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和書>小説・ノンフィクションハーレクインハーレクイン・ディザイア

大富豪とかりそめの花嫁

大富豪とかりそめの花嫁


発行: ハーレクイン
シリーズ: ハーレクイン・ディザイア
価格:600pt
形式:XMDF形式⇒詳細 MEDUSA形式⇒詳細
対応端末:パソコン ソニー“Reader”スマートフォン タブレット
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著者プロフィール

 アンドレア・ローレンス(Andrea Laurence)
 文字が読めるようになって以来、ずっと読書と物語の執筆に夢中。世界中の人たちに自作の小説を読んでもらうのが長年の夢で、ロマンス小説作家として、現代物のみならずパラノーマル作品でも数々の受賞歴を誇る。10年来の恋人とともに、シベリアンハスキー犬や猫たちに囲まれ、幸せに暮らしている。

解説

愛する人と暮らす夢はかなった。残酷な、期限付きの結婚として。

ラナは密かに恋をしていた。相手は職場のボス――ホテル王のカル。長身を高級スーツに包んだ黒髪の彼は、独身主義で有名だ。愛する人と温かい家庭を築くというラナの夢はかないそうもなかった。貧しい家の出のわたしなんて、大富豪の彼にはふさわしくないわ。部下なのに友人のように接してくれる今の関係で満足しなければ……。そんなとき、ラナは誤解から逮捕された姉の赤ん坊を預かることに。だが正式な夫婦でない男女ではだめだと知り、困り果ててカルに相談する。「では、ぼくと結婚しよう……赤ん坊を預かるあいだだけ」この結婚はかりそめのもの。いくらそう自分に言い聞かせても、海辺の結婚式で誓いのキスを交わすと、ラナの胸は高鳴って……。

■D−1743『億万長者と秘密の愛し子』も大好評だった、ディザイアの人気作家アンドレア・ローレンスの、常夏の国ハワイはマウイ島が舞台の作品です。バカンス気分を存分にお楽しみください。

抄録

 ラナは不安な思いに耐えてカルを見あげていた。気後れする前にと、彼女は思いきって行動に移した。こんな突拍子もないことをするなんてどうかしていると、自分でもわかっていた。だが、アケラを自分の手で保護するためなら手段を選んではいられない。それでこうして、結婚にまったく興味のない親友にプロポーズしているのだった。
 しかし、カルの顔に浮かんだパニックの表情を見れば、イエスと答えたくないのは明白だった。ラナはカルの手に力がこもったのを感じ、彼が手を引き抜こうとするのを防ぐために、手に力を入れた。彼はラナの支えだ。憧れであり、すべてだ。きっとうまくいく。うまくいかないと困る。
「ごめんなさい。ダイヤモンドの指輪は用意していないけれど」ラナは緊張した雰囲気をやわらげようと口を開いた。「今日、結婚を決意するとは思わなかったから」
 カルは笑わなかった。信じられない様子で首を振った。「本気で言っているのか?」
「ええ、もちろんよ。あなたはわたしの助けになるならうれしいと言ってくれたわ。水曜日に判事に会いに行くときに、もしもわたしたちが結婚してあの大きな家で一緒に暮らすことになっていれば、判事はわたしがアケラの法定後見人になることを認めるでしょう?」
 カルは身をのりだし、もう片方の手を添えてラナの両手を握り返した。「たしかに、きみのためならぼくはなんでもしたい。だが、結婚だって? いや……つまりそれは……重大な決断だ」
 カルがはっきりノーと言わなかった事実に、ラナに勇気を得た。「重大な決断は必要ないのよ」彼女は主張した。「聞いてちょうだい。わたしはあなたが結婚をどんなふうに思っているか知っているわ。だから永遠に一緒にいてくれなくてもいいの。わたしと恋に落ちる必要も、一緒になにかをする必要もないわ。ばかげた話なのはわかっている。見せかけの結婚でいいのよ。わたしたちはよく一緒に時間を過ごしていたから、いつのまにか愛しあうようになり、ひそかに結婚したとしても、疑う人はいないはずよ。判事や児童保護局が納得するまでの、期間限定の結婚でいいの。その後は結婚を無効にするか離婚するかすればいい。まあ、公衆の面前で何度かキスをするかもしれないけれど。ねえ、これなら重大な決断は必要ないでしょう?」
 カルの顔に失望の思いがよぎったような気がしたが、彼がなにに失望したのか、ラナにはわからなかった。ふたりが夫婦になるという考えを、カルが気に入っているとは思えない。その事実を認めたくはなかったが、姪を引きとるためにはカルの好意にすがるしかなかった。
 しばらくして、カルはため息をついてうなずいた。「わかった。結婚しよう。きみはぼくの家に引っ越して、アケラを両親のもとに安全に返すことができるまで、幸せな夫婦を演じよう。それだけでいいんだろう?」
 ラナもうなずいた。「ええ、そうよ。約束するわ。もしもあなたがそれ以上のことをしたくなったら、わたしがあなたの頬をたたいて誰を相手にしているか思いださせてあげるわ」
 ようやくカルの顔に笑みが浮かんだ。彼が突飛な計画に賛同してくれたことがわかり、ラナは安堵のため息をついた。まさに人生をかける重大な申し出を、カルは受け入れてくれたのだ。
「では、カラニ・ビショップ、わたしの便宜上の夫になってくれますか?」ラナは改めてたずねた。
 カルはつかのま唇を引き結んでからうなずいた。「いいよ」
「やったわ!」ラナは彼に飛びついて抱きしめた。カルの喉もとに顔を押しつけ、彼のコロンの香りを吸いこむ。そのムスクの香りに刺激されて、ラナの体の奥に予期せぬうずきが生まれた。胸の鼓動が速まり、ラナは体にまわされたカルのたくましい腕の感触を楽しんだ。これまでこんなふうに抱擁してくれる男性はいなかったし、カル以上に抱擁されたいと思った相手もいなかった。
 そのとき、ラナはカルが困惑して体をこわばらせるのを感じ、ロマンチックな霧を頭から振り払った。すぐに体を離してカルを見る。彼の顔には、信頼や興奮のかわりに羞恥や心の葛藤をうかがわせる表情が浮かんでいた。
 ラナは、ふたりの結婚は見せかけなのだということを忘れずにいる必要があった。カルにとってこの結婚は、ただ友人の力になるためのもの。公衆の面前で触れあっても、ラナは体の反応を抑えなければならなかった。さもないと、目的を達しないうちにカルに逃げられてしまうだろう。
「本当に結婚しても大丈夫?」ラナはたずねた。
「正直に言えば、あまり自信はない」カルはつねに誠実だった。「だが、なんとかやりとげるつもりだ。きみのために」
 その言葉に、ラナは涙が出そうになった。ふたたびカルに抱きついて、耳もとでささやいた。「わたしの親友でいてくれてありがとう、カル。あなたは最高だわ」
 カルが低い笑い声をあげた。「大げさだな」


*この続きは製品版でお楽しみください。

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