マイリストに追加

和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ 別冊

ミスター・トラブル

ミスター・トラブル


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・プレゼンツ 作家シリーズ別冊
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
みんなの評価 未評価
◆レビューを書く

¥0サンプル
XMDFのファイルをご覧になるにはブンコビューア最新版(無料)をインストールしてください。

「書籍ファイルが壊れています」と表示される場合は、ブンコビューアを最新版にアップデートしてください。
購入する


著者プロフィール

 シャーロット・ラム(Charlotte Lamb)
 第二次大戦中にロンドンで生まれ、結婚後はマン島で暮らす。大の子供好きで、五人の子供を育てた。ジャーナリストだった夫の強いすすめによって執筆活動に入り、百作以上の作品を著す。二〇〇〇年秋、多くのファンに惜しまれつつこの世を去った。

解説

ホテル付秘書のアルバイトをするクローディアは、日によってホテルのオフィスで働くこともあれば、宿泊客の要請で臨時の秘書を務める場合もある。今日の任務は、最上階のスイートルームに滞在する客の臨時秘書。客は世界的な億万長者のエリス・ルフェーブルだ。“彼はトラブルそのもの。気をつけて”――そんなホテル側の注意が的中し、クローディアはさっそくトラブルに巻きこまれた。部屋に入るなり、一方的にエリスから言い渡されたのだ。「今夜は、きみもここに泊まるように」

■〈ロマンス・タイムマシン〉と題してその年の名作をお贈りする企画、1992年の今回は、2000年に世界中のファンに惜しまれつつこの世を去ったスター作家、シャーロット・ラムのボス秘書ものです。

抄録

「弟といったい何をしていたんだ?」エリスは眉を寄せて近づいてくる。彼がいかに背が高いか、いかに人を惑わせるかをクローディアは強く意識した。
「なぜ? 弟さんは女性とデートするのに、いちいちあなたの許しを得なければならないの?」
「やっぱりデートだったんだな?」彼の声は荒々しく怒りに満ちていた。それを聞いてクローディアはエリスが事情を知らないのを確信した。「弟が君にキスするのを見た。想像かと思ったが、本当だったんだな。いつからなんだ? 僕は弟が君と会ったことがあるのさえ知らなかったんだぞ」
「あなたに関係ないことでしょ!」クローディアは身を翻してドアから入ろうとした。
 だがエリスのほうがすばやかった。彼はクローディアの腕をつかんで引き寄せた。
「いや、関係あるね。君がいつ弟と出会ったか、君たち二人は正確に言ってどういう関係なのか、僕は知る必要がある」
「乱暴はやめて。あなたになんか、何にも話さないわ!」もがいて身を振りほどこうとするクローディアを、エリスは壁に押しつけて動けないようにした。
「いいや、君は僕の知りたいことを話してくれると思うね。でなければいつまでもここにいることになるから」絹のようになめらかだが、脅威に満ちた声だ。
 クローディアは軽蔑をこめて彼を見た。「そんなふうに力ずくで来るんなら、話すしかないわね。あなたから離れるためなら、何だってするわ!」
 その口調は顔を平手で叩くのと同じ効果があったようだ。エリスは顔をこわばらせ、目をぎらつかせた。何も言わなかったが、それは一時的に言語能力を失ったせいかもしれない。今までにこんなことを彼に言った女性はいないのかしら? だとすればいい見せしめだわ。クローディアは怒りに燃えた彼の目を見返して、おじけづくまいと努めた。
「スティーヴンが昨日また店に来てくれたから、私たち話をしたの。今日は川べりのレストランでお昼を食べて、またここまで送ってもらったのよ」クローディアは冷ややかに言った。「満足した?」
「スティーヴンも?」エリスが皮肉っぽく眉を上げる。
「あなたって、最低ね!」
「僕も男だから、君のような女が及ぼす効果はわかる」
「君のような女? いったいどういう意味?」
「君は|誘惑《テンプテーシヨン》そのものだ――大文字のTで始まる。スティーヴンをここへ連れてきたのが失敗だったとは、今の今まで気がつかなかった。これまで彼が僕の領域を侵犯したことは一度もないから」
 クローディアは震える息を吸いこんだ。「領域? あなたの領域? まさか私のことじゃないでしょうね! おかしなことを言わないで!」
 エリスは取り合わず、自分自身に言い聞かせるように続けた。「もっともあいつは自分のしていることに気づいてないのかもしれない。時々どうしようもなく鈍感になるからな」
「スティーヴンが鈍感だなんて思わないわ。正直言って、あなたの弟だなんて信じられないくらい。とても話しやすいし、親切で、思慮深くて、一緒にいても気が楽だし――ほとんどすべての点であなたとは違ってるわ」
「今の描写はたしかに僕らしくないね。だけど、どきどきするほど魅力的だとも言えないな。それなのに君は僕よりあいつのほうを選ぶのか? 僕が弟を過小評価してるのか、それとも……これは僕へのあてつけかい? 君はゲームをしているのか?」
「違うわよ!」クローディアは全身に注がれるエリスのあからさまな視線に体をかたくした。「ねえ、これで質問に答えたから行っていいでしょう?」
「まだだよ」エリスは彼女の唇を見ている。
 脈が狂ったように速くなる。クローディアはまた身を翻そうとしたが、エリスは壁の両側に手をついて彼女をとらえ、あごをつかんで顔を上に向けさせた。
 下りてきた彼の唇が、情熱的に執拗にクローディアの唇を探った。もう一方の手は肌の上を滑り、体に熱いさざ波を送りこんでくる。
 エリスが再びゆっくりと顔を上げた時、クローディアは目を閉じて激しく震えていた。彼女は深く息を吸いこんでから目を開けた。そうしなければ彼が呼び起こした、思いがけなく強い欲望、喜びへの切望を気づかれてしまいそうだったから。
「どうして男って手を引っこめていられないの?」彼女はかすれた声でつぶやいた。「何を根拠に、指を鳴らせば女という女が皆、あなたの腕に飛びこんでくるなんて思うの? あなたがお金持だから? たいていの女はあなたのお金に目がくらむかもしれないけど、私にとってはそんなもの何の値打ちもないわ。お金にも興味ないし、今みたいな野蛮な行為にも我慢できないの。私にとって男の人は、尊敬できて好意が持てるかどうかが問題なの。あなたはそのどちらにも該当しないわ!」


*この続きは製品版でお楽しみください。

本の情報

形式

【XMDF形式】

XMDFデータをご覧いただくためには専用のブラウザソフト・ブンコビューア最新版(無料)が必要になります。ブンコビューアは【ここ】から無料でダウンロードできます。
詳しくはXMDF形式の詳細説明をご覧下さい。

対応端末欄に「ソニー“Reader”」と表示されている作品については、eBook Transfer for Readerで“Reader”にファイルを転送する事で閲覧できます。
海外版の“Reader”は対応しておりませんので予めご了承くださいませ。

【MEDUSA形式】
MEDUSA形式の作品はブラウザですぐに開いて読むことができます。パソコン、スマートフォン、タブレット端末などで読むことができます。作品はクラウド上に保存されているためファイル管理の手間は必要ありません。閲覧開始時はネットに接続している必要があります。

詳細はMEDUSA形式の詳細説明をご覧下さい。