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闇のエンジェル【ハーレクイン・セレクト版】

闇のエンジェル【ハーレクイン・セレクト版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・セレクト
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 リン・グレアム(Lynne Graham)
 北アイルランド出身。七月三十日生まれの獅子座。十代のころからロマンス小説の熱心な読者で、初めて自分でロマンス小説を書いたのは十五歳のとき。大学で法律を学ぶと同時に、十四歳のときからの恋人と卒業後に結婚。この結婚生活は一度破綻したが、数年後、同じ男性と恋に落ちて再婚するという経歴の持ち主。イギリス郊外に家と五エーカーの森林を持ち、そこで現在、スリランカとグアテマラからの養子を含めた五人の子供を育てている。時間のあるときは大好きな庭仕事に励み、得意のイタリア料理に腕をふるう。小説を書くときのアイデアは、自分自身の想像力とこれまでの経験から得ることがほとんどで、彼女自身、今でも自家用機に乗った億万長者にさらわれることを夢見ていると話す。ロマンス映画も大好きだが、ハッピーエンドでないものは好きではないという。

解説

ケルダが13歳のとき母が再婚し、新しい兄ができた。再婚相手の大富豪の御曹司で、見とれるほど美しいアンジェロだ。彼はなぜかケルダに厳しくあたり、彼女の育ちの悪さを咎めた。だがそんな二人の関係はケルダが18歳のときに一変する。あるパーティの夜、成り行きでキスを交わしてしまったのだ。それを見た継父は激怒して、すぐさま彼を家から追いだした。6年後、ケルダは偶然アンジェロに再会した。なぜか彼女の窮状を知る彼は、愛人になれば援助してやると言い、やがてケルダが彼の子を宿すと、強引に結婚を迫ったのだった。

■1996年に刊行された、大人気作家リン・グレアムの日本デビュー作をお贈りします。義兄妹の切ない心情、一夜の目眩く情事、妊娠、便宜結婚と、ハーレクインのすべてが詰まった傑作です!
*本書は、ハーレクイン・プレゼンツ作家シリーズ別冊から既に配信されている作品のハーレクイン・セレクト版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

 ケルダは青ざめた頬に両手を当て、強いて彼を見返した。「なぜ私をここに連れてきたの?」
「なぜかって?」鋭い視線が彼女の肩を覆う金褐色の髪の流れを追い、美しい顔の上でとまった。「君はそんなに鈍いのかい? 六年前、君は僕と父さんの関係にひびを入れた」
「私……別にそんなつもりじゃ……」
「僕を出し抜いた女は君だけだ。君はまだ十八歳だった。だが、うぶな世間知らずじゃなかった。あの夜、君はすべて承知のうえで僕を誘惑した」
「違うわ!」
「そして、まんまと目的を達成した。君は父さんとデイジーが帰宅するのを待って、僕の部屋に忍び込んだ。パーティが終わっていることを知って二人が驚くことも、デイジーがまず君の寝室に立ち寄ることも承知のうえでだ。君が部屋にいないと知り、父さんは僕にききに来た……。そして、あの光景を見せられた」
「そんなの言いがかりよ!」ケルダの声がうわずった。「あれはたまたまそうなっただけだわ」
「とんでもない。あれは見事に練られた計画だ」アンジェロは皮肉たっぷりに反論した。「図書室での一件について僕の口を封じるための策略だった。取り越し苦労もいいところさ。あの件を君の母親に報告するつもりなんか僕にはさらさらなかったのに」
「あなたが私に触れたりしなければ、あんな騒ぎは起こらなかったのよ!」
 アンジェロは頭をのけぞらせて笑った。「そんな言葉で僕を言い負かせると思ってるのかい? 君は透けたナイトドレス姿で、食い入るように僕を見つめていた。あの夜まで、僕は君に欲望を感じている自分を恥じていたが……」
「欲望を? 私に?」ケルダははじかれたように背筋を起こした。
「君は僕の体に深く食い込んでいくとげのような存在だった」アンジェロの顔に冷たい微笑が浮かんだ。「うぶなふりが上手だな。でも、僕はだまされない。君は昔からずるがしこかった。僕の欲望を見抜いていたんだ。あの夜、図書室で君の正体を見なかったら、どうなっていたことか。実際、あれは軽率だったな」
「軽率……」ケルダはぼんやりと繰り返した。知らなかった。何も知らなかったわ、私。でも、これで理解できた。六年前のあの夜、アンジェロがあんな態度を見せた理由が。
「あのころ、僕が君を抱くためには結婚するしかなかった。ばかな話さ。君をベッドに押し倒すために、そこまでの犠牲を払うなんて。それでも、僕はその気でいた。君が大人になるのを待つ覚悟だった。どう、びっくりしたかい?」
「え、ええ」ケルダにはそれ以外何も言えなかった。
「今になってこの話をするのは、君につまらない期待を抱かせないためだ」アンジェロは無表情で告げた。「君がどんな手を使おうと、僕は絶対に君とは結婚しない」
「あ、当たり前よ」ケルダはサルヴァドール・ダリが描く悪夢の世界をさまよっているような気がした。アンジェロとの結婚。誓って言えるが、そんな途方もない考えを抱いたことは一度だってない。
「だが、僕は君を自分のものにする。今までに君が経験したことのない愛し方で」アンジェロは押し殺した声で断言した。ケルダの張りつめた神経に、ほろ苦く甘美な衝撃が走った。体の芯がかっと熱くなる。こんな経験は初めてだ。「六年の間、君をどう楽しませようかとずっと考えてきたんだ。このときが来ることはわかっていた。君から『ヴォーグ』が送られてきたとき、君も同じゲームを楽しんでいるんだとわかった。あの表紙の君は、高価なエメラルドのネックレス以外何も身につけていなくて……」
「あれは、そういうふうに見えるだけよ!」
 アンジェロは乗馬ズボンのポケットに手を入れ、取り出したものを無造作に白いシーツの上にほうった。「買ったんだ……あのカルティエのネックレスを」
 ケルダは長いまつげをしばたいた。エメラルドのネックレスが窓からさし込む光を受けて、きらめく川のようにシーツに横たわっている。彼女は吸い寄せられるように、震える指でネックレスに触れた。
 アンジェロはもの憂げに笑った。悠然とした足取りでベッドサイドにまわり、ネックレスを拾ってケルダの隣に腰を下ろした。そして、そっと金褐色の髪が押しのけられ、うなじにひんやりとした指が触れたと思うと、急に彼女の首に宝石の重みがかかった。
 アンジェロはケルダの髪をもとに戻し、こわばった背筋を人さし指でたどった。「ずいぶん硬くなっているね。まるでおびえてるみたいだ」そうからかうと、ケルダの感じやすい耳元に唇を押しつけた。とろけそうな快感に、彼女の全身から力が抜けていく。「今夜が楽しみだよ」アンジェロはかすれ声でささやき、優雅な身のこなしで立ち上がった。
 ショックの余波だろうか、急に寒けに襲われ、ケルダは震えだした。
「一緒に遠乗りに行くかい?」アンジェロはすでにドアの前まで来ていた。「その気はない? じゃ、朝食の席で会おう。中庭で一時間後だ」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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