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ボスに囚われて【ハーレクイン・ディザイア傑作選】

ボスに囚われて【ハーレクイン・ディザイア傑作選】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイアハーレクイン・ディザイア傑作選
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ダイアナ・パーマー(Diana Palmer)
 シリーズロマンスの世界で今もっとも売れている作家の一人。総発行部数は4200万部を超え、ニューヨークタイムズを含む各紙のベストセラーリストにもたびたび登場。かつて新聞記者として締め切りに追われる多忙な毎日を経験したことから、今も精力的に執筆を続けている。ジョージア州在住。大の親日家で、日本の言葉と文化を学んでいる。家族は夫と息子の三人。

解説

記憶が戻れば、あなたは私を憎むはず。ああ、このまま時を止められたらいいのに!

避暑地を訪れたケイトは、大富豪ギャレットの所有する湖でクルーザーに乗っていて、遊泳中の彼を不注意にもはねてしまった。恐怖のあまり彼の無事を確認しただけで、泣きじゃくりながら帰宅するが、罪悪感に苛まれ、後日謝る決意をする。ところが、向かう途中で彼にでくわし、驚愕した――なんと彼は視力と事故の記憶を失っていた!気さくに話しかけられ、ケイトは謝罪の機会を逸してしまう。さらに困ったことに、ギャレットは彼女のことを気に入り、住み込みの秘書になってほしいと申し出てきた。

■様々な時代の選りすぐりのディザイアの話題作をお贈りする“ハーレクイン・ディザイア傑作選”。今作は、北米ロマンス界最重鎮、ダイアナ・パーマーが記憶喪失をテーマに描く、スリリングな物語をお楽しみください。
*本書は、ハーレクイン・リクエストから既に配信されている作品のハーレクイン・ディザイア版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

「ケイト……ハニー、こっちへおいで」ケンブリッジはなだめるように言って、大きな手を差し伸べた。怒りやいらだちは嘘のように消え、あたかも存在しなかったかのようだ。
 ケイトはためらったが、ケンブリッジがふたたび名を呼んだ。やさしい口調だったので、彼女は椅子から立って彼の横へ行き、おそるおそる、たこのできた温かい手に触れた。ケンブリッジはその手を引いて、ケイトを長椅子に座らせた。ケイトの腰がケンブリッジのむきだしの腿に触れる。
 ケンブリッジの太く力強い指が伸びて、ケイトの顔に触れた。眉からまっすぐな鼻筋をたどり、弓形のふるえる若々しい唇をなぞる。それから両手をふいに上に動かし、長いまつげの湿り気に触れると、彼は顔をしかめた。
「ケイト」ケンブリッジはやさしくささやいた。「僕におびえたわけじゃないな?」
「違います」ケイトは答えた。「でも、あなたは……すごく意地が悪いし、平気で人の感情を踏みつけに……」
「君にも感情があるのか、うぶなお嬢ちゃん?」ケンブリッジは低く官能的な口調で尋ねた。指がふたたびケイトの口元へ下り、軽くじらすように圧迫しながら、やわらかな輪郭をものうげになぞる。「君は常に冷静で平然としていると思ったが」
「あなたにどなられて、平然としていられる人なんていません!」ケイトはわずかな反骨心を見せて切り返した。「お願いですから、よしてください」つぶやきながら、狂おしい指の感触から逃れた。
 ケンブリッジは小さく笑い声をもらした。「男に抱かれたことがないのか?」
 ケイトは身を硬くした。「もちろん、あります」彼女は世慣れた口ぶりを気取って答えた。
「僕は男に“抱かれる”と言ったんだぞ。“抱擁される”じゃない」ケンブリッジは指摘した。「その違いはわかるな?」
 ケイトは髪の根元まで真っ赤になった。「男の人とベッドをともにはしていません。そういう意味でおっしゃっているのなら」のみこむように言うと、横柄に付け加えた。「もちろん、あなたには関係ないことですけど」
「君との仕事が終わる前に」ケンブリッジは低く脅すような口調で言った。「おおいに関係あるようになるかもしれないぞ」
「私はあなたの秘書で……」
「ああ、そうだ、それを一瞬たりとも忘れないようにしないと!」ケンブリッジはケイトの言い方をまねると、片腕をさっと伸ばし、がっしりした大きな胸板に彼女を抱き寄せた。
 ケイトは息をのんで身を硬くし、体を離そうとした。抗議の手は彼のコットンシャツの上に置いた。シャツがはだけてむきだしになった胸の筋肉や、それをおおう毛には触れないように気をつけて。
 するとケンブリッジの笑う声が聞こえた。まるでケイトが必死で身を振りほどこうとあがくのを、内輪のジョークとでも思っているかのようだ。
「これはめずらしいな」ケンブリッジはつぶやいた。「まさか女性が僕の腕から逃れようとするとは思わなかったよ。ずっと逆だったのに」
「その理由が私には想像もつきません」ケイトはなおも抵抗しながらあえいだ。「もし女性が“すり”を目的に、あなたに近づこうとしていたのでなければ」
 ケンブリッジはさらに大声で笑った。「君は僕を魅力的だとは思わないんだな?」
「思いませんとも!」ケイトは怒りで真っ赤になった。「いいから、放してください!」
 ケンブリッジは笑いつつ、なおもケイトを引き寄せた。「まったく、君は僕に合っているよ」彼女の耳元でつぶやいた。「これまでの歳月、どうして僕は君なしでやってこられたのかな、ケイト?」
「息子さんがぞろぞろいなくても、あなたがやってこられたのと同じ理由だと思います」ケイトは怒って言ったものの、結局、あえぎながら彼の抱擁に身をゆだねた。
「僕に子供がいないと、なぜ知っているんだ?」
 ケイトは考えた。「すみません」小声で言った。「なんとなく、いないんじゃないかと……」
 ケンブリッジは彼女の髪をくしゃくしゃにした。「からかっているんだよ、ケイト。僕は父親じゃない。少なくとも、僕の知る限りでは」意地悪く付け加えた。
「そうでしょうね。体を起こさせてもらえますか? ひどく窮屈なんですけど!」
「そうなのか?」ふいにケンブリッジの声音が今までと変わり、ケイトの背に触れる大きな手の感触も変わった。彼はケイトを抱いたまま、彼女がなかば寄りかかる体勢になるまで、そっと体をずらした。
「あなたは……」思わず手が彼のひんやりした厚い胸板に触れ、ケイトは言いよどんだ。
 その手をケンブリッジの温かく大きな手がおおい、自分の体に押しつけた。「リラックスしろ、ケイト」彼は静かに言った。「人はみな、生きていれば、体の触れ合いを必要とするときがある。そしてそれは性的なものでなくてもいいんだよ」
「私はそんなつもりじゃ……」ケイトはあわてて言いはじめた。
「わかっている」ケンブリッジは長椅子のクッションにゆったりもたれ、そのままケイトを抱擁しつづけた。「闇に包まれていると孤独になることがある、お嬢ちゃん」ようやく彼は言った。ケイトはそれが自分のせいだとわかって、苦しさに目を閉じた。「孤独で寒々とした気分に。僕にはすがる人がいないし、そんな人間が必要だとも以前は思っていなかった」彼は短く笑った。「ケイト、君は人間がいかに孤独かじっくり考えてみたことがあるか? 我々はめったに触れ合うことのない肉体の殻に包まれた、個々に自足した存在なんだよ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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