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罪な伯爵【ハーレクイン・セレクト版】

罪な伯爵【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 サラ・クレイヴン(Sara Craven)
 イングランド南西部サウス・デボン生まれ。海辺の家で本に囲まれて育った。グラマースクール卒業後は、地元のジャーナリストとして、フラワーショーから殺人事件まで、あらゆる分野の記事を手がける。ロマンス小説を書き始めたのは一九七五年から。執筆のほかには、映画、音楽、料理、おいしいレストランの食べ歩きなどに情熱を傾けている。サマセット在住。

解説

母親の押しつける結婚から逃れる手助けをしてほしい。広告代理店に勤めるローラは顧客からそう懇願され、言われるままに恋人を装って、イタリアを訪れた。ローラを待っていたのは、息子の恋人に敵意を抱く母親と、滞在先の館の主で、顧客の従兄にあたるラモンテッラ伯爵だった。伯爵は到着直後から何くれとなくローラの世話をやき、観光へも連れだしてくれた。黒い瞳に黒い髪。なんて神秘的なの?すっかり伯爵に夢中になったローラは彼の誘惑の罠に落ちるが、彼女がバージンだと気づいた伯爵にベッドから追いだされてしまう。いったいなぜ?伯爵の企みを知らないローラは困惑し……。

■長くハーレクイン・ロマンスを牽引してきたベテランの人気作家サラ・クレイヴン。高貴な身分にあるラテンヒーローのロマンスを得意としています。2007年刊行の大ヒット作です。
*本書は、ハーレクイン・ロマンスから既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 彼はタオルとサングラスを手に、プールへ向かった。ローラがいるかもしれないと期待したとおり、彼女はプールサイドで静かに眠っていた。長いまつげを頬に伏せ、顔を心持ち横に向けている。太陽が移動したせいで、一方の脚が日にさらされていた。アレッシオはパラソルに手を伸ばし、わずかに位置を調整した。
 ワンピースの水着は濃い緑色のシンプルなもので、それを身につけたローラはほっそりした花の茎を思わせた。その上に広がる茶色の髪は、まさにエキゾチックな花そのものだった。
 アレッシオは息を吸いこんで体の向きを変え、タオルとサングラスを隣の寝椅子にほうり投げて、プールのほうへ歩いていった。飛びこんだ瞬間、彼の体はナイフのように鮮やかに水を切り裂いた。
 その水しぶきの音に、ローラは目をぱっと開けた。肘を立て、とまどいぎみにあたりを見まわす。
 プールのほうを見やった瞬間、力強い動きで水上を滑っていく褐色の体が目に留まった。彼女の頭は瞬時に覚醒し、心臓がぴくりと跳ねた。
 アレッシオは二かきでプールの端に達し、ターンして戻ってくる。その様子をローラはこっそり見ていたが、やがてサングラスをかけ直し、本を取って盾のように顔の前にかざした。
 彼が水から上がり、近づいてきた。たくましい筋肉に覆われたしなやかな体が、日差しを浴びて輝いている。
「|やあ《チヤオ》」タオルで体を拭きながら、アレッシオはさりげなく笑いかけた。
「こんにちは」ローラは彼の視線を避け、おずおずと応じた。アレッシオの水着はきのうのショートパンツよりもさらに小さい。彼女はどぎまぎして言葉を継いだ。「早かったのね。用事はすんだの?」
「期待した結果は得られなかったけれどね」アレッシオは顔をしかめた。「頑固な老人と根比べして、負けてしまった」
「たまにはそういうこともあるわ」
「ところが、フレドを相手にした場合はときたまではないんだ」アレッシオの顔がほころぶ。「彼の息子のルカとは幼なじみで、僕の両親が亡くなってからは、フレドが父親代わりみたいなものだったからね。僕たちに森の中のあらゆる小道を教えてくれたのもフレドだし、安全な歩き方も教えてくれた。初めて猪狩りに連れていってくれたのも彼だ」
「それがどうして、いまは意見が合わないの? 私には関係のないことかもしれないけれど」ローラは急いであとの部分を言い足した。
「別に隠すほどのことでもない。彼はもともと町の暮らしが好きじゃなかった。だから、奥さんが亡くなると山小屋に移り住んで、やぎの世話を始めたんだ。以来、ずっとそこで暮らしている。だがもうかなりの年だから、ルカは、そんな暮らしはもう無理だと心配して、同居したがっている。ところが、フレドは、息子の嫁は料理が下手だの、言葉がきついだのと言って、耳を貸さない。それに対して、僕は反論できないというわけさ」
「説得は無理ね」ローラは真顔で言った。「お年寄りの生き方を変えさせるのは大変だもの」
「まさにそのとおり」アレッシオは声をたてて笑った。「だが、僕はあきらめたわけじゃない」
「簡単にはあきらめない性格なのね」
「いや、絶対にあきらめない性格なんだ」アレッシオは寝椅子にタオルを広げ、彼女が手にしている本を顎で示した。「おもしろいかい?」
「ジャケットにはベストセラーと書いてあるわね」
「なるほど」アレッシオは静かに応じた。「だが、君としては?」
「まだ断定はできないけれど、いかにもありがちな殺人事件、というところかしら」ローラはため息をついた。「でも、持ってきたのはこの本だけだから、読み続けるしかないわ」
「僕の書斎に英語の本がある。古典も、新しいものも。自由に読んでもらってかまわないよ。エミリアに案内してもらえばいい」
「それは……どうもありがとう」ローラは驚いた。「だからそんなに英語が上手なの? 本をたくさん読むから?」
「英語は、第二言語として学校で勉強したんだ。イギリスとアメリカの大学も出たし」彼はいたずらっぽく笑った。「勉強しておいてよかったよ。君のイタリア語はかなり限定的だからね」
「だけど、フランス語ならまんざらでもないのよ」ローラは弁明した。「当初の予定では、休暇中に証明できるはずだったのに」
「どういう予定だったのかな?」
 彼女はたちまち凍りついた。いけない、またしても口が滑ってしまった。「リビエラへ行く予定だったの。でも、そのあとパオロに出会って……ごらんのとおり、気が変わったのよ」
「なるほど、ごらんのとおり、ね」その声には、どことなく皮肉めいた響きがあった。「たぶん、最初の計画に従うべきだったのかもしれないな。そうすれば、ルクレツィアにも会わずにすんだろうに」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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