マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ 別冊

ロマンスよ永遠に

ロマンスよ永遠に


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ別冊
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 ★★★★★1
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 キャロル・モーティマー(Carole Mortimer)
 ハーレクイン・シリーズでもっとも愛され、人気のある作家の一人。1978年にイギリスでデビューして以来、これまでに刊行された作品は実に百冊を超える。十四歳のころからロマンス小説に傾倒し、アン・メイザーの作品に感銘を受けて作家になることを決意した。キャロルは三人兄妹の末っ子としてイギリスはベッドフォードシャー州の小村で育った。一時は看護師を志したが、転倒した際に痛めた背中が治りきらず断念。その後、某有名文房具メーカーのコンピューター部門に勤め、そこで働く間に時間を見つけて小説を書くようになった。物語を書くときに一番楽しいのは、ヒロインとヒーローの性格を考えるとき。書いているうちに徐々に主導権がヒロインとヒーローに移り、いつのまにか彼らが物語を語りはじめるのだという。現在キャロルは“イギリスで最も美しい場所”マン島に、夫と子供たちと住む。

解説

夫と離婚後、実の父にまで裏切られ、踏みつけにされたベスは傷心をいやすため、一人イタリアを訪れた。最初の訪問地ヴェローナでオペラを見ていたとき、幕間に後ろの席の男性に声をかけられた。黒髪にラテン系の顔立ち。マーカス・クレイヴンと名乗るゴージャスな億万長者の彼の誘いを、その日はうまくかわしたが、次の日、《ロミオとジュリエット》の舞台、キャピュレットの家で再会。さらに翌日の夜、ヴェネチアのホテルのレストランに彼が現れ、ベスは彼に惹かれながらも、度重なる偶然の出会いに不安を覚えた。そして部屋まで送ってきたマーカスに、強引にキスをされ……。

■〈この愛は秘密〉と銘打ちお贈りする企画第1弾は、長年人気を誇るキャロル・モーティマーのドラマティック・ストーリー!過去にトラウマをもつ不遇なヒロインが、ロマンティックなイタリアの街で大富豪と思いがけない恋におちますが……。

抄録

 折しも料理が運ばれてきた。おかげでこれ以上その話題に触れなくてすんだ。実際、なんと言っていいのか、言葉につまっていたのだ。彼自身のことすらほとんど知らないのに、全然知らない彼の祖母のことなど慰めようがない。
 サラダだけでいいと言ったのに、マーカスはフルコースを注文していた。まず最初は豪華な盛り合わせのサラダで、ベスは最後の一口までおいしく味わった。とても満ち足りた幸せな気分だ。ベスはマーカスに心からおいしいと言った。
「よかった」彼はそらね、と言わんばかりににっこりした。
 ベスはその顔をぼんやりと見つめた。こんなふうに笑うとまるで少年のようだ。目がやさしそうにきらきら輝いている。
 わたしとしたことが、どうしたのだろう? ワインの飲みすぎに違いない。空っぽの胃に流し込んだから急に回ったのだ。そうとしか思えない。マーカスといてこんなに楽しい気持になるはずがない。
 これはゆゆしき事態だ。このタイプの男性は、女性に愛想よくされると励まされているような気になる。やはりマーカスに冷たい態度をとり続けるべきだろうか。でも、そのためにはヴェニスの魅惑的な夜を犠牲にしなければならない。
 恐ろしく困難な状況だわ。ベスは心の中でうなった。わたしよりもっと強い、鉄の意志を持った女性でもヴェニスのこの魅力にはあらがえない。月の光を浴びただけで誰も彼もみな魔法にかけられてしまう。それに加えて、レストランのこの行き届いたサービスだ。お客はいつグラスにワインを注ぎ足されたかも気がつかない。髪にたわむれるやさしいそよ風、そしてマーカスの楽しいおしゃべり。彼はヴェニスのことをいろいろと説明し、さっきからしきりにサン・マルコ広場に行こうと誘いかける。サン・マルコ広場はため息の橋を渡って突き当たりの角にあるんだ、あれを見なくちゃ損するよ。食事が終わったあとで一緒に散歩してみないかい?
 月明かりの下で散歩……。サン・マルコ広場にはいくつもカフェテラスがあり、見つめ合う恋人たちのために楽士たちが音楽を奏でているという。
 ばかね。わたしのための音楽じゃないのに。
「ありがとう。でも、やっぱり遠慮しとくわ」ベスは丁重に断り、小さな腕時計に目を落とした。「もうそろそろ部屋に帰る時間だし、今日は疲れちゃったから」
 マーカスはベスの顔をのぞき込んで指摘した。「疲れているようには見えないけど」
「人は見かけではわからないでしょ」
 マーカスの顔に突然暗い影が差し、体をさっと引いた。「そうだな」潔く同意すると、ベスの空になったカップを指し示した。「もうコーヒーは飲み終えたのかい?」
 ベスは不安になってマーカスを見た。どうして急に態度を変えたのだろう? 前はどんなにきつく断ってもあきらめなかった。それなのに、たった一言で納得してしまうなんて。
 なんだかがっかり……。そう思いかけて、慌てて自分の気持を否定した。がっかりだなんてとんでもない、ただ驚いただけよ。でも、頭のいい人だという第一印象は当たっていた。いつの間にか夢中で話に聞き入ってしまったのだから。
 エレベーターに乗ると、マーカスはベスの部屋がある階のボタンを押した。ベスはすかさずじろりとマーカスをにらんだ。
「女性と食事をしたあとは必ず家まで送り届ける主義なんだ」
 必ず? 眉つばものだわ。いったい誰の家に送るのだかわかったものではない。
 部屋の前でベスは彼のほうを向いてお礼を言った。「ごちそうさま。楽しかったわ」
「どういたしまして。明日のことだけど、ぼくにヴェニスを案内させてくれないかな」
「わたし……」そのとき、ありがたいことにちょうど部屋から電話のベルが聞こえてきた。「電話に出なくちゃ」
「ああ」マーカスはひどく残念そうな目をした。「明日の朝十時。階下のフロントで……」
「え?」気が気ではない。ベルは一回鳴るごとにますます大きな音になっていくような気がする。
「待ってるから」マーカスは急いでつけ加えた。
「でも……」
「さあ、早く電話に出るんだ。誰だか知らないが、あきらめそうにない」マーカスはベスの手からキーを奪ってドアを開け、再びキーをベスに握らせた。「おやすみ、ベス」
 彼は体をかがめ、そっとベスの唇にキスをした。それから深い灰色の目でベスを見つめ、やさしく背中を押して中へ入れると静かに外側からドアを閉めた。
 ベスはそのまま呆然と立ちつくしていた。唇に指を触れると、まださっきのしびれたような感触が残っている。つかの間のキス。まるで電流が走ったようなショックだった……。


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

この本を読んだ人は、こんな本も読んでいます

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。