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暗黒伯爵の甘やかな獲物 愛と享楽のローハン子爵家

暗黒伯爵の甘やかな獲物 愛と享楽のローハン子爵家


発行: ハーレクイン
シリーズ: MIRA文庫愛と享楽のローハン子爵家
価格:800pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アン・スチュアート(Anne Stuart)
 二十五年以上におよぶ作家生活のなかで六十作を超える作品を発表。栄えあるRITA賞を三度も受賞した経歴を持つ。ベストセラーリストの常連で、雑誌ピープルやヴォーグにも登場したことがある。執筆の合間には、作家集会での講演のため各地を訪れる生活を送っている。夫と二人の子供とともに、バーモント州北部在住。「闇の貴公子」は1990年5月刊「ファベルジュの卵」と’91年12月刊「泥棒と探偵を」の関連作。

解説

2年前の不幸な事件により、ミランダは社交界のはみ出し者にされてしまった。彼女とつき合う者は家族と親友以外おらず、孤独な日々を送っている。ある日ミランダの馬車が事故に遭い立ち往生していると、謎めいた美貌の紳士が現れ、豪華な馬車で家まで送り届けてくれた。そのうえ彼の屋敷で開催される音楽会に招待してくれたのだ。彼の名はルシアン。伯爵という身分にもかかわらず、社交界の俗習など歯牙にもかけない彼にミランダは強く惹かれていく。それが“蠍”の異名を持つルシアンの、甘く恐ろしい罠だとは知るよしもないまま。

抄録

 ルシアンはミランダが驚くほどすばやく動いた。ステッキはどこにも見当たらなかったが、すばやく部屋を横切り、彼女を抱きあげると、椅子へと戻り、自分の腕のなかに閉じこめたままそこに腰をおろした。
 夢中でもがいたが、彼の手に力がこもっただけだった。ミランダは苦痛に顔をしかめ、もがくのをやめて静かになった。「そのほうがいい……戦うのをやめれば、ぼくらはかなりうまくやっていけることに気づくはずだ」
「戦うのをやめたら、わたしに興味をなくすんじゃなくて?」
 ルシアンは笑った。「その可能性はある。だが、それがきみの望みだろう? それともぼくに興味をなくしてほしくないのかい?」
 昨日から衝撃的な出来事の連続だったが、ルシアンの言葉はさらに大きな衝撃を与えた。彼が実際に自分を欲している可能性はあまりにも突飛すぎて、頭に浮かばなかったのだ。ミランダが驚愕して彼を見上げると、ルシアンはその驚きぶりを見て笑った。「どうしてそんなに驚くのかな、マイ・ペット? きみを欲しいと思わなければ、結婚するはずがないだろうに。このゲームを展開する方法はいくつかある。ぼくは自分のベッドでそうすることを選んだのさ」
 ミランダはどうにかショックから立ち直った。「でも、どうして? わたしは絶世の美女でもないし、もう処女でもない。寝室での技巧もさっぱりだ、と色事師の折り紙付きよ」
「やれやれ、今度は褒めてもらいたいのかい?」ルシアンは手の力をほんの少しゆるめた。クリストファー・セント・ジョンにしたように、油断させて彼の不意を突くことができるだろうか? だが、たとえそれができたとしても、ここを逃げだすのは無理だ。二階にいるジェーンを置き去りにはできないし、そもそもここがどこなのか、ロンドンからどれくらい離れているのか、見当もつかないのだ。脱出の計画を練るためには、せめてその程度の知識がいる。さもないと、苦労して逃げても、たちまち捕まるのは目に見えていた。
「きみの技巧のことはとくに心配していないよ」彼は言葉を続けた。「ぼくにはそれを補って余りあるだけの技巧がある。この醜い外見を埋め合わせるために、女性を歓ばせる技には長けているんだ。もうすぐきみもそれを味わうことになる」
「たいした自信だこと」ミランダは言い返した。
 ルシアンは動じる様子もなくうなずいた。「ぼくにはこの醜さを補うものがなくてはね。それに引き換え、ぱっと目立つ美しさではないかもしれないが、きみはとても美しい」
「ばかばかしい。言ったでしょ、わたしは平凡な女よ。でも、あなたは魂は腐りきっているにせよ、ちょっとした傷を除けば完璧な顔立ちだわ。自分に退廃的魅力があることは、ちゃんとわかっているくせに」
 彼は驚いて淡い目を見開き、それから噴きだした。「どちらがぼくを魅了するのかわからないな。腐りきった魂か、退廃的魅力か。この窮地を脱するのに、ぼくを侮辱すればいいのか、賞賛すべきなのか、心を決めかねているようだね。その不屈の精神に敬意を表して、ひとつ賭をしようじゃないか、マイ・ペット。きみに逃げるチャンスをあげよう」
 ルシアンが本気だと直感して、ミランダは息を止めた。「どんな賭でも応じるわ」
「とても簡単さ。ぼくらはまだこの悪魔の取引をキスで固めていない。きみがぼくのキスにまったく反応しなければ、このまま友人と一緒に家に送り届けてやろう。三兄弟にも危害を加えない。そしてローハン家を‘経済的’に破滅させることに力を注ぐ。この方法はほかの方法よりも努力を要するだろうが、必ず成功させるよ。どうだい?」
 彼の軽い調子にミランダは胸をわしづかみにしていた恐怖が薄らぐのを感じた。「簡単すぎるわ。あなたが約束を守ってくれると信頼していいものかしら?」
「また、侮辱かい?」ルシアンはため息をついた。「亡き妹の魂にかけて誓うよ、きみがまったく反応しなければ、即座に解放する」
 ミランダはようやく信じる気になった。「ええ」彼女は目を輝かせ、即座に答えた。「その賭に応じるわ。なぜこんなに簡単にあきらめる気になったのかわからないけど」
「あきらめる気などないさ。ぼくは賭に勝つ」彼が長い指をミランダの強情な顎の下に入れ、彼女の顔を自分に近づけると、ミランダは淡い色の目をのぞきこみ、かすかな不安を覚えた。でも、彼のキスに応じることなどありえない。
 ルシアンは親指で唇をかすめるようになでると、それを開かせ、唇を重ねてきた。


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