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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

天使を抱いたシンデレラ

天使を抱いたシンデレラ


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 キャット・シールド(Cat Schield)
 RITA賞の新人賞にあたるゴールデン・ハート賞受賞作家。ミネソタ州で娘と2匹のビルマ猫たちとドーベルマンに囲まれて暮らしている。執筆をしていないときは、友人とヨットでセーリングするのが何よりの楽しみだという。

解説

まさか、ぼくに息子がいたとは!この子を手に入れるには、まず……。

二人の兄が相次いで王位を捨てたため、シェルダーナの末の王子クリスティアンは急遽、妃を迎えなければいけなくなった。だが、国の存続にかかわる一大事とわかっていても、独身貴族を楽しんできた彼には、王家にふさわしい相手が思いつかない。そんなときパーティで、5年ぶりに思いがけない人物と再会する。王子の身分を明かさぬまま別れを告げた、かつての恋人ノエル。クリスティアンは、気まぐれにふらりと彼女の家を訪ねてみた。するとそこには、自分そっくりの幼い男の子の姿が……。

■存在すら知らなかった我が子に対面し、息子を手に入れようと、あの手この手で迫るヒーロー。でも、ヒロインは頑として受け入れず……。大人気のシークレットベビーがテーマの本作は、『プリンスの望まれぬ花嫁』、『王家の花嫁の条件』に続く関連最終話です。

抄録

「今夜、ディナーを一緒にとろう」
 ノエルは突然の誘いに驚いて目をみはったが、すぐに首を振った。「無理よ。ジェフが……」
「ジェフはシェルダーナに来ていないようだし、当分は来る予定もなさそうだ」クリスティアンが近づくと、ノエルがはっと息をのんだ。さらにクリスティアンが顎のラインに沿って指を這わせると、身をこわばらせた。体の奥で感じる親密な感覚がふたりによみがえってくる。「君には二十四時間いつも愛してくれる男性がふさわしい。仕事の合間だけじゃなく」
 ノエルはクリスティアンの手を払いのけた。「私にふさわしい男性について、あなたに何がわかるというの? あなたが私のために心を砕いたのは、ベッドを共にしているときだけだったじゃない」
「まるでそれが悪いことのように言うんだね」ノエルを傷つけて悔やんでいることを隠すために、わざと軽妙に言った。当時のクリスティアンは自分勝手で、ノエルの価値を理解していなかった。皮肉なことに、彼女の大切さがわかったのは、本心を隠してパリへ送り出すときだった。
「クリスティアン、五年前のあなたはひどい人だったわ。私は心からあなたを愛していたから、あなたが分かち合ってくれるなら、どんな小さいことでも嬉しかった。でも、今はもうそれだけでは十分じゃないの。私には子供が何よりも大切なのよ。私が下す決断は、常にマークにとって最良のものでなければいけない」
「子供の母親と父親が結婚するのが最良だとは思わないのか?」クリスティアンが語気を強めて言った。
「結婚の唯一の目的が、アレッサンドロ家の存続でなければね」
 クリスティアンはノエルに皮肉を言われるのに慣れていなかった。ノエルは優しくて無垢で、子猫のように人を疑わない。そしてクリスティアンは、あらゆる面でその反対だった。だからこそ、ノエルの目に影が差し、笑顔がぎこちなくなっても彼女をあきらめることができなかった。
「マークを世継ぎにするためだけに君と結婚したいんじゃない」もちろんマークのことは大きな理由のひとつではある。「ふたりでいて、とても楽しかったことが忘れられないんだ」
「あなたが私にふさわしいのかどうかわからないわ」ノエルは頭を振りながら言った。
「僕はもう昔の僕じゃない」多くの面で、それは本当だった。クリスティアンはもう軽薄で無責任な振る舞いはできなくなっていた。「あの事故で思い知ったんだ」
 ノエルはたじろいだ。「私も、もうあなたの知っている私じゃない。私たちがうまくやっていけるなんて、どうして言えるの?」
「やっていけないと、どうして言えるんだ?」
 まるで自分の言葉を証明するかのように、クリスティアンはノエルのうなじに手を回して、自分のほうへ引き寄せた。ノエルがどうすることもできないうちに唇を重ね、甘い香りを吸い込む。クリスティアンを受け入れるノエルの唇の動きに、胸がいっぱいになった。彼はノエルを抱きしめて、かつて何度も交わしたうっとりするような熱く長いキスを思い出していた。
 ほかの女性とは、欲望を満たすために激しく慌ただしいセックスをするだけだった。しかし、ノエルとは、決して急ぐことはなかった。ノエルの温かく滑らかな肌と、なまめかしく動くスレンダーで女性らしい体は見飽きることがない。クリスティアンの動きに反応してあえぐ声や、震える様子のひとつひとつが愛おしかった。ノエルの体を知り尽くしているはずなのに、いつも新しい驚きがあった。
 ノエルが身を預けてくるのを感じ、クリスティアンの体を駆け巡る欲望がより一層高まった。彼女を求める気持ちをコントロールできなくなる前に唇を離した。彼は胸の高鳴りを抑えられないまま、ノエルのフローラルな香りを吸い込んだ。以前つけていた香水よりも洗練されたものだ。その変化に、ふたりを隔てていた時間と距離を感じずにはいられなかった。重くなったまぶたを開けて、ノエルの赤らんだ頬を見つめた。
「僕のキスを拒まなかったね」こんなにも簡単に進展したことをいぶかりながらも、満足げにつぶやいた。
「五年ぶりにどう感じるか、興味があっただけよ」
 何の感情も表さずに答える声に、クリスティアンはがっかりした。
「それで、どうだった?」
「テクニックはそのままね」
 クリスティアンは体を引き、ゆがんだ笑みを浮かべた。「君を求める気持ちも変わっていないよ」
「あら、そう」クリスティアンの言葉を真に受けたようには見えなかった。
「ディナーを一緒にとろう」クリスティアンは同じ言葉を繰り返した。この申し出が策略や冗談ではないことを、ノエルに納得させてみせるという決意がにじんでいた。「話すべきことがたくさんある」
 ノエルは頭を振った。「私のいちばんの心配事はマークよ。ルールを決めましょう。私たちが深いつき合いになる必要はないわ」
「それは違う。僕たちの関係をもっと深いものにしなければならない理由はいくつもある。君がこんなふうにナーバスになっているのがそのひとつだ」クリスティアンはノエルの顎を持ち上げ、瞳をのぞき込んだ。「君が僕に心を寄せている証拠さ。僕も君が好きだ。僕たちは離れられない」
「私にはジェフがいるのよ。あなたが何を言おうと、何をしようと、事態は変わらないわ」
 クリスティアンが親指でノエルの唇に触れると彼女の目の色が変わった。言葉や態度では彼をはねつけているが、体の反応は正直だ。
「本当にそうかな」クリスティアンは手を離し、ゆっくりと微笑んだ。


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