ・ニールズ選集
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ベティ・ニールズ(Betty Neels)
 イギリス南西部のデボン州で子供時代と青春時代を過ごした後、看護師および助産師としての教育を受けた。戦争中に従軍看護師として働いていたとき、オランダ人の男性と知り合って結婚。以後十四年間、夫の故郷オランダに住み、ベティは看護師、夫は病院事務と、ともに病院で働いた。イギリスに戻って看護師の仕事を退いた後、よいロマンス小説がないことを嘆く女性の声を地元の図書館で耳にし、自ら執筆を決意した。1969年、「赤毛のアデレイド」を発表して作家活動に入る。穏やかで静かなロマンス、その優しい作風が多くのファンを魅了した。2001年6月、惜しまれつつ永遠の眠りについた。彼女が生みだした作品は百三十以上にも及んでいる。好きな映画は『逢いびき』(英1945年)、尊敬する人物はウィンストン・チャーチルだったという。

解説

結婚したきり、近づいてもくれない。わたしは彼を愛し始めているのに……。

年金暮らしの祖父と二人きりで生きるユステイシャは、雑用係として働く病院で、有名外科医のコーリンと出会う。独身貴族の彼は、弟夫婦がしばらく外国へ行っている間、預かっている幼い甥たちをもてあまして、ユステイシャを住み込みの世話係として雇うことに。ところが、弟夫婦が不慮の事故で他界し、状況が一変する。遺言により後見人となったコーリンから子供たちを奪おうと、母方の祖父母がやってきて、不在がちな彼を責めだしたのだ。すると、コーリンの口から思いもよらない言葉が飛びだした。「ご安心ください――ぼくとユステイシャは、まもなく結婚します」

■穏やかな作風で読み手を癒やす名作家ベティ・ニールズの名作選集をお届けします。憧れの年上ドクターから突然プロポーズされ、胸を高鳴らせると同時に戸惑うユステイシャでしたが……。『ふたりのパラダイス』の主人公ハーソーとプルーデンスも登場します!

抄録

「まあ、なんて恐ろしい……お気の毒に!」ユステイシャは震える唇をかみしめた。「あの子たち……まだあんなに小さいのに。何かわたしでお役に立つことがありませんか?」ユステイシャは思わず近寄って、コーリンの腕に手をかけた。
 ほどけた髪が肩を包み、無造作にガウンを羽織った姿はとても美しく見える。顔はショックで青ざめていたが、なんとか彼を慰めようとしていた。
 コーリンはその顔を見つめると、腕にかかった手に目を落とした。厳しいほどに冷たい目だ。ユステイシャはやけどでもしたようにあわてて手を離すと、カップにコーヒーを注いだ。もちろん忘れてはいけない、わたしはとりあえず手伝っているだけなのだ。コーリンはわたしの同情なんか求めてもいない。彼は感情を表すような男ではないし、ほとんど知りもしないわたしに同情など求めるわけがないのだ。
「コーヒーはここでお飲みになりますか? それとも書斎がいいですか?」
「ああ、ここでいい、ありがとう。もう寝なさい、遅いから」
 ユステイシャはその石のような顔にちらっと目を走らせると、黙って部屋に戻った。そしてベッドに腰かけたまま、この三十分のあいだに起こったことを思い返してみた。コーリンはどうしてわたしに電話してきたのだろう? 彼はわたしに話したかったわけでもないようだが。でも話せば気が楽になる。両親が亡くなったときのわたしはそうだった。コーリンは心のなかを打ち明けられる妻がいなくて、ほんとうに気の毒だ。子供たちの話ではガールフレンドがいるらしいが、悪い知らせを受けたときは一人だったらしい。
 ユステイシャは深いため息をもらすと、寒さと悲しさで身震いした。そのときノックの音がして思わず飛び上がった。返事も待たずに入ってきたのはコーリンだ。
 顔はまだこわばっているが、声はやわらいでいた。「許してくれ、ユステイシャ……ぼくの態度は悪かった。同情してくれてほんとうに感謝している。お願いだから失礼を許してほしい……そんなつもりじゃなかったんだ」
「もちろん、よくわかっていますとも。許すだなんて、そんなこと必要ありませんわ。どうぞかけてお話しになりません? 突然のことだったんですものね?」ユステイシャは温かくやさしく、しかし感情を抑えて言った。だが、彼がほんとうに腰を下ろしたのでびっくりした。
「ぼくは出かけようとしていた――食事の約束があってね――ホールに立って、執事が取ってくるのを待っていた……ぼくの連れのハンドバッグを。そのとき電話が鳴ったので出たんだが、よく聞いていなかったんだ、何か二人で笑っていたのでね。ところがブルネイからの電話だった。電話の相手が二度繰り返したのでやっとわかった……」彼はちょっと息をついて、やがてまた続けた。ユステイシャは彼が何か言葉をのみ込んだような気がした。「ぼくは向こうへ行かなきゃならないが、その話を誰かにしたかった。そこですぐ車に乗ってきたんだが、なぜ途中できみに電話したのかわからない」
「もっと話してください。そうすれば何をしなければいけないかわかってきますわ。気持が落ち着けば、少しは眠れるでしょう」
「すぐ飛んでいって、あれこれしてやらなければ」彼はちらっと腕時計に目を走らせた。「でも、もう遅すぎる……」
「朝、一番に出かければいいですわ」
「きみはなんてよくわかってくれるんだろう。出かける前に子供たちに話さなければ。きみ、いてくれるよね?」
「わたしが必要なうちは大丈夫、ちゃんといますから。どうぞ弟さんご夫婦のことをもっと話してくださいませんか?」
「彼は二十三歳で結婚してね。建築家なんだ。優秀な男で国際的にも知られていたよ。だから妻のセイディとよく旅行していた。いつもは子供たちも連れていくんだが、今度はアジアだから遠いので連れていきたくなかった。そこで三カ月の留守のあいだ、ぼくに預けたんだ。ナニーがついてきたんだが、彼女の母親が病気になって帰らなければならなくなった。ミセス・サムウェイズと料理人のミス・グリムストーンは一生けんめいやってくれた。でも、きみが来てくれて、子供たちもすぐなついて、ほんとうに助かったよ」
「そうだといいんですけど。さあ、お茶とトーストを用意しますから、それを食べて少しおやすみになるといいですわ。そうすれば二人にも話して、必要な手はずも整えられるでしょう」
「きみは思いやりがあるだけでなく、ずいぶん冷静なんだね」
 コーリンが寝室に入ったのを確かめてユステイシャがベッドに入ったときは、もう二時を過ぎていた。なかなか寝つかれなかったし、朝六時に起きたときの顔といったらひどいものだった。
 子供たちはまだ眠っていて、家のなかはひっそり静まり返っている。足音を忍ばせて台所に下り、やかんを火にかけた。ティーポットを温めていると、コーリンも下りてきた。着替えもすませ、ひげもそって、すっかり落ち着いて見える。
「お茶はいかがですか? 二人ともまだ眠っています。いつ話すおつもりですか?」
 コーリンは立ったままお茶を飲みながら、じっとユステイシャを見つめた。こんな女性はめったにいない。古ぼけたガウンを着て、起きたての素顔でもこんなに美しいなんて。彼女の姿はコーリンの心をなごませた。「朝食のあとにできないかな? 食事の前に話すと食べられなくなるだろう……なるべく普段のとおりにしたほうがいい」


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