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隠れ家のハネムーン【ハーレクイン・セレクト版】

隠れ家のハネムーン【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 ジャクリーン・バード(Jacqueline Baird)
 趣味は油絵を描くことだったが、家族からにおいに苦情を言われ、文章を書くことにした。そしてすぐにロマンス小説の執筆に夢中になった。旅行が好きで、アルバイトをしながらヨーロッパ、アメリカ、オーストラリアを回った。英国に戻ったときに結婚。二人の息子に恵まれ、現在も生まれ故郷のイングランド北東部に夫とともに暮らしている。「二人のバレンタイン」と「恋は強引に」がお気に入りの作品だという。ロマンティックタイムズ誌の賞の受賞歴があり、ベストセラーリストにもたびたび登場する。

解説

ロンドンの大学へ進学が決まっている18歳のペニー。けっして裕福ではない家計の事情もあり、彼女の父は広大な敷地の一部をイタリア人実業家ソロに売却することを決めた。ソロをひと目見た瞬間、ペニーは初めての恋に落ち、彼からプロポーズを受けたときは心から喜んだが、結局、ソロの隠された一面を見てしまい、涙を隠して立ち去った。4年後、事故で父を亡くしたペニーは驚くべき事実を知る。相続するはずの家と土地の半分をすでにソロが手に入れていたのだ。別人のように冷酷になった彼は、ペニーに結婚を迫ると、強引に海辺の隠れ家へ連れ去った。これはハネムーンだと告げて。

■ジャクリーン・バードが描くヒーロー像は、なんといっても傲慢、冷酷、非情。それにもかかわらず、なぜこうも魅力的なのか……?その秘密が、この作品の中に隠されています。
*本書は、ハーレクイン・リクエストから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 ペニーは眉を寄せて彼を見つめた。結局ソロはわたしに恥をかかせたいのだ。わたしにふられた腹いせをしたいのだろう。「そう、だったらもう気がすんだでしょう。あなたの答えを聞かせて」
「いいや、即答はできないな。少なくとも一分は考えさせてくれ。ところで、きみがこの数年どうしていたか、教えてくれないか?」
 時間がないわりには、ずいぶんのんびりしているのね。自分を見下ろすように立つ彼の顔を見ていると首が疲れる。ペニーは彼の肩のあたりを見ながら、今までの生活をかいつまんで語った。ただし絵本作家になったことは黙っていた。自分の近況をあまり詳しくは知られたくなかった。
「じゃあ、ジェームズは今どこに?」ソロは気さくに尋ねた。
「ジェーンのご両親――ターナー牧師と奥さまが預かってくれているわ。アメリカにいる長女のパトリシアが孫を連れて遊びに来ているから、と言ってくださったの。弟を置いて出かけるのは両親が亡くなって以来初めてよ」
 そのとき、背を向けたソロが冷たい目を満足げに光らせたのを、ペニーは知る由もなかった。
「きみのご両親のことは残念だった。ちょうど南アメリカに滞在中で、葬儀に参列できなかった」ソロは再び向き直り、机に寄りかかった。
「あのときはお花をありがとう」ペニーはソロから花を送られて驚いたことを思い出した。彼女の知るかぎり、あんな別れ方をしたあと、ソロは両親にも会っていなかったからだ。
「どういたしまして。きみのお父さんは立派な方だった」
「ええ」あなたにとってはね、とペニーはつけ加えたかった。父親が自分に何も言わずに屋敷を売ったことがいまだに信じられない。けれども彼の反感を買っては損だ。今は礼儀正しくふるまい、さっさと話をつけたほうがいい。「父を失った悲しみは今も変わらないけれど、ジェームズとわたしはなんとか乗り越えたのよ。もちろん、ブラウニーは大きな支えだったわ」
「あのブロンドの美青年はどうしている?」ソロは指輪のはまっていないペニーの指をちらりと見やった。「サイモンだったかな?」
 あまりにもさりげない質問だったので、ペニーは深く考えもしないで答えた。「ジェーンの話によると、アフリカで英語を教えているそうよ」彼女は思わずほほ笑んだ。「でも、まめな人じゃないから、手紙なんか書いてくれなくて。彼なら火星にだって住めるわね」
「心配じゃないのか?」
「いいえ、全然」そこまで言ってペニーは自分が何を暴露しているのか気づいた。
「やれやれ、女心と秋の空だな。別に驚きはしないが」ソロは身を起こし、一歩前に出た。「きみはまったく変わっていないということだ」
 ペニーの耳の中でソロとティナの会話がよみがえった。あのとき感じた屈辱と心の痛みは今も忘れられない。いや正直に言えば、今も感じる。ずうずうしいにもほどがある。自分のことを棚に上げてわたしを責めるなんて。ペニーは彼を見つめた。「あら、わたしは変わったわ。十八のときの何も知らない女の子じゃありません」
「そうらしいな。そしてサイモンはきみを充分に堪能したが、きみの苦境を救ってはやれない。それできみは仕方なくここへ来たというわけだ」ソロはあざけるように言った。「きみと僕だけで解決策を考えなくてはいけないな」
 ペニーは内心たじろいだ。でもソロを責めるわけにはいかない。わたしは、サイモンが恋人であるかのような印象をわざとソロに与えたのだから。
「そんな話、不愉快だわ」
「だが、真実だ」ソロはいきなりペニーの腕をつかんで抱き寄せた。「かつて僕たちの間には何かがあった」ソロはかがみこみ、ペニーに考えるすきを与えずに唇を奪った。
 ペニーは猛然と身をよじって抵抗した。けれどもキスが深まるにつれ、しだいに体の力が抜けていき、なつかしい感覚があふれてくるのを感じた。ソロの男らしい香りにむせ、熱い体に震えが走った。
「思ったとおりだ」ソロは唇を離して言った。「僕たちの間には今も欲望がくすぶっている」彼はペニーの腰をつかんで引き寄せた。「問題はそれをどう処理するかということじゃないかな?」
 ペニーは自分が情けなかった。冷静に見えるソロに対し、自分は彼のキスに激しく動揺している。ペニーは怒りを原動力になんとか立ち直ろうとした。
「どうするつもりもないけど」ペニーは頬を染め、両手でソロの胸を押し返そうとした。「わたしが欲しいのはハバシャム・パークの処分に関するあなたの返事だけよ。さあ、屋敷の権利を買うの? イエスかノーか」ソロを見あげた彼女は慌てて目をそらした。この人は危険だ。挑戦するなんて狂気の沙汰かもしれない。
 ソロはこみあげる笑いをこらえるのに必死だった。彼女が欲望をかきたてられたのは明らかだ。目をそらしたところで、頬の赤さや激しく脈打っている首の血管がすべてを物語っている。今僕が考えていることを知ったら彼女はどうするだろう、と彼は思った。ソロは、彼女を抱きあげ、机に押し倒して服を脱がせたいという衝動と闘っていたのだ。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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