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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ロマンス

星屑のシンデレラ

星屑のシンデレラ


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ロマンス
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 シャンテル・ショー(Chantelle Shaw)
 イギリスの作家。ロンドン育ちで、頭の中でおはなしを作るのが大好きな少女だった。二十歳で結婚、第一子の誕生とともにケント州の海辺に移り、現在に至っている。浜を散歩しながら小説の構想を練るという。趣味はガーデニングやハイキング。六人の子供の母親でもある。

解説

彼は私をこう呼んだ。“完璧に都合のいい愛人”と。

“イタリアのプレイボーイ”と名高い大富豪レアンドロに勤め先のバーで見初められ、マーニーは彼と同棲を始めた。昼夜を問わず求めてくる彼との、めくるめく愛の営み――だが、彼は決してマーニーを公の場に同伴しなかった。1年が過ぎ、ふたりの関係に疑問を感じ始めた矢先、ふとした諍いから彼が発した言葉にマーニーは衝撃を受ける。きみは愛人だ。この先ぼくの妻になることはない……。深く傷ついたマーニーはレアンドロの屋敷をあとにした。お腹のなかに新たな命が宿っているとは夢にも思わずに。

■別離の直後に事故で記憶を失ったマーニー。お腹の子の親権が欲しいレアンドロは、何とか彼女と結婚しようと完璧な婚約者を演じ始めますが……。繊細かつドラマチックなシンデレラストーリー。

抄録

 マーニーはため息をついた。最初のころは、レアンドロが長時間働いていることや、ふたりで過ごす時間はベッドの中だけという状態が、まったく気にならなかった。彼と抱き合うのは楽しかった。それは今でも変わらない。けれど、状況は同じでも、マーニー自身が変わった。レアンドロに恋をし、自分に対する彼の気持ちが気にかかるようになった。
 彼がニューヨークへ行くまでは、彼も性的な関係以上の何かを感じているのではないかと思っていた。しかしパーティ会場で見せた態度や、マーニーを放り出して電話に出た様子などから、また彼との関係に対する疑念が噴出していた。
 再びマーニーが書斎の前を通ったとき、ドアは開いていて、彼はもうそこにいなかった。マーニーは慌てて階段をのぼった。胸を高鳴らせて、レアンドロと共用の寝室へ向かう。電話が終わったのであれば、抱き合うのを邪魔するものはなくなったことになる。
 ベッドの中でなら、うまく意思疎通ができた。体がひとつになっていれば、互いを求める情熱の前に、言葉はいらなかった。だがマーニーにとっては、彼に抱かれたときの親密さが何より大事だった。優しく抱きしめられると、彼に好かれていると実感できた。
 マーニーが寝室に入ったそのとき、レアンドロがバスルームから出てきた。腰にタオルを巻いただけの姿で、髪から滴がしたたり落ちている。抱き合う前にシャワーを浴びるのは彼の習慣だった。マーニーは口の中が乾くのを意識しながら、レアンドロの胸から平らな腹部、タオルを巻いた腰へと、視線を動かした。
 ところが、マーニーが激しい鼓動を抑えようとしながら見つめている前で、レアンドロは引き出しを開けてシルクのボクサーショーツを出し、バスルームに戻ってしまった。再び現れた彼は、下着をつけていた。
 彼がジーンズに足を通し始めたのを見て、マーニーの落胆は困惑へと変わった。ベッドの上のスーツケースに気づいて、彼女は凍りついた。「どこかへ行くの?」
 レアンドロはシャツのボタンを留め、ちらりとマーニーを見た。「パリだ」
「今から? どうして?」マーニーは自分が見ている光景が信じられなかった。レアンドロはスーツケースに衣類を投げ入れていく。ふたりの関係に不安を抱いていただけに、マーニーの口調はおのずと鋭くなった。「ニューヨークに行く前の週末も、パリに行ったじゃない」
 実のところ、レアンドロは一カ月に一度、定期的にパリに行き、週末を過ごしていた。なんのためなのか、彼から説明があったためしはない。束縛するようなまねはするまいと、マーニーもあえてきかなかった。
 そこでふと、マーニーはあることを思い出した。「いとこの結婚式で、ノーフォーク州に行くのは覚えている?」
「ああ。だが一緒に行けそうにないな」
 マーニーは落胆を隠せなかった。「行くって言ったじゃない。ジェマに、連れをひとり同伴するって言ってあるのよ」
「その日、予定を空けておくように努力するとは言ったが、約束はしていない」レアンドロはそっけなく応じ、髪をかき上げながら続けた。「今すぐパリに行くのは、親しい友人が怪我をして、付き添ってやらなければならないからだ」
 マーニーは彼を見つめた。彼の口元が引きつっている。感情を見せるのは彼らしくない。マーニーはすぐさま、彼を疑ったことを後悔した。「ごめんなさい。お友だちの怪我はひどいの?」
 レアンドロは、わたしのことも“親しい友人”と思っているのかしら? もしわたしが怪我をしたら、何もかも放り出して駆けつけてくれるの?
 彼は心ここにあらずといった様子で、顔をしかめた。「詳しいことはわからないんだ。電話で聞いただけだから。きみのいとこの結婚式については申し訳ないが、いつ戻ってこられるか、現時点ではわからない」
 軍隊のようにきっちりした日常生活を送っている人が、そんなことを言うなんて。レアンドロはひどく心配しているらしい。「かまわない。怪我をしたお友だちに付き添うのは当然よ。わたしにできることはある?」
 レアンドロはスーツケースの蓋を閉め、上着を手に取った。「携帯を持ってきてくれるかな? バスルームに置いてきてしまった」
 洗面台にあった携帯電話を取り上げたとき、メールの着信音がした。マーニーは何気なく画面を見た。
“ステファニー”
 誰だろう? 社員かしら? それとも、わたしの知らない人?
 一瞬、マーニーはメールを読みたいと思った。けれど子どものころの記憶がよみがえり、自己嫌悪に陥った。母は浮気の証拠を求めて、父の上着のポケットをしょっちゅう探っていた。レアンドロが浮気をにおわせるような言動を見せたことはない。疑り深い性格を母から引き継いだのかもしれないと思うと、マーニーはいたたまれなくなった。慌てて寝室に戻り、携帯電話を彼の手に押しつけた。
「時差のある国から戻ったばかりで疲れているでしょうに、大変ね。お友だちが大丈夫だといいけれど」
「ありがとう」レアンドロは身をかがめ、マーニーにキスをした。
 マーニーはすばやく反応し、彼が意図するよりもキスを長引かせようとした。すると、彼は戸惑い、奇妙なまなざしをマーニーに注いだ。何か言いたげだったが、その表情はすぐに消え去った。マーニーが一瞬感じたつながりのようなものはすぐに失せ、レアンドロは身をひるがえして出ていった。


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