マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

熱砂に囚われた小鳥 ディ・シオーネの宝石たち 2

熱砂に囚われた小鳥 ディ・シオーネの宝石たち 2


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンスディ・シオーネの宝石たち
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 マヤ・ブレイク(Maya Blake)
 イギリスの作家。妻であり2人の子どもの母でもある彼女がロマンス小説の虜になったのは、13歳のとき。姉から借りた1冊のハーレクインがきっかけだった。そんな彼女にとって、ハーレクイン社でのデビューは夢のようだったと語る。執筆に没頭していないときは、旅行やツイッターが好きだという。

解説

あの夜の選択が私にもたらしたのは、深い罪悪感と予期せぬ小さな命。

慈善事業を行う財団の代表を務めるアレグラは、余命わずかな最愛の祖父から、ある願いを託される。かつて手放した秘宝の箱を、砂漠の国ダル・アマンの国王から取り戻してほしいというのだ。アレグラは財団の調査という名目でなんとか国王ラヒムとの面会まで漕ぎつけるが、会うなり彼の男性的な魅力と圧倒的なオーラの虜になってしまう。このままではだめ。でもラヒムにどう切りだせばいいの?深夜、アレグラは偶然にも宮殿内で箱を見つけて歓喜するが、ふと人影に気づいて震えた。燃える目をしたラヒムが立っていた!

■イタリアの名門一族ディ・シオーネ家に伝わる秘宝を捜す過程で巻き起こる恋愛模様を描いたミニシリーズ〈ディ・シオーネの宝石たち〉第2話をお届けします。“箱”が呼び寄せる愛の形とは……?

抄録

 ヘリコプターが再びダル・アマン宮殿の緑の芝生に着陸したころには、アレグラは張りつめた雰囲気の機内から早く飛び出したくてたまらなかった。ラヒムは彼女が直接投げかけた質問にそっけなく答える以外、ほとんど口をきかなかった。
「なぜ部族民に会いに行ったんですか?」ヌル・アマンを発ったときからききたかったことを、アレグラは今ようやく尋ねた。
 一瞬、ラヒムは答えないかもしれないと思った。しかし、アレグラの部屋へ続く廊下の近くまで来ると、彼は足を止めた。
「彼らの野営地の近くに設置されているパイプラインに気づいたかい?」
「ええ」
「あの山は僕の先祖がマラカイトを発見した場所だ。ダル・アマンを有名にしたマラカイトの最初の鉱床は、ヌル・アマンの下の谷で掘り当てられ、あのパイプは二十年ほど前に設置された。ヌル・アマンの人々に仕事と持続可能な成長をもたらすはずの壮大な計画だった」
「でも?」
「パイプラインは十五年以上使われていない」
「なぜですか?」
 ラヒムの表情にはいらだちと苦々しさが入り混じっていた。「契約が見直され、油田掘削会社が身元のわからない外国企業に設備を売ってしまったんだ」
「そういう事態を防ぐための法律はないんですか?」
 ラヒムが肩をすくめた。「法律はおおいにゆがめられているが、破られてはいない」
 アレグラは唇をすぼめた。「それで、あなたはどうするつもりなんですか?」
「やり方は一つ、自分のものを取り戻し、誰にも渡さないことだ」
 アレグラはラヒムの瞳を見つめ、全身が熱くなるのを感じた。彼は採油権のことを言っているだけなのに、ばかばかしいほど心をかき乱された。
 アレグラの部屋の前まで来ると、ラヒムがドアを開けた。ヌラの姿は見えない。アレグラは居間へ入っていきながら、あとについてくるラヒムの圧倒的な男らしさを意識して心臓の鼓動が不規則になるのを感じた。
「一緒に連れていってくださって、ありがとうございました。まさに目を開かされるような経験でした」いつまでも視線をそらしているわけにもいかず、ついにラヒムの顔を見ると、彼の目は一心にアレグラを見ていた。
 ラヒムは静かに近づいてきて、アレグラのポニーテールからほつれた巻き毛を手に取り、思いにふけるようにゆっくりと耳の後ろにかけた。
 電流のような衝撃が熱く激しく体を貫いた。胃が締めつけられ、言葉にならない切望がこみあげてきて、アレグラは無理やりそれを抑えこんだ。ラヒムが手を下ろすと、その手をつかんでまた同じことをさせないようにするのが精いっぱいだった。
「君の目を開かせられてうれしいよ」
「あの……そうですか?」アレグラはぼんやりと尋ねた。まだ彼の手の感触を求めている。そんな貪欲な自分が怖くなった。
 まるでその考えを読んだかのように、ラヒムがおもむろに片手を上げた。今回は頬を撫で、顎に移った。その手が唇の端に達すると、アレグラは息を止めた。「もちろんだ。君が視察の結果を有効に活用してくれるともっとうれしい。期待していいかな、アレグラ?」
 会話にもっと集中しなくてはならないと思ったが、ラヒムの親指は今や唇に触れていて、アレグラは理性を失いかけていた。「なんのことか……よくわかりませんが」
 ラヒムはアレグラの唇に人さし指を当てた。「提案があるんだ。君がそれを受け入れてくれることを心から望んでいる」彼女を見おろす瞳は燃えるようだ。
 息がつまり、禁じられた興奮が全身に広がっていった。短い沈黙が流れたあと、アレグラは咳払いをしてかすれた声で尋ねた。「どんな提案ですか?」
 ラヒムの瞳が欲望のせいで暗く陰った。「お互いの目的達成のために足並みをそろえようという提案だ」再び彼の指がアレグラの肌をたどり、顎から肩へ、そして腕へ下りてきて最後に手をつかんだ。指をからめて彼女の手を口元へ持っていき、拳にキスをする。アレグラが息をのむと、ラヒムは唇の端をゆがめた。「今夜もっと詳しい話をしよう。晩餐会は八時に始まる。少し前に迎えに行くよ」
 そして踵を返し、立ち去った。アレグラを悩ましい感情と極限まで高まった興奮の中に残して。こんなあからさまな罠に落ちるなんて愚かだと思いつつ、自分を納得させて胸の鼓動をしずめることもできないまま、アレグラはぼんやりと寝室へ入っていった。


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。