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シンデレラの最後の恋 愛しの億万長者 I

シンデレラの最後の恋 愛しの億万長者 I


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・イマージュ愛しの億万長者
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 スカーレット・ウィルソン(Scarlet Wilson)
 スコットランド西海岸在住。8歳で初めて物語を書いて以来、ずっと創作活動を続けている。熱心な読書家で、児童文学作家イーニッド・ブライトンを読破したのち、人気の大作シリーズなどへと移行し、やがてミルズ&ブーン社のロマンスにたどり着いた。医療従事者でもある彼女にとって、医療現場と恋愛を描くメディカル・ロマンスは夢の取り合わせだと語る。

解説

愛されなくてもいい。一夜だけ、あなたのシンデレラになれれば。

自分に自信のないララは、ある日、絶望の淵に突き落とされた。恋人の裏切りを目撃し家を飛び出したら、どしゃ降りに見舞われたのだ。よるべのない彼女は身も心もぼろぼろになり、やむなく雇い主夫妻を頼って、ナニーとして働く屋敷を訪れた。運よく、夫妻が休暇旅行で留守にするあいだ滞在を許されるが、そこには思いがけない人物がいた――雇い主の親友で大富豪のルーベン。彼も事情があって一時的にこの屋敷に滞在しなければならないという。こんなにハンサムな男性と二人きり、一つ屋根の下で過ごすなんて!だが、ララは思わず覚えた胸の高鳴りを戒め、もう恋はしないと誓った。片や取り柄のないナニーと、片や大富豪……分不相応な恋ならなおさら。

■2016年度RITA賞の最終候補に2作品同時にノミネートされた、飛ぶ鳥を落とす勢いの実力派作家スカーレット・ウィルソン。その2部作〈愛しの億万長者〉の第1話をお届けします。失恋したヒロインを癒やす、大富豪の甘い甘い誘惑をお楽しみください!

抄録

「私も来たのが遅かったし、アディソンが生鮮食品をほぼ使いきっていたから、今夜自分で買ってきたものしかないの」冷蔵庫を開ける。「パンとベーコンとベイクドビーンズならあるわ」
 再び頬をゆるめ、ルーベンが指を折って数えた。「それとワインにチョコレート、ポテトチップス、僕には種類がわからないケーキもな」
 ララもにっこりして首を振った。「そっちには何一つ手を触れないでね。考えるのも禁止よ」
 ルーベンが食器棚に寄りかかった。「ちょっと考えてみたんだ。君からどうやって借りを返してもらうかを」
「借りってなんの?」
「君がケイレブのトロフィーで僕を殴ったという事実に対してのだ」ルーベンが顎に手をかける。「ベーコンとベイクドビーンズのサンドイッチなら、申し分ないと思う」
「サンドイッチの具にベーコンとベイクドビーンズはおかしいわ」あきれて首を振る。「特に、朝に食べるのはだめよ」
 なおもきらめく目でララの全身に視線を走らせ、ルーベンが手を頭にやった。「いたた」わざとらしく後頭部をさする。「午前一時は、ベーコンとベイクドビーンズのサンドイッチを食べるのにもってこいの時間帯だと思う。夕食には遅いが、朝食まではまだ時間があるから」
 ララが唇をすぼめると、ルーベンがすぐそばまで近づいてきた。罪悪感に駆られたせいか、あるいは二人の間の空気が緊迫しているせいかはわからないが、彼女は気がつくと答えていた。
「いいわ」振り向いて、エスプレッソマシンのスイッチを数回押す。「飲み物は何がいい?」
 けげんそうに眉根を寄せたルーベンが、機械を穴があくほど見つめ、ララは笑いをかみ殺した。自分も初めてこのエスプレッソマシンを見たときは面食らい、何度か使ってみてようやくちゃんと理解できたからだ。
「その機械は何をするものかな? コーヒーをいれるのか、それとも『スタートレック』みたいに君をどこかに“転送”するのか?」
「あら、もしあなたを“転送”してくれるなら、すぐにでもボタンを押しちゃうかも」ララは如才なく切り返すと、冷蔵庫に戻ってベーコンを取りだし、グリルの火をつけた。
 ルーベンが胸の前で腕を組んだ。おもしろがっているのか、もしかしたらララの機転のきいた受け答えに興味をそそられたのかもしれない。「これで本当の君を見る機会に恵まれたわけだ」
「何と比べて“本当”なの?」
 ルーベンが笑い声をあげる。「ここにたどり着いたときに僕が出会った、凶暴で巨大なピンク色のテディベアと比べてだ」
 ララはグリルにベーコンを並べて彼をにらんだ。「ええと」指を折って数を数える。「あなたは私の夜を台無しにしたわね。さらに、私が二週間のんびり過ごす予定だった聖域も侵すつもりでいる。おまけに、私の大好きなパジャマまで侮辱した。死ぬほど怖がらせたうえ、チョコレートを勝手に食べたあげくの果てには、脅して食事の用意までさせている」腕を組んで向き直る。「ねえ、ルーベン、今のところ、あなたは私のいちばんのお気に入りよ」
 ララの声音に、ルーベンは頭を振った。「本気じゃないだろう」
 ララは食器棚を開けて、ベイクドビーンズの缶を取りだした。「どの部分が?」
 ルーベンが厚かましくも笑みを浮かべた。「大好きなパジャマの部分だ。君があれよりちゃんとしたナイトドレスを持っているといいんだが」
 電流に似た衝撃が小さく背筋に走り、ララは爪先を丸めた。
 慌ててベイクドビーンズの缶を開けてボウルに移し、電子レンジで温める。「そんな嫌味を言われたら、あなたの後頭部がずきずき痛みますようにと祈りたくなってしまうわ」ララはパンをトースターに入れたのち、エスプレッソマシンに向き直った。「さあ、飲み物のご希望は?」
 ルーベンが笑いながらララのそばに近づいてきた。「君と同じでいいよ」
 ララはカフェラテを二杯作り、アイランド型キッチンの中央に置いた皿にベーコンを移して、電子レンジから温めたベイクドビーンズのボウルを取りだした。トーストができると冷蔵庫からバターを出して食べ物を全部ルーベンの前に並べ、皿とカトラリーを渡してからカウンターの反対側に座った。
 暗褐色の瞳が再びこちらを見つめるのを、ララは感じた。頭の一部では、ルーベンはどう思っているのだろうかと考えていた。しかしその他の部分では、怖くてなにも考えられなかった。
 ルーベンがトーストにバターを塗り始めた。「サンドイッチを頼んだと思っていたよ」それでもバターを塗り続けている。
「思いきって変えたの。パンがべちゃべちゃになるから」
 ルーベンの口角があがった。しかし彼はまじめくさった顔をしながら、トーストにベーコンを置いてスプーンでベイクドビーンズをのせた。「べちゃべちゃか」
「べちゃべちゃよ」ララは鸚鵡返しに言ってから皿の端にベイクドビーンズをよそい、ベーコンをのせたトーストを口に運んだ。「さてと、拝見しましょうか。あなたがどうやって、その白いTシャツにベイクドビーンズをこぼさず食べるのか」
「なんだか勝負を挑まれているみたいだな」
「そのとおりよ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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