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愛を知りたくて【ハーレクイン文庫版】

愛を知りたくて【ハーレクイン文庫版】


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン文庫ハーレクイン文庫コンテンポラリー
価格:500pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 スーザン・フォックス(Susan Fox)
 末の息子パトリックとアイオワ州デモインに住む。時間があればソファーに座りスナック片手にテレビを見ている。大の映画ファンで、とりわけロマンチックな映画が好き。幸せな結末が約束されたロマンス小説を数多く読み、さらなる執筆に向けて自らも構想を練っている。

解説

突然、病室に現れた義兄モーガンの姿にセリーナは茫然とした。セリーナの事故の知らせを聞きつけて、やってきたという。母親が再婚したとき、セリーナはまだ12歳だった。孤立しがちな彼女を年の離れた義兄だけが気にかけてくれ、その優しさに触れるうちに、次第に彼を好きになってしまった。後ろめたい思慕を隠そうとしたのに、いつしか知られてしまい、17歳のセリーナは悩んだあげく、家を出たのだ――二度と義兄に会わないと決めて。もがき苦しむセリーナに、モーガンが低い声で突きつけた。「きみを家に連れて帰る」
*本書は、ハーレクイン・イマージュから既に配信されている作品のハーレクイン文庫版となります。ご購入の際は十分ご注意ください。

抄録

いで、ドアを閉める重厚な音がした。数秒後、モーガンが運転席に乗りこんできた。彼はシートベルトを締めると、ゆっくりと大型車を走らせ、歩道の縁を離れた。加速するサバーバンのなめらかな動きで、彼女はシートの背に押しつけられた。
 頭痛はいったん和らいでいたが、今しがたのちょっとした活動のせいで、セリーナの頭は激しく痛みだした。そのとき、唐突に車に乗ることの意味が心に浮上してきて、彼女は目を開け、フロントガラスの向こうの通りを、とりわけ近づいてくる交差点を不安な目で見つめた。
 人目を引くSUVのサバーバンは、大破したセリーナの小型車とは似ても似つかない。だが、彼女は極度の不安に襲われた。大型車の走りはなめらかだが、わずかな揺れから目眩が起こり、かすかな吐き気を覚えた。
 アパートメントまでの数キロが永遠のように感じられた。ようやく着いたときには、セリーナは車酔いしていた。モーガンが縁石の脇に駐車してからも、動く気になれず、彼女は規則正しく呼吸することに集中して、吐き気が治まるのを待った。
「いったいどうしてひと言も口をきかなかったんだ?」
 モーガンの低いしわがれ声にはたっぷりのいらだちと、セリーナには黙殺しきれない大きな落胆がこもっていた。車酔いにもいいことがある。これで牧場までの長いドライブに耐えられそうもないのが、モーガンの目に明らかになったはずだ。とりあえず、残り少ない力を振りしぼって彼に抵抗しなくてもすむだろう。
「教えてくれたのはあなたよ。わたしの前で悪態をつく男性と一緒に過ごしてはいけないと」セリーナはモーガンが一瞬黙るのを見て、悦に入った。
「きみは傷ついて、弱みを見せまいとする野良猫みたいだね。好きなだけ毛を逆立ててうなればいい」いつもながら彼の無遠慮な言葉は的を射ていた。「胃にはどのくらい食べ物が入っている?」
「お目にかけましょうか?」少し強がると、ぐんと吐き気が和らいだ。大きな車のなかにまた沈黙が流れ、聞こえるのは控えめなエンジンのうなりと、エアコンのたてるかすかな音だけだった。
 アイドリングするエンジンの微妙な震動のせいか、吐き気はすぐには治まらなかったが、ようやく落ちついてきたので、セリーナはけだるそうに頭をヘッドレストから上げ、どうにか目を開けた。
 降りられるようになった合図だと思ったのか、モーガンは車から降りると、助手席のほうに回ってきた。彼女はなんとかバッグから鍵をとりだした。だが、彼は助手席のドアを開けると、なめらかな手つきで鍵をとりあげた。セリーナが自分で降りようとすると、すかさず彼の手が伸びてきた。
 セリーナは寄せつけまいと、モーガンの胸に片手を突きだした。「歩けるわ」
 モーガンはセリーナの手をとると、そのまま慎重に持ちあげ、自分の首に巻きつけた。「こうすると痛むかい?」
 セリーナはモーガンの青い目をにらみつけた。「歩けると言ったでしょう」
「膝が音をあげる前に、ここから抱きあげていったほうがずっと痛まないよ」モーガンはセリーナをひょいと抱きあげると、後ろに下がり、ブーツの足で助手席のドアを閉めた。
 今度は、モーガンのムスク系のアフターシェーブ・ローションの香りがセリーナの鼻孔いっぱいに広がった。彼の胸にしっかり抱きかかえられた感動で、傷ついた体はさまざまな苦痛を忘れた。
 モーガンのシャツはきめの粗い薄地の綿で、セリーナはむきだしの腕と手のひらの真下に、彼の温かくたくましい体と鋼鉄のような背筋をありありと感じた。彼女がモーガンの厳しい横顔を見つめまいと目をそらしていると、彼はなんの苦もなく正面の小道を通り、セリーナのアパートメントのある建物のドアのほうに大またで近づいていった。
 モーガンのような男性には、セリーナはたいした重さではないのだ。獣のような男らしさを見せつけられ、セリーナは自分がこのうえなく女性であると感じ、なすすべもなく彼に魅了されていた。
 ふたりはまたたく間に入口のセキュリティドアを通りぬけた。モーガンは、当然のようにセリーナを抱えたまま、彼女の鍵を使ってドアを開けたのだ。一階の彼女の部屋に着くと、同じようにして玄関のドアを開けた。


*この続きは製品版でお楽しみください。

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